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リアクション
綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)は、
「マジカルブッキング」のゲストとして、
ジャタの森の精 じゃたを呼び出していた。
アデリーヌ・シャントルイユ(あでりーぬ・しゃんとるいゆ)と一緒に用意した
ざんすかとつぁんだに似せて作った等身大チョコ人形に、じゃたはかぶりついている。
「じゃたさんお久しぶり。
……といっても、今初めて会いますが。
じゃたさんは最近すっかり顔を見せないので、
すっかり死んじゃったと思ったんですが、生きていてよかったです」
じゃたはあっという間に、おびき寄せるため用意されたチョコを食べつくして、
今度は本物のつぁんだに噛みついていた。
「どうしてワタシの死亡説が流れているのか、じゃた?
そんなことよりもっとチョコほしいじゃた」
「ちょ、やめ、痛い痛い!」
じゃたは、無表情でつぁんだにかぶりつきつつ、
鬼気迫る様子でチョコをねだっていた。
そんな様子にも、さゆみは臆さずに続ける。
「チョコレートの禁断症状はもう治りましたか?
ここ最近、すっかり見かけなくなったので、
契約者からチョコの差し入れとかなくなりましたが、
その間、どう過ごしてたんでしょうか?
カカオ中毒がひどくなって禁断症状の末に
チョコと間違えて毒キノコを食べて死んでしまったという噂とか、
バレンタインデーに近隣のリア充を襲ってはチョコレートをかっぱらったり、
お菓子屋を襲撃したりという噂ばかり流れてくるんですが」
「初めましてって言ったのに、なんだか詳しいな、じゃた。
でも、ワタシは何か食べて死んだりはしないじゃた。
そういえば、だいぶ前に、
テレビが来て、ワタシとざんすかが出演したことがあったじゃた。
これもテレビなのか、じゃた?」
じゃたが、周囲をきょろきょろと見渡す。
「ああ、最近見かけなくなった人を特集する番組、あったような。
でも、それもだいぶ前ですよね」
「テレビって美味しいものがいつも出てくるじゃた。
ワタシもテレビに入ってるなら美味しいものが食えるかもしれないじゃた」
「そうですね、向こうでロリババアクリッカーというのをやってますよ。
なんでも食材を無限増殖しているとか」
「おい、何を言い始めるんじゃ!?」
アーデルハイトが慌てるが、さゆみの言葉を聞いて、
じゃたは、ロリババアクリッカーの方に向かって走っていく。
「じゃあ、食べてもいいか、じゃた」
「いいともー!」
「いや、よくないじゃろ!」
さゆみに全力で突っ込む、アーデルハイトであった。
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