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★エピローグ★


 見回りをしていたハーリーの元に、不穏な話が届いた。
「不審人物?」
「はい。どうやらツァンダの商人らしく、ハーリー様に恨みを抱いている連中ではないかと」
「そりゃまた……こんなところまでご苦労なこったな」
 ため息がもれる。なんどか恨みから邪魔されたことがあるがそのたびに思う。こんなことをしている暇があれば、商品の1つでも売りに出歩け、と。
「そいつらは今どこに?」
「それが……どうも未許可の喫茶に入ったらしく」
「未許可……そういや、そんな話もあったな。忘れてたぜ」
 しばし考えた後、ハーリーは直接見に行くことにした。


◆???
「ハーリーめ。街をつくる、だと? 調子に乗りおって」
「若造が。一体どんな手を使ったのやら」
 こそこそと話し合っている男たち。全員、そこそこ名の通った商人たちだが、ハーリーの経営する店に負けたり、その急成長に嫉妬し、ここまでやってきた。
 本当にごくろうさまである。
「とにかく店に入って、めちゃくちゃにしてやろう」
「悪い噂を立てるにも真実を入れねばな」
 ひっひっひ、といかにも小物っぽい笑い声をあげながら男たちは、巧妙に隠された入口を見つけ、とある喫茶店に入っていった。

「いらっしゃいませー」
 元気よく出迎えてくれたのはヘスティア・ウルカヌス(へすてぃあ・うるかぬす)
「当店のお勧めは、ご主人さま、じゃなかったハデス博士、でもなかった。ハデス店長が淹れたコーヒーになります。
 逆にお勧めできないのは、咲耶お姉ちゃんの作ってるデザート全般です」
 不思議な忠告であった。
 とりあえず全員お勧めのコーヒーを頼んだ。
「ごしゅじ……店長! コーヒーお願いします」
「フハハハ! よし、わかった」
 ヘスティアがハデスへメニューを伝えるために奥へ引っ込む。入れ替わりにホールへやってきたのは高天原 咲耶(たかまがはら・さくや)だ。
 男たちを見て、咲耶の目が輝く。お客が来なくて困っていたのだ。
「いらっしゃいませ! デザートがおすすめなんですよ(少しでもお金を稼がないと)」
 笑顔でヘスティアとは真逆のことを言う咲耶。男たちは不思議に思いつつも、こちらも頼んでみることにした。不味ければ不味かったで文句をひっかけるにはちょうどいい。咲耶が喜んで厨房へと向かった。
 コーヒーがきたら、中に虫でも浮かべてクレームをつけてやろう。
 きひひと笑う男たち。
「お待たせしました、コーヒー……きゃっ」
「あづづづづづづづっ」
 熱々のコーヒーを運んできたヘスティアが、何もないところでこけて中身が1人の男にかかる。
「はわわ、すみません。今タオルを」
 慌ててタオルを取りに行こうとしてまたすっ転ぶヘスティア。そこへ咲耶が戻ってきて、ケーキをテーブルに置く。
 ――真黒なケーキを。……あれ。何か今、ケーキが動いたような。
「すみません、お怪我はありませんか?」
 心配そうに聞いて来る咲耶。いや、その前にそのケーキの方が危ないです。てか明らかに腐臭が! あ、1人気絶した。
「ふははははっ完璧な偽装だ。これで誰もここが――だとは思うまい」
 一体何なんだと思っていた男たちの耳に入ったのはハデスの叫び声。

 まさか、俺たちが侵入することをあらかじめ察知してこの店を用意していたのかっ?

 ここに盛大な誤解が生まれたのである。
「ちくしょう、ハーリーめぇぇぇぇおぼえてろーーーーー」
 男たちは涙(ケーキに涙腺やられた)を流しながら、街を後にしたのだった。ハデス、ヘスティア、咲耶はただ唖然とその背を見送った。

 後日、ハーリーから「ぷくくっこれからも、頼むぜ」と言われたハデスは良く分からないままに「フハハハハ」と高笑いした。
 無許可の店だったが、『今回の功績(?)』により許可されることになったらしい。

 地下街アガルタへお越しの際は、隠された秘密喫茶を探してみるのもいいかもしれません。