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「いやっほーー! プールだー! 夏だー! 久しぶりのパラミタ大陸だー!」
 更衣室から出てきた夏野 夢見(なつの・ゆめみ)はそう叫んで、両手両足を広げて夏の日差しを受け止めた。
 新調したての花柄のAラインワンピースがよく似合っている。
「元気だな」
 ほぼ同時に男子更衣室から出てきたルーク・ヤン(るーく・やん)がそう夢見に声をかけた。
 ルークはゴムではなく、紐を結んで腰で止めるタイプのハーフパンツのような深紫の水着を着ている。そして、その手にはSDじんるいふぉんくんボートを持っていた。
「だって、あたしの名前にもある夏だよ? なんかワクワクしてこない?」
「そうだが……こうも暑くては辟易してこないか?」
 そう言いルークは眩しいのか、額のあたりで日差しを手で遮った。
「その暑いのが良いんだよ」
 夢見はさっそく浮き輪を貸してくれるお店へと歩いていく。それをルークが後を追った。


 夢見は1人用の浮き輪におしりを入れて、ルークはSDじんるいふぉんくんボートに跨り、ぷかぷか波に揺られている。
(こんなに人が多いとあまり性別が気にならないから良いな)
 ルークはまったりしながら、自身の女性恐怖症の事を考えていた。
(……もう少し鍛えても良いかもしれない……)
 そして、周りの男性と自分の体を見比べてもいた。
 しかし、白い触手が自分のそばにいたことには気が付いていないらしい。
「ね、ルーク」
「わぁっ!」
 あまりにもまったりし過ぎていたのか、急に女性である夢見に話しかけられ、ルークはボードから落ちそうになる。
「どっちが大きい水の塊を作れるか競争しようよ!」
 夢見はそんな事はおかまいなしにサイコキネシスを使って小さな水の塊を作って見せた。
「いや、別にまったりできればそれで――」
「よーいスタート!」
「って、聞こうよ!」
 もう始めてしまった夢見に仕方ないといった風に付き合うルーク。
 しかし――。
「あたしの方が大きいね♪」
 数分後、夢見に一回りほど大きな塊を作られてしまった。だいたいボーリングの玉くらいの大きさだ。
「俺だって、本気出せば!」
 ルークは先に超能力者になった意地で夢見のよりも二回りほど大きな塊にする。
「これで俺の勝ちだ――」
「隙アリ!」
 勝ち誇ろうとした、その時、いきなり水の塊を顔にぶつけられてしまった。
「ぶへぇっ!!」
 ルークは驚いた拍子にバランスを崩しボードから落ちてしまった。急いで水面に出て、ボードの上へと戻ろうとした。
「ルーク……お尻割れてる……」
「生まれた時からだが……って、ん?」
 突然投げかけられた夢見の質問に疑問を感じ、視線をお尻へと向ける。するとそこには水着が脱げ掛け、ぺろんと出てしまっている自分のお尻が丸見えになっていた。
「わぁっ!!」
 ボードに上がるのをやめ、水の中で水着を直す。
「なんだったんだ!?」
 一連のルークの動作がツボだったらしく夢見はプールで遊んでいる間中、しばしば思い出し笑いをしていたのだった。