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リアクション
「『ネラ』の仲間ですか!? いえ、最近噂に聞く、『ニセ者』の乙女座の十二星華ですね! 十二星華の乙女座には『ザクロ』という者がいるはずよ!」
ファイリアがそう言うと、プリムラは何もいわず
「『ネラ』…ふっ…そのような下賤なもの」
と笑った。
ファイは前に出て直接打ち合って取り押さえようとする。
「真珠ちゃんに疑いをかけて、赫夜ちゃんも含めて2人を悲しませた事、謝ってもらうですよーっ!!」
「だから『ネラ』とは関係が無いと…」
プリムラは少々、困惑しているようで逃げ出しはじめた。
「まちなさいですー!!」
追いかけはじめる四人に
「こちらです!」と
そこに源 紗那(みなもと・しゃな)が現れ、廊下の角を指し示す。
「あ、ありがとです! まてー!!」
四人が去って行ったあと、紗那はふうっと息をつく。紗那自身は、クイーン・ヴァンガードの隊員として、ファイたちを助けるフリをしていたが、実はプリムラを逃すためにファイたちをミスリードしたのだ。
「これでよし、ですわ。プリムラが上手く逃げ切れると良いんですけれど」
「偽乙女座」を追いかけている途中、ガッシュが卒業生への贈答品のなかに、不自然な形で置かれている黒いクマや猫のぬいぐるみを見つけた。
「なんでこんなものがあるんだろう…卒業生への贈り物にしたら、幼稚っぽい。環菜校長に連絡してみよう」
ガッシュたちはそこで環菜に連絡をとる。
「なに、どうしたの? …猫や熊のぬいぐるみ…? そんなものは用意されていないはずよ」そこで環菜はぴんと来る。
「あなたたち、そこからすぐ、ぬいぐるみを捨てて逃げなさい!」と叫ぶ。
「な、なんなの!?」
ウィノナは手にしていたぬいぐるみを反射的に投げてしまう。
と、次々にそれをきっかけにしたかたのように、ぬいぐるみが爆発をし始めた。
すると、ドーム型特設ステージの近くでも爆破が起こり始める。
ミルザムも校長室から慌てて、外へ出てくる。
「何をなさっているんですか!! 危ない!」
睡蓮が叫ぶ。
「ですが、卒業生のみなさんが!!」
「あなたは大事な身なのですよ! 何故、校長室にいてくださらないのです!」
と、道明寺 玲(どうみょうじ・れい)とレオポルディナ・フラウィウス(れおぽるでぃな・ふらうぃうす)がミルザムをかばい、安全なほうへと誘導する。
九頭切丸が自身にはエンデュア、護衛対象にはガードラインを使い、ミルザムの安全確保を最優先とした上で、基本的に自身の装甲と耐久力を頼りに、爆破からミルザムや玲、レオポルディナを守った。
「レオポルディナ・フラウィウス、生徒達の避難をお願いする!」
「わかりましたわ、玲さん…! ヴァンガードとして、祝いの席を汚さぬよう、粉骨砕身頑張ってまいります! 生徒のみなさん! ドームから離れて!」
レオポルディナは玲の指示を受け、生徒達の避難を誘導する。
「ミルザム様は何も悪いことなんかしてないんだってママが言ってました。テロリストさんは怖いですけど、今はそのばいんぼいんな胸を張ってもいいと思うのです! ボクはともかくお兄さんは腕っ節は強いので、この場は安心してお任せ下さいなっ」
睡蓮のパートナーザ・ タワー(ざ・たわー)がミルザムを勇気づける。
「あらあら、面白いことになってるじゃない」
何事かが起こるのを期待して隠れていたメニエス・レイン(めにえす・れいん)が空飛ぶ箒に乗り、ミルザムを見つけ、降下して姿を現した。バリバリバリっとついでのように窓ガラスを割って回るメニエス。
「ごきげんよう卒業生の皆様、そしてミルザム。あたしが直々にお祝いしに来てあげたわ」
と、にやり、と笑い、ブリザードを詠唱し、ミルザム目掛けて放つ! と一帯が氷結化しようとするのを、九頭切丸が加速ブースターを利用した急速接近から爆炎波を使用し、阻止する。
それでもメニエスは、使い魔のカラスをミルザムに向けて攻撃するよう仕掛けてくる。
「違う、これは囮よ!」
睡蓮がメニエスの意図に気がつくが、メニエスはお構いなしに、ファイアストームを詠唱、使い魔ごとミルザム周辺一帯に向けて放った。
「くっ!」
睡蓮に玲、そして九頭切丸が身を挺してメニエスからの攻撃から、ミルザムを守る。
「みなさん…!!」
「ミルザム様、伏せていて下さい!」
玲が禁猟区を駆使し、爆炎波で使い魔を倒す九頭切丸に睡蓮がSPチャージをおこなう。
「さすがは『女王陛下候補の飼い犬』たちね。クィーン・ヴァンガード。あたしからのお祝いはどうだったかしら? 味わって頂けたかしら? おめでとう、ミルザム、そして、卒業生のみなさん」
そう言い放つと、メニエスは空飛ぶ箒を急旋回させ、逃走して行ってしまう。
「なんてはた迷惑な…ミルザム様、大丈夫ですか?」
「ええ、私は大丈夫です。ありがとう」
玲の言葉に続き、
「…九頭切丸もザ・ タワーも大丈夫ね? それにしても、誰が『飼い犬』よ」
さすがの睡蓮も怒りを隠しきれなかった。
その時だった。
メニエスの攻撃で弱っていた四人の前に唐突に黒服、黒マント、黒い仮面、そう『アッサシーナ・ネラ』が現れたのだ。
そして無言のまま、ミルザムに襲いかかろうとする。
「あぶない!」
葉月 ショウ(はづき・しょう)がネラからミルザムをかばう。ずっと影からミルザムの護衛を務めていた伏見 明子(ふしみ・めいこ)九條 静佳(くじょう・しずか)も同様に、ミルザムの前後にたち、守りを固めた。
「何があっても、この身を挺して、ミルザム様を守んだ!」
静佳がつぶやく。
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