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リアクション
3.【10】番でプロデュース
女王様ゲームの鉄則――。
それは、【女王様】役希望の者がいる限り、ゲームは続行されるということ。
■
そうした次第で、ゴンサロが最後まで執心した美女――女装したレン・オズワルド(れん・おずわるど)は、綾香の後を継いで【女王様】役に立った。
彼が2番手に選ばれた理由は、綾香と同じ理由である。
だが【女王様】役を希望した理由は、グループ目標とは別の所にあった。
ステージ上に立ったレンは、凛として観衆に向き直った。
正面に、大鋸とシーの姿がある。
(アイツが孤児を引き取った際、俺は奴の敵に回り、子供を連れ去ろうとした……)
レンは鋭い目を大鋸に向ける。
(理由は明快だ。一つはパラミタで暗躍する「組織」に潜入し、中での信用を得る為。そして二つめは子供を育てることの重さを認識させる為)
そして今日も、とマイクに手を掛ける。
(ゴンサロを捕まえられなかった以上、俺はいま一つの目的を果たそう。王――アイツが、真に他の者を守れる男となる為に……)
観衆がかたずをのむ中、曲に合わせて彼はクールに命令を下した。
「【10】番。【秋葉原四十八星華】を、次回プロデュース」
♪【10】番、だ〜れだっ!
手拍子と共に、【10】番の大鋸と緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)、姫宮 和希(ひめみや・かずき)、土器土器 はにわ茸(どきどき・はにわたけ)、緋桜 遙遠(ひざくら・ようえん)、リュース・ティアーレ(りゅーす・てぃあーれ)が観衆の前に立った。
6名の反応は6様で、大鋸は戸惑ったようにシーに目を向けた。
和希は料理を詰めたタッパを抱えて、「次って、いつだよ?」とツッコんだ。
はにわ茸は寝ぼけて周囲を見渡した。
「おうおう、何でわしゃぁここにおるんじゃぁ」
寝ている間に鮪によって運びこまれたため、状況がいまひとつ理解出来ていないようだ。
【逆転かしまし男娘】の遙遠とリュースは互いの顔を見合わせた。
本来は【6】番を抱きしめろと、という【女王様】役の仲間の命令で、ゴンサロを誘惑し、その「宝」を潰す予定であった彼らだが。
「ま、ゴンサロさんもいなくなったことですし」
「プロデュースしながらでも、検体は集められるわよね」
残るメリットを捻りだして頷く。
対象的に【秋葉原四十八星華】の陽子は「予定通り」といった表情だった。
「では、さらばだ!」
そうして、レン・オズワルドは会場を去っていった。
大鋸の「【真の男】への試練」と「アイドルのプロデュース」との関連性は、いまひとつ不明なままに……。
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