空京

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戦乱の絆 第二部 第二回

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戦乱の絆 第二部 第二回
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■リフル

そのころ、避難誘導を行っていた、
リフル・シルヴェリア(りふる・しるう゛ぇりあ)達は。

「ゾディアックを動かすためには十二星華の力が必要?
そんなこと私にはどうだっていいんだもん。
ただ、大好きな親友を失いたくないだけなんだもん」
久世 沙幸(くぜ・さゆき)は、リフルの護衛を兼ねて、一緒に避難誘導をする。
「ええ、親友はわたくし達の手で守って差し上げなければなりませんわ」
藍玉 美海(あいだま・みうみ)は、ディテクトエビルで、
一般人にまぎれているかもしれない特殊部隊に警戒する。

渋井 誠治(しぶい・せいじ)は、
禁猟区のお守りを作り、リフルに渡していた。
ヒルデガルト・シュナーベル(ひるでがると・しゅなーべる)は、小型飛空艇で、
低空飛行して、空から様子を見守る。
「ありがとう。……あとで、皆でラーメン食べよう」
リフルは礼を言う。
「おう!」
誠治は力強くうなずく。

九条 風天(くじょう・ふうてん)も、エリュシオンへの復讐よりも、
リフルの護衛をしたいと、同行していた。
作業を行いつつも、周囲への警戒は怠らない。
白絹 セレナ(しらきぬ・せれな)は、超感覚を使って、周囲の物音などに警戒する。

一行が、警戒しつつ、避難誘導を行っていると。

百々目鬼 迅(どどめき・じん)が一瞬、姿を現し、
リフルを見て顔を真っ赤にして、また、物陰に隠れる。
「おいおい、なんだよ、バレバレだぞー?」
シータ・ゼフィランサス(しーた・ぜふぃらんさす)は、その様子を見てパートナーを茶化す。
(リフルだ……)
迅は、物陰に隠れつつ、リフルの後をついてくる。

「なんなんでしょう、アレは」
「放っておいていいのではないか?」
苦笑する風天に、セレナが答え、
「まあ、これで後ろは安全なんだもん」
沙幸もそう言い、一行はとりあえず放っておいて先に進むことにした。

しばらく行くと、避難民たちが集まっていた。
「沙幸さん!」
「リフル!」
「来るぞ!」
美海のディテクトエビル、誠治の禁猟区、セレナの殺気看破で同時に気づいたとき、
特殊部隊が襲い掛かる。
「リフル……!」
「リフルに手出しは許さねえぞ!」
迅とシータも飛び出す。
「光学迷彩……じゃないよね。ゆる族でもないのに。
この人達、さっきまで姿が見えなかった!」
沙幸の言葉通り、特殊部隊員は姿を隠す能力を持っているようだった。
カンテミールの配下である特殊部隊員は、機晶技術の応用で、似たような能力を得ているのだった。
「リフルさんには、指一本触れさせません!」
風天の海神の刀で、前傾姿勢で飛び掛かってきた特殊部隊員の腕が両断される。
赤黒い液体が吹き出すとともに、火花が飛び散り、機械のようなものがあらわになる。
「こいつは……」
誠治は、リフルと避難民を背にかばいながら息を飲む。
不審者は逮捕術で捕縛したいと考えていた誠治と、
情報を吐かせるために不審者の自害は阻止したいと考えていたヒルデガルトだが、
それは無駄であったことを悟る。

沙幸や風天はイコンに匹敵する実力を持つ。
特殊部隊員は複数いたが、ほどなくして倒すことができた。

「大丈夫……私達が守る」
「うん、私達がついてるから、リフルも皆も絶対大丈夫なんだもん!」
怯える避難民たちを、リフルや沙幸がなだめる。
「後で、ラーメン、つくる」
リフルがザル型光条兵器を掲げてみせる。
「ああ、あとで皆に腹いっぱいになってもらおうぜ。身体もあったまるしな!」
誠治も言い、それで、避難民たちも笑顔を取り戻す。
こうして一行は、再び警戒しながら、雨の中、避難を再開した。