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【十二の星の華】秘湯迷宮へようこそ

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【十二の星の華】秘湯迷宮へようこそ

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第3章


 ホイップが玄武甲を手にしたのを見て、ティセラが立ちあがった。
 いつもと違う黄色いマフラーで仮面ツァンダーのマスクを被った巽とティア、そして、未だに気配を隠している覆面中の祥子がティセラを守るように背後に立っている。
 あくまでも護衛で積極的に攻撃を仕掛けてくるわけではないようだ。
「玄武甲をこっちに渡してもらおうか」
 そう言ったシャノンの後ろにはバルトに担がれている石化したファルがいた。
「卑怯な手を使いますね」
 幸が言い放つ。
 ホイップはファルのことを見ると、悲しそうな顔をして、シャノンの方へと歩いて行こうとした。
「そこまでだ」
 声とパンッという音が聞こえた。
 いきなり辺りは白い煙が立ち込め、ガスの臭いが充満した。
「下手に動けばライターで火を付ける。どうなるか……わかるだろう?」
 ティセラの背後に現れたのは輪廻だったのだ。
「その手を下げてくれるかしら? これが見える?」
 祥子は輪廻の側にいたアリスに忘却の槍を首元に突きつけている。
「し、しじょーさん……すみません」
 アリスは祥子の腕の中で謝る。
「くっ……しかし、こちらの動きの方が早い。良いのか? ティセラも道連れになるぞ?」
「……」
 祥子は無言にはなったが、槍は降ろさない。
 メタモーフィックはトライポッド・ウォーカーの操縦を縄で固定したものをスタンバイしていたが、この膠着状態では下手に動かすことも出来ない。
 この状態の中、動いたのはホイップだ。
 ティセラの元へと近付く。
「わたくしに渡す気になったのかしら?」
「ううん、違うよ」
 そういうと、ホイップは玄武甲を発動させた。
 白く清らかな光が玄武甲を覆う。
 それをティセラへと近付ける。
「な、何を………………」
 少しの沈黙。
「あいかわらず、人の心配ばかりなのですわね……ホイップ。あの時の台風は無事に封印が出来ていたみたいですわね。流石ですわ」
 穏やかな笑み。
「ティ……セラ……」
「泣く必要なんてないと思いますわよ?」
 ホイップは泣きながら、ティセラに抱きついた。
 それを優しく受け止め、頭を撫でる。
「そんなことされるとボクが困るんだよね」
 ホイップは鞭によって、玄武甲を奪われてしまった。
 光は消え、ティセラのホイップを見る目は冷たいものへと変わった。
 小型飛空艇に乗って現れたのはシャムシエルだ。
 その手には今奪ったばかりの玄武甲がある。
「これはボクがもらっていくよ。ついでに――」
 いきなり、ホイップは背後から切りつけられた。
 ホイップはファルと同様石化してしまった。
 後ろにいたのは勿論、マッシュだ。
「キミも……ね」
 シャムシエルはホイップもその腕の中に入れようとしたが、エルと呼雪、黎が盾となり防ぐことが出来た。
「邪魔だよ」
 しかし、それも最初だけで、星剣・還襲斬星刀(かんしゅうざんせいとう)によって切り捨てられてしまった。
「ごきげんよう」
 ティセラの言葉を最後にティセラとシャムシエル、そして石化したホイップは小型飛空艇に乗り、行ってしまった。
 ファルは置いて行ってくれたようだ。
 そのあとをティセラ側についた人達が追う。
 そして、幸とメタモーフィックは誰かに告げる間もなく小型飛空艇で追跡を開始したのだった。


続く!

担当マスターより

▼担当マスター

えりか

▼マスターコメント

 シナリオに参加してくださり有難うございました。
 うっ……今回も少し遅くなってしまいました。
 すみません。

 今回は皆さんの罠を使わせて頂きました。
 いかがでしたでしょうか?
 ちょっとだけアレンジをさせていただいたトラップもありました。
 少しでも楽しんで頂けたのでしたら嬉しい限りです。

 次回に続きます!
 ちょっとだけシリアス入るかも?
 予定はまだ未定ということで、次のシナリオガイドをお待ち下さいませ。

 リアクションの裏話、シナリオガイドが出るよりも早い次回予告は『蒼い予告編』を検索してみてくださいませ。
 ではでは!