空京

校長室

戦乱の絆 第二部 第二回

リアクション公開中!

戦乱の絆 第二部 第二回
戦乱の絆 第二部 第二回 戦乱の絆 第二部 第二回 戦乱の絆 第二部 第二回 戦乱の絆 第二部 第二回 戦乱の絆 第二部 第二回

リアクション


■パッフェル

パッフェル・シャウラ(ぱっふぇる・しゃうら)は、
キマク防衛の最前線に立ち、第七龍騎士団を町に近づけないようにしようとしていた。
彼女と両想いの桐生 円(きりゅう・まどか)
パートナーのオリヴィア・レベンクロン(おりう゛ぃあ・れべんくろん)
パッフェルのことが好きな七刀 切(しちとう・きり)と、
パートナーの黒之衣 音穏(くろのい・ねおん)
そして、アルマイン・マギウスのRED-ROSEに搭乗する、
ナナ・ノルデン(なな・のるでん)
ズィーベン・ズューデン(ずぃーべん・ずゅーでん)がともにいる。

東シャンバラの勢力は、
イルミンスールはイナテミス、
百合園は級友・アイリスのいるツァンダへ、
パラ実はミツエと良雄がポータラカに向かうなど、分散した。
その結果として、キマクの防衛網は薄くなってしまった。
「だけど、皆、大切なものを選んだ結果だ。ボクはパッフェルを守る」
自分がパッフェルの足手まといにならないように。
かつてパートナーを失った時のような後悔は、二度としないために。
円は、決意を表す。
「ありがとう、円。……私も、円を、守るから」
パッフェルはうなずいて、円の隣に立つ。
「ワイのことも忘れるなよ!
パッフェルを傷つけさせたりしないからな!」
切も、武器を構えて言う。
「私もです」
ナナもうなずく。
(パッフェルとはいろいろなことがありましたが。
彼女を思う人達のためにも、彼女を護らねばなりませんね)
「……皆、ありがとう」
パッフェルは微笑を浮かべる。
「来るよ!」
ズィーベンが注意を促すと、第七龍騎士団のヴァラヌスと、随伴歩兵が進軍してきた。

「さぁ~、魔法をおねぃさんがかけますわよぉー」
オリヴィアは空飛ぶ魔法↑↑でパッフェル達が飛行できるようにする。
ヴァラヌスに向け、パッフェルは星銃パワーランチャーを乱射する。
死角を補うように、円とオリヴィア、切とその身にまとわれる魔鎧の音穏が戦う。
(こいつらはパッフェルの敵……)
パッフェルの援護をして、ヴァラヌスの砲台を破壊しようとしながら、円は思う。
(それなら、殺すべきだろうか)

「あーあ、学校への言い訳、どうしようかねえっと!」
葦原明倫館の学生である切は、西シャンバラへの出動要請があったのを無視して来たのだった。
(でも、パッフェルの方が大事だし。
でも、マジで言い訳どうしようかな!)
考えつつも、切は武器を振るうのをやめない。

「……ッ!」
「「パッフェル!!」」
円と切の声が重なる。
ヴァラヌスのキャノンによる攻撃が、パッフェルの身体をかすめ、雨にまじって血しぶきが飛び散る。
円は、迷いを捨てて、ヴァラヌスのコックピットを連射する。
「十二星華を落とせば、こちらのものだ!」
さらに、パッフェルとの間合いを詰めてきた別のヴァラヌスに、
ナナはRED-ROSEを無理やり割り込ませる。
「させません!」
RED-ROSEに足蹴にされてヴァラヌスがバランスを崩す。
泥水ですべり、ヴァラヌスは転倒する。
パッフェルは、そこにパワーランチャーでとどめを刺す。
「ナナ、あんまり無茶してると足がもげちゃうよー? 普通のアルマインなんだから」
「わかってます」
本当にわかってるのかなあ……という、ズィーベンのぼやきは、ナナに届いたかどうか。

こうして、第七龍騎士団と随伴歩兵相手に善戦するパッフェル達だが、
徐々に疲弊していく。
戦力差は圧倒的であり、いくら精鋭がそろっていようと、進軍を止めることはできなかった。
「く……」
「パッフェル! ここはもう……!」
円が悲痛に叫ぶ。円自身もすでに血まみれであった。
「あとは他の奴らにまかせるしかないな……」
切も、もはや気力だけで立っている。

こうして、ヘクトル達、本隊は戦線を突破して、
キマクの町へ向かって行ってしまった。