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リアクション
第8章 魅惑の幻想に溺れよう
AM4:00
「何だここは・・・さっきまでパーティー会場にいたはずだが・・・」
「どこなんだろ・・・ここ」
悠とメイはいつの間にか、のどかな田園の近くを歩いていた。
「しかもやけに視点が低いな。―・・・な・・・何だか急に眠たくなってきた・・・」
暖かい陽気にだんだんと眠くなり欠伸をする。
片手で目を擦るといつもと何かが違う違和感があった。
手を見ると明らかに人と異なる、愛らしい肉キュウが目に映る。
水溜りを覗き込むと2匹の黒猫の姿が映っていた。
なんと悠とメイは黒猫になってしまっていた。
「もしかしてこれはオメガが見せている夢の中なのか?ずいぶんとリアル間のある夢だな」
土に触れた感触が実際の感覚と変わらない。
「楽に跳びはねられるよ♪」
「とりあえず・・・屋根の上に乗って一眠りするか」
ぴょんっと軽い身のこなしで壁へ飛び乗り、民家の赤い屋根の上へちょこんと座る。
本物の猫のようにぐーっと背伸びをし、丸くなって眠りに入った。
「むにゃ・・・オメガさん・・・・・・」
つかさはパーティーの途中で寝てしまい、魔女オメガの夢を見ていた。
「―・・・・・・くふふ、うっふふ・・・・・・。えへへ・・・」
妖しげに笑いながら寝返りをうつ。
「オメガおねちゃん・・・ふにゃ・・・・・・」
「ヴァーナーさん起きて」
「う・・・?」
目を覚ますと両腕を広げて、オメガがニッコリと微笑んでいた。
「ハグってあったかくてあんしんしていいですよね」
「そうですわね」
ぎゅっと2人は抱きしめ合う。
それは夢の一時・・・。
「うーん・・・何だか眠く・・・」
フェリックスはワインを飲んでいる途中、床に横になって眠ってしまう。
「なんだかふかふか・・・ん?」
「目が覚めました?」
「(なんと・・・ヤーウェ嬢が膝枕を!?)」
金色の髪を優しく撫でられ、微笑みかけていた。
「(ひょっとしてこれはヤーウェ嬢が言っていた夢なのか?こんな夢なら覚めなくてもいいかもしれないな)」
フェリックスの顔はだらしなくデレデレだった。
壁に寄りかかり椿も夢の世界に浸っていた。
「(あれは・・・誰だろ・・・。あたしを呼ぶ声)」
目を開けると薔薇学の人が庭園から、椿がいる草原へ手を振っている。
「真城直さんと砕音先生じゃないか!あたしを呼んでいるのか!フフッいま行くよ〜♪」
庭園の方へ走っていくと、急に空が真っ暗になった。
「なっ、なに!?」
「椿ィイイイ!何うつつぬかしとるんじゃぁあー、とっと起きんかぁああ!」
「ひぇええ、父ちゃんー!」
楽園の前を椿の父親が阻んでいた。
「くそぅう・・・父ちゃんめ〜・・・」
夢の中に現れた父親に阻まれ、眠りながら呻れてしまった。
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