空京

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戦乱の絆 第二部 第二回

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戦乱の絆 第二部 第二回
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■キマク防衛戦と蒼十字1

東シャンバラ・ロイヤルガードの沢渡 真言(さわたり・まこと)の呼びかけに応じて、
友人・知人が集まり、キマク防衛の活動に参加してくれていた。
「こういうとき、ロイヤルガードの権限を使ってもいいんじゃないか」という、
マーリン・アンブロジウス(まーりん・あんぶろじうす)の提案もあった。

(皆さんが来てくれましたから。きっと大丈夫です)
真言は、自らを鼓舞しつつ、ペガサスのフリムファクシにまたがり、
雨の空を飛んだ。
雷はいかにも不吉に、これから始まる激しい戦いを予感させていた。
だが、真言は一人ではないことを強く実感していた。

真言がキマクの町を駆け巡った結果、
怪我をしている人や、行く当てがなく困っている人を見つけ、
マーリンの魔法で癒したり、
安全な場所へと誘導することができ、
結果として、キマクの町の避難はほぼ終わっている。

それでも、たまに発見される怪我人は、蒼十字の船に誘導を行った。

遠野 歌菜(とおの・かな)と、
月崎 羽純(つきざき・はすみ)も、
真言の呼びかけに答えた者達であった。
アルマイン・マギウス、セタレで、歌菜はヴァラヌス部隊と戦う。
「私は私の守りたいものの為に、戦う。
だから、ここは絶対に守る!! 羽純くん、行くよっ」
「歌菜、落ち着いて照準を合わせろ。狙っていくぞ」
歌菜は、マジックカノンで、ヴァラヌスの足を狙い、動けなくさせようとする。
「照準セット!
ここは通さないんだから!
穿て! マジックカノン!」
陸戦型として安定した能力を誇るヴァラヌスだが、
足は2本しかない。
そのため、どちらかを傷つけられれば、確実にバランスを崩せる。
「うああああああ!」
ヴァラヌスのパイロットが叫ぶ。
「ロザリンドさん!」
百合園女学院の校章を刺繍した布を胴に巻いたワイバーンのレイズに乗っている
ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)は、歌菜の声にこたえて、
被弾したヴァラヌスに攻撃する。
上空から翼をたたんだレイズが急降下する。
「ウオオォォォ!」
ロザリンドが龍の咆哮で、レイズに合図をし、
背から飛び降りながら龍飛翔突をヴァラヌスの砲台に行う。
次の瞬間、ロザリンドはヴァラヌスの背を蹴って、合図で戻ってきたレイズの背に再び戻る。
「おーい、帝国のあんちゃんたちー。
ロザリーの空中大サーカスみたやろー?
東シャンバラ・ロイヤルガードは生身でこんなんできるんよー。
守るための戦いの時だとロザリーは気合入るから、被害大きくなる前に帰ったほうがいいよー」
同乗のテレサ・エーメンス(てれさ・えーめんす)が、挑発する。
「すごい!
本当にサーカスみたいですね」
「歌菜、そんな場合か?」
本気で感心する歌菜に、羽純がツッコミを入れる。

端守 秋穂(はなもり・あいお)
ユメミ・ブラッドストーン(ゆめみ・ぶらっどすとーん)は、
イーグリットのセレナイトで、
ヴァラヌスと戦っていたが。
ヴァラヌスの逸れた砲撃が民家に当たりそうになり、
そこに逃げ遅れた子どもがいるのに気づく。
「お願い、ユメミ……ごめんね、セレナイト!」
「ごめんね、セレナイトー……」
操縦担当のユメミは、セレナイトを割り込ませ、攻撃を受ける。
「危ない!」
しかし、瓦礫が崩れそうになり、
そこに、フリムファクシから飛び降りた真言が、
宮殿用飛行翼で飛び、子どもを助ける。

そこへ、バイク形態のイビー・ニューロ(いびー・にゅーろ)に乗った
五条 武(ごじょう・たける)が、駆けつけ、吠える。
「これがてめェらの正義かよ!」
ヴァラヌスの部隊と随伴歩兵達が動きを止める。

しかし。
「落ち着け。オレ達には任務がある。
戦場で感傷にふけっている場合じゃないぞ!」
ヘクトルが号令をかけ、すぐに第七龍騎士団は体勢を立て直す。

「チッ。バカ共はやっぱぶん殴らねえとダメみたいだな!」
武は、人型になったイビーとともに、歩兵を相手に戦う。
(セレス……おまえだけはこんな戦いに巻き込みたくねえが……)
武は激戦の中、セレスティアーナのことを思う。