天御柱学院へ

蒼空学園

校長室

イルミンスール魔法学校へ

胸に響くはきみの歌声(第1回/全2回)

リアクション公開中!

胸に響くはきみの歌声(第1回/全2回)

リアクション


 ――ツァンダ

 街にある大通りの1つ。そこに面したビルに芸能事務所Divasはあった。
「20階以上は全部彼らの貸切りだそうよ」
 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)は通りを挟んで反対側にある公園のなかに立ち、ビルを見上げる。芸能事務所というイメージを壊さないように選んだのか、なかなかスタイリッシュなデザインのビルだった。それだけに家賃も相当しそうだ。
「大通りで十字路の角地、真新しい高層ビルの上層階……10階はあるわね。あれ全部レンタルできるとなると、スポンサーは相当のお金持ちね」
 Divasは数カ月前にできたばかりだった。考古学者がシャンバラ大荒野で地中から発掘した古代遺跡から発見されたデータチップに入っていたデータを科学者たちが分析、解析し、それが音楽だったことから【Astres】と名付けて発表したところ、予想外の人気を博したため、立ち上げられた芸能事務所である。そして【Astres】を歌う機晶姫アストーを開発した科学者たち6名が重役として名を連ねていた。
 たしかに彼らは功績者だが、音楽業界にはズブの素人たちだ。実績もない会社にこれだけ出資するとはどんな酔狂者なのだろう?
 ルカルカはこの会社、ひいては科学者たちが気になった。
 少女アストーによって、アストー01をコンサート会場からさらっていったのは松原 タケシ(まつばら・たけし)だと判明したことから、そちらも気にはなったのだが……。
「それにしても、どうしてタケシが?」
「目だ」
 ルカルカの疑問にダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)は即答した。
「後遺症……内部に人工知能が潜伏していた。教導団が徹底的に調べたんじゃなかったのか?」
「ダリルは、最初から「タケシを調べるべき」って主張してたもんね」
「それができていたらタケシは体を乗っ取られずにすんでいたものを」
 無念そうにダリルはつぶやいたが、それができたかははなはだ疑問だった。
 教導団とて万能ではない。機材は最新鋭の物がそろっているだろうが、そのどれもが現代の基準・論理に基づいて設計されたものだ。このパラミタにおいて、未知のウイルスや未知の科学技術等、測定不可能なものはいくらも存在する。そういったものに対して現代機器がどれほど無力か。それはこれまでもたびたびあったことだ。
 ダリルがいかに優れていると自負する者であっても、使用する機材は同じである。ダリルが扱ったとして、教導団の専門家が発見できなかったものを発見できた可能性はほぼゼロだ。
 ルカルカは嘆息すると、切り替えるように小さく頭を振って目をビルの方に戻した。
「リカインたちは受付に着いたころかしら」
「そろそろだ」
 時間を確認して、ダリルがうなずく。
「事務所の状況について、何かしら情報や証拠を得てもらえると良いのだけど」
 キュ、と無意識に噛み締められた唇が、ルカルカの内の無念さを表していた。
 本当は、自分たちも潜入するはずだったのだ。しかし馬場 正子(ばんば・しょうこ)に止められてしまった。
『彼女の話は分かったわ。その証拠や追跡を断念させる材料を得てくる』
 退室時にルカルカが用いた言葉に正子は眉を寄せ、懸念を示した。
『それはどういう意味か』
 ルカルカは金団長にするように、自分がどうやって内部へ侵入し、情報を取ってくるかを簡潔に説明した。
『それは、止めておいた方が良いかもしれん』
 ルカルカが説明を終えたあと、一拍の間をとり、正子は告げた。その重々しい声にハッとなる。
『Divasは【Saoshyant】から脅迫文を受け取っている。さらに昨夜の襲撃だ。状況から鑑みれば、望んだものを手に入れるのは難く、逆に不利を得る可能性は高い』
『確かに……ね』
 あちらは当然普段以上に警備を固めているだろう。現状でこっそりと侵入を試みれば“合法的”に捕まってしまうか、侵入形跡を根拠に彼女の立場、ひいては教導団自身の立場が危うくなる可能性は高そうだった。
 正子はルカルカたちに現場待機を命じた。いわく、企業を訪問するリカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)一雫 悲哀(ひとしずく・ひあい)たちとともに行き、もし彼らがなんらかの危機を感じ取った場合、外部から救出する要員だ。
 リカインたちを見送りつつ、ルカルカはダリルとともに、それと気づかれないように周囲の様子をあらためて探った。
 軽く息をつく。
「強行突破を控えたのは正解だったみたいね。ここで彼らを待ちましょう」
 ダリルと恋人同士を装って、噴水を背にしたベンチへ腰を下ろした。




 そのころ、芸能事務所Divasを訪問したリカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)一雫 悲哀(ひとしずく・ひあい)は、待合ロビーでしばらく待たされたのち、受付嬢に案内されてレセプションルームに通されていた。
「大丈夫? 顔色が悪いみたいだけど」
 ソファの背もたれから身を起こし、隣のソファにパートナーの黒蜘蛛型ギフトカン陀多 酸塊(かんだた すぐり)へ身をすり寄せるようにして座っている一雫 悲哀(ひとしずく・ひあい)にリカインが声をかける。
 見るからに心配げなその面に、悲哀は恐縮そうに両肩を縮めて畏まった。
「平気……です。……すみません……」
 しかし平気と口にしたその声も震えてうわずっていた。
 同席しているリカインたちの手前必死に隠そうとしているが、極度に緊張しているのは間違いない。
(この子、本当に大丈夫かしら?)
 きちんと揃えられたひざの上でぎゅっと握りしめられた両手、ぴんと伸びた背筋。今にもトイレに駆け込んでいきそうな、青白い横顔をしていることにリカインはさらに心配をふくらませる。しかし、これ以上押すとますます追い詰めてしまうことになりかねない気がしたので、黙って引くと再びソファに背中を預けた。
(まぁでも、しかたないかもしれないわね)
 前へ戻した彼女の視界に、豪華な、いかにも成功している大企業といった調度品が目に入ってくる。程度の差こそあれ、これに圧倒されない者はいないだろう。もともとそういった影響を与えることを考慮してセッティングされている部屋だ。リカインだって、プレッシャーを感じずにはいられない。
(もっとも、こいつだけはそういうのとは無縁のようだけど)
 リカインは悲哀とは反対側に座るパートナーのまたたび 明日風(またたび・あすか)を盗み見た。
 明日風は普段とまったく変わらない態度――と言えば聞こえはいいが、単に気の抜けた表情でぼんやりしているだけ――でそこに座っている。
 その、いつもながら何を考えているか一向に読めない明日風の様子を見ていると、リカインはこめかみのあたりがずくずくとうずき出してくる気がして、それ以上見るのはやめた。
 こんなやつでもいないよりいた方が話がはずむのではないか、との考えから同伴したわけだが……あのときの自分は何をトチ狂っていたのかと、今になって思う。この究極のマイペース男が初対面の相手の機嫌をとったり、空気を読んで言葉を選んだり、さらには会話をはずませたりなんて、するわけがないではないか。むしろその反対の可能性が大。
 リカイン自身、そう思って自分のした判断を後悔していたため、おもむろに明日風が
「……帰る」
 と、ぼそっとひと言つぶやいたときにも
「あなた、何しにここへ来たのよ?」
 とツッコミを入れることはしなかった。むしろ
「分かったわ」
 と理解を示し、出て行く明日風を見送ろうと席を立つ。
 廊下へ通じるドアを引き開けたとき。
「おや? お帰りですか?」
 開けたドアの向こうに、今しもドアを開けようとドアノブに手を伸ばしたポーズでスーツ姿の男が立っていた。
 まだ30代半ばといったところだろうか。さらさらの明るめの茶髪が豊かに波打ち、品のいい、整った顔立ちをしている。浮かべている笑顔も感じがよく、ひと目で相手に親しみを感じさせる。
 広報係のような男だと思った。おそらく身につけたスーツがひと目で最高級品と分かる物でなかったら、そう思ったことだろう。
「いえ。この者だけです。所用があることを思い出したものですから」
「そうですか」
 男はうなずき、明日風に目と体の向きを変えた。
「出口は分かりますか? 案内を呼びましょうか?」
 明日風は前者にうなずき、後者に首を振ると、形ばかりといったようにぺこっと軽く頭を下げ、そそくさその場から立ち去った。
 終始無言なその態度に、リカインが詫びる。
「不作法者で申し訳ありません」
「こちらこそ、すっかりお待たせしてしまって申し訳ありませんでした」
 男は何でもないというように首を振る。
「いいえ。お忙しいなか、わたしどものような者たちにお時間を割いていただけて、心から感謝します」
 なかに入り、向かい側のソファに腰かけた男はリカインの言葉にうなずき、悲哀たちの方にも目を向けるとあらためてDivas代表取締役のトレイス・ゼーンと名乗った。
「それで、今日はどういったご用件でしょうか。今あなたもおっしゃいましたように、わたしは忙しい身です。もうご存じとは思いますが、2日前あのような事件が起きたこともあり、全社を挙げてその対処に取り組んでいまして、あまり時間がとれません。お待たせした上でこんなことを言うのは恐縮ですが、できれば手短にお願いしたいのですが」
「分かりました」リカインはうなずきながら、話しやすそうな相手だと判断して、ずばり訊くことにした。「わたしたちが知りたいのは、御社の歌い手――」
「ディーバです。われわれはあれをディーバと呼んでおります」
「――ディーバについてです。こちらのディーバは、全員機晶姫であるとか」
「ええ。当社のディーバは現在8体稼働しており、いずれも機体名「アストー」です」
 トレイスは誇らしさのにじむ声で答える。
「なぜ機晶姫なのでしょうか? 人間を用いないことは、何か理由があってのことでしょうか」
 リカインのからの質問に、トレイスは考える様子も見せずすらすらと答えた。記者等からすでに幾度となく訊かれてきた質問なのだろう。そういう印象を受ける話し方だった。
「当社の成り立ちはご存じの上ご来社いただいている前提でお答えさせていただきます。
 当社のディーバが機晶姫である利点は、どんな状況下であれ完璧にその歌を歌い上げることです。曲と歌詞をインプットすることだけで、どんな素人でも望みのままに操ることができます。
 昔、20世紀後半に動画サイトなどで一文化を生みだした、音声合成ソフトウェアが誕生しました。あれの生身バージョンと思っていただければ想像しやすいかと思います。昔はビブラート等の設定もインプットすることが必要で、ある程度修練が必要でしたが、当社のディーバは製作者との直接対話により曲を理解し、望まれるまま完璧にに歌い上げます。
 そして最大の利点ですが。人の声では表現不可能な曲をも歌うことが可能なのです。
 人が歌える声域の限界はご存じですか?」
「2オクターブです」歌劇をするリカインは、その方面には心得があった。「5オクターブで奇跡の歌声と呼ばれ、出せるのはごく一部の歌手です」
「そうです。しかし【Astres】を歌うには、10オクターブが必要なのです。これは人間の可聴できるギリギリの範囲です」
「10!」
 ハッと息を飲む。
「人間ならば、テナー、アルト、ソプラノといったパートで振り分ける必要があるでしょう。最初のうち、われわれも重唱を考えていました。しかしこの曲は、あきらかに1人の者が歌うために作られた曲でした。
 製作者は音楽を知らない素人だったのかもしれませんね。人が歌える曲を作るという最低必要条件が分かっていなかった。しかし、すばらしい曲です。荘厳な世界、魂を感じる……。これを重唱で歌うのは、製作者の意図からあまりに離れすぎているというのは言わずもがな、あの曲そのものに対する冒涜だというのがわたしたち全員の意見でした」
「それで「アストー」を開発したのですか?」
「はい」
「あの……。その機晶姫、なんですが……」
 おそるおそる悲哀が口を開いた。
「私は……音楽の方面にも詳しくないし、からくりというものに対しての造形についても、あまり深くはありませんが……。アストーさんを作るにあたっては、とても時間を費やしたのではないかと……」
「そうですね。あれだけのものを造るのは、相当だったでしょう」
 トレイスが同意するのを見て、酸塊が悲哀の後押しをするように発言した。
「えっとね、そのへん詳しく教えてもらえないかな。ボクも機械のこと詳しくないから知りたいんだ。そりゃボクも機械だけど、機械だからって機械のこと知ってるとは限らないんだよ」
「……それは、技術的なことですか?」
 初めて眉根を寄せ、トレイスは手元の端末を操る。
「ミナ。ルガト博士はいらっしゃいますか」
『博士は30分ほど前に休暇に入りました。おそらくもう社外へ出られているかと思います』
「おや。もうそんな時刻でしたか」
 トレイスは時計を確認し、申し訳なさそうに首を振ってみせた。
「すみません。わたしもそちらの方面にはあまり詳しくありませんので、博士から直接話をうかがえればと思ったのですが、ルガト博士は、今出社してもこの騒ぎでまともに研究はできないだろうということで、本日午後から長期休暇をとることになっていまして」
「その博士が「アストー」を、開発されたのですか?」
「そうです。ルガト・ザリチュ博士は現代における音楽の神と呼ぶべき存在でしょう。彼の尽力がなければアストーは生まれておらず、ディーバ・プロジェクトは理論のまま終わっていたでしょう」
 トレイスは心からそう思っている様子で、誇らしげに口にした。彼はルガト博士に心酔しているのだろう。今も彼のことや当時のことを思い出しているに違いない。そのおかげで、リカインが彼の用いた呼称にほおを引きつらせていることに気づかれなかったのは幸いだった。
(ザリチュ……ディーバ・プロジェクトですって?)
 アストー、アストレース、ザリチュ、ディーバ・プロジェクト――これは本当に偶然の一致なのだろうか? あまりに揃いすぎてはいないか?
 必死に無表情を装い、考えるリカインのとなりで悲哀がさらに踏み込んで会話をつなげる。
「私たちは……こちらのアストーさんに、話を聞きました。あの……失踪された「アストー01」には、破壊命令を出されたとか……。
 「アストー」を造られるのは、本当に、相当大変だったと思います……。そうしてようやく完成した子は、大切ではないんですか? 壊そうとすることにためらいがないのは、どうしてなんですか?」
 トレイスは大きく深呼吸をして間をとると、やはり心から申し訳なさそうな声と表情で答えた。
「「アストー」にそこまで心を砕いてくださってありがとうございます。しかし「アストー」は製品なのです。マスターデータチップもそうですが、「アストー」のなかには機密が詰まっています。それが漏れることは絶対に避けなくてはなりません」
 機晶姫を造る技術が最高機密に属することは悲哀たちにも理解できた。歌うことに特化しており、それ以外は普通の人間と変わらない能力値とはいえ現代で創造されたことに変わりはなく、機会さえあればその内部を覗いてみたいと考える者は少なくないに違いない。「アストー」は誕生してまだ1年に満たない。他社に奪われるくらいなら破壊してしまった方がいい、と考えるのは当然と言えよう。
「あなたのおっしゃるとおりです。わたしたちにも情はあります。あなたが考えているものとは少々違うかもしれませんが……。
 01は当初から反抗的でした。それは機械として狂っていることを意味します。それを制御できると判断していたわれわれの落ち度ですが、こうなった以上、放置することは当社の信用問題にもつながります。世間はより厳しい対処を求めるでしょう。そこに「情」を入れてはDivasの信用は完全に失墜してしまいます」
 この場合の世間とは同業者なのだろう。新参者として参入し、またたく間に他社を押しのけ話題の寵児となったDivasにはそれだけ敵も多いというのは想像に難くない。どんなときも毅然とした態度で臨み、ほんの少しも弱みを見せるわけにはいかないのだ。
 そのことを頭では理解しながらも、それでも。悲哀の心は納得できなかった。
「……アストーさんを……なんとか助けてあげたいのです……。どうか、破壊命令を取り消していただけませんでしょうか……。
 押しつけがましいことなのかもしれませんが……よろしく、お願いします」
 深々と頭を下げる悲哀に、トレイスはなんとも言えない表情を浮かべ、長い沈黙のあと、ふうと息を吐いた。
「本日開会予定の役会があります。その席で、こういう意見が持ち込まれたと取り上げることはできるでしょう」
 それを耳にして、悲哀はパッと表情を明るくした。希望が見えたことに酸塊と顔を見合わせる。
「しかしあまり期待はしないでください。役員のなかにはルガト博士に心酔している者が多くいます。彼を説得できれば確実なんでしょうけれど、わたしでは……。
 良い結果が出るとは保証しかねます」
「ご検討をよろしくお願いいたします」
 それでもきっとこの人は賛成側として動いてくれるだろう。そう望んで、悲哀はもう一度、懸命に頭を下げた。
 


 リカインや悲哀たちがレセプションルームで話しているころ、明日風は案の定、迷子になっていた。エレベーターで1階まで下りたのはたしかなはずなのに、一向に玄関ロビーらしき場所が見当たらない。どころか、見覚えのない場所ばかりだ。気付けば左右に関係者以外立入禁止のドアが続いている。
 どう見ても一般人が立ち入っていい場所ではない。普通であれば動揺し、見咎められないうちに出ようと躍起になるが、しかし明日風は動じることなくただ歩いていた。頭のなかではぼんやりと、もういっそこのまま旅に出てしまおうか、とかいったことを考えていたりする。意識が外部に向いておらず、おそらくそのおかげでなんとかしなくてはといったあせりが浮かんでこないのだろう。
 だれにも告げず、ここを出たその足で旅に出ていいものだろうか? リカインや仲間たちへの義理人情と己の欲求の間で板ばさみになりながらぼけぼけと歩いていた彼の前方の通路を、前後についた人間が引く特大のキャリーが横切って行く。
「今トレーラーを持ってくるからここで待っていてくれ」
 そう言って前を担当していた男がドアを開いた。その先はうす暗く、地下駐車場のような光景が広がっている。
 ああここからも外へ出られそうだな。ぼーっと角から覗き見ていた明日風の前、駐車場から吹き込んきた風が、キャリーの上に乗った物を隠すための布をひらりとまくり上げた。
 見えたのはほんの一瞬。
 それは培養ポッドで、中に入っていたのは袈裟懸けに斬られた女性の右半身――いや、4分の1にも満たない体だった。まともにあるのは長い白金の髪がなびく頭部と右腕だけだ。切断面から何本もラインにつながれ、そのラインはポッドに溶接された機械へとつながっている。
 ぞっと背筋が凍った。
 見間違いだと思った。
 あまりにホラーだ。
 半分閉じられた銀の瞳と目があったように思えた一瞬、ごぽりと泡を吐き出して、ポッドのなかの女性が嗤ったなどと……。