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終りゆく世界を、あなたと共に

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終りゆく世界を、あなたと共に
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 世界は、破滅しようとしていた。
 雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)が呼び寄せた災難によって。
「違う! キミのせいじゃない!」
 崩れゆく世界の中、涙を流し手立ち尽くす雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)に、想詠 夢悠(おもなが・ゆめちか)は手を伸ばす。
 ごぉおん。
 その瞬間、轟音が鳴り響いた。
 地面に、大きな影。
 見上げればその影の主、巨大な岩が2人の頭上に……

「はっ!?」
 がばりと身を起こすと、そこは夢悠の自室だった。
 どうやら机に突っ伏したまま眠ってしまったらしい。
「はぁ…… う〜んっ」
 ごしごしと顔を擦ると、深呼吸。
「よし……やるか」
 夢悠は明かりをつけると、机の上に山と積まれた書物に手を伸ばす。
 それらは、全て夢悠が集めたものだった。
 雅羅の災難体質を消す研究のために。
 雅羅の災難体質は、彼女の日常を脅かし続け、彼女の大切な人たちをも傷つける可能性がある。
 それを、夢悠はよく知っていた。
 だからこそ、諦められない。
 だから、夢悠はペンを取り、再開する。
 彼女と出会って間もない頃から続けていた、研究を。
 ――いつか、雅羅達の笑顔が絶えない未来のために。