校長室
魔女オメガのハロウィンパーティー
リアクション公開中!
第9章 目覚めの夜明け -AM5:30- 「まだ皆さん眠っているようですね」 ザカコ・グーメル(ざかこ・ぐーめる)はコーヒを入れた魔法瓶を持って会場にやってきた。 「えぇ・・・こんな時間ですから」 「もう明け方近いですし、コーヒーでもいかがですか」 「いただこうかしら」 「洞窟でずっとお人だったんですってね」 「そうですわ・・・わたくしには親という存在とかいませんから」 「まだ起きませんね・・・」 「ステキな夢でも見ているんじゃないかしら」 クスッと笑う魔女の姿に、彼は意を決して語りかけた。 「ですが・・・果てなく続く夢は、甘美なだけの悪夢です」 「そうかしら。楽しい夢を見ている人を起こすことは罪だと思いますわ」 「人にとってそれが一番いいこととは思えません・・・」 「このような甘い夢は毒だとでもおっしゃりたいのかしら?」 「―・・・」 サードニックスの宝石のような瞳で見つめられ、詰め寄ってくるオメガに対してザカコは頬から冷や汗を流す。 「でも夢は夢・・・もうじき皆さん起きますわよ」 足を止めてニコッと笑いかける魔女に、会場内で眠っている生徒たちへザカコは視線を移す。 「うーん・・・ボク寝ちゃったようです」 目を覚ますヴァーナーたちの姿を見て、彼はほっと安堵した。 -AM7:00- パーティーの途中で眠ってしまった人々が次々と目を覚ます。 「ふぁあ〜、おはようオメガさん」 ファイリアは眠たい目を擦って、床から起き上がった。 「それじゃあオメガさん、またねなのですー」 オメガに向かって片手を振ると、ひなはパーティー会場から学園で帰っていった。 「パーティー面白かったですよ」 フィルはニコッと笑いかけ、屋敷の外へ出て行く。 「面白かったね」 「そうですねー、皆楽しめた感じです♪」 「料理とお飲み物、そして来ていただいたお礼にお土産をどうぞ」 メイベルたちにお土産として、パックに詰めた料理を渡す。 「何ですか?あわぁっ、伊勢えびにキャビア・・・それに鯛の煮物や大トロのお寿司まであります!」 「紅茶じゃないんですけど、よかったらお茶も持っていってくださいな」 「玉露ね!いい香〜」 「美味しそうですね♪」 めいっぱい遊んだ泡とヴァーナーも受け取ると屋敷から出た。 生徒たちが見た夢、それは全て夢だったのか。 幻のような一夜が過ぎて夜があけた。
▼担当マスター
按条境一
▼マスターコメント
おはようございます、按条境一です。 本日はご来店ありがとうございました。 パーティーの途中で眠ってしまった方々、望む良い夢は見られたでしょうか。 ひょっとしたら・・・まだ夢の中にいるかもしれませんね。 一部の方に称号をお送りさせていただきました。 それではまた次回、別のシナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。