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少年探偵の失敗

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少年探偵の失敗

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14. 一日目 エーテル館廊下 午前九時二分

V:ナガンさん。余計なこと言わないで黙って撮影してくださいね。みんな真剣に捜査してるんですから。
V:ふん。古森あまねは、ナガンより胸がないクセにうるさいぜ。ナガンは口を閉じて、魂で語るとしよう。実録! エーテル館大捜査。はじめるぜ。ヒィーハァァアア!
V:・・・だから、ウザったいってば。まったく、もう。一日目。エーテル館捜査。実況は、メイン古森あまね、サブは、孤児院の管理人ナガンでお送りします。

「ちょっと、ちょっと」
 誰もいないはずのところで呼び止められ、あまねは、足をとめた。
「レキ・フォートアウフだよ。光学迷彩で姿を消してるんだ。女のカンでえつ子さんに話を聞こうと思ったんだけど、そう考えてる人も多いみたいだから、ボクは姿を消して、えつ子さんの部屋に住みつくよ」
「スパイ大作戦」
 くるとがつぶやく。
「情報を入手したら、あまねちゃんに連絡するから、くるとくん推理してね」
「レキちゃん、気をつけてね」
「わらわが部屋に何度か出入りして、レキの身に危険が及ばぬようにしておくわ。ところで、ボク、身長、体重はいくつじゃ」
「くるとくんのですか。百十センチの十五キロですけど。それが、なにか」
「いやいや、わしよりも小さくても、その能力を人に評価されているそなたは、立派じゃよ。年上の彼女もおるようだし。小さいことは、よいことじゃ」
 レキのパートナーの魔女、ミア・マハは、くるとが、百三十九センチ、二十四キロの幼児体型のミアよりも小柄なのに、名探偵として世間に評価されているのが、とてもうれしいらしい。
「今回みたいな捜査だと、なにもかも小さいミアは、目立たなくていいよね」
「レキは余計なことを言うな! わらわより小さな探偵くん、面倒ごとは嫌いじゃが、小さなそなたのために協力するぞ。気づいたことがあれば、教えてやろう」
「ありがとうございます」
 くるとでなく、あまねが礼を言う。くるとは、ミアの機嫌を損ねることを言わないように、あまねの手で口をふさがれている。
 たしかにレキが言った通り、えつ子の私室には、話を聞こうと、トライブ・ロックスター、ジョウ・パプリチェンコ、クライブ・アイザック、ルナ・シルバーバーグ、セオボルト・フィッツジェラルド、宇佐木みらび、セイ・グランドル、宇佐木煌著 煌星の書たちが集まっていた。