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枕返しをする妖怪座敷わらしを捕まえろ!

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枕返しをする妖怪座敷わらしを捕まえろ!

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第10章 悪夢から現実の日常へ・・・

「お腹いっぱいになったし、沢山遊んでもらったから皆を解放してあげる」
 生徒たちにお供えものをもらったり、遊んでもらい満足した座敷わらしは、悪夢の中から生徒や村人たちを解放する。
「・・・座敷童や対応してる人々はどうしたんだ?。―・・・手に持っていたはずだが・・・?」
 悪夢から開放された透玻は座敷わらしに悪夢を見せられ、苛々はしているがせめて菓子は押し付ける、もとい供えておきたいらしく袂を探る。
 一方、悪夢から覚めたばかりの璃央は、まだ意識がぼーっとしている。
「璃央・・・目が覚めたのか?」
「―・・・透玻様?」
「無事か・・・」
 彼女を心配して声をかけ、自分の名前を呼ばれたことにほっと安堵する。
「そういえば、座敷わらしは・・・?」
「は・・・お菓子がどこにもない!」
 璃央の言葉にお菓子のことを思い出し、慌てて探すもののすでに持ち去られた後で、どこを探しても見つからかった。



「あれ?羽純くん・・・?本物?」
 透玻たちと同じくすでに開放され、迎えに来た羽純の顔を見上げる。
「・・・うう・・・もう、会えないかと思った・・・!」
「どうした?そんなに怖い夢を見たのか?」
 彼が本物だと分かり、いきなり子供のように号泣する歌菜の頭を優しく撫でてやる。
「―・・・このバカ」
 悪夢の中で独りぼっちになってしまい、そこでことを泣きながら話す歌菜の頭を、コツンと軽く拳骨で小突く。
「いいか、それは夢だ。お前が独りになるわけがないだろう?・・・誰もお前を独りにはさせない」
 ただの夢のことだと言い、現実は独りじゃないんだと言い聞かせる。
「大体・・・歌菜。お前、俺に“これからは絶対に独りにさせない”とか言っただろ?一番最初に。覚えてるか?」
「うん、ぐすっ・・・」
「約束はきちんと守るもんだ」
「―・・・うん、そうだね。(私も羽純くんをあんなふうに、独りにさせない)」
「そうやって笑ってる方が歌菜らしい。じゃあ帰るか」
 羽純は泣き止んだ歌菜に笑いかける。



「お姉ちゃん起きて」
 いきなり子供の声が聞こえ、コレットが跳ね起きる。
「これ、わらしにくれたんだよね?ありがとう。美味しかったよ」
 座敷わらしは彼女に礼を言い、ニコッと微笑みかける。
「社のお掃除もやってくれたんだ・・・」
 少女はキレイになった社を見る。
「今、お兄ちゃんを起こしてあげるね」
 そう言ったとたん、一輝が目を覚ました。
「ここは・・・?俺・・・死んだはずじゃ」
「何言ってるの、ちゃんと生きてるわよ。さっき悪夢から開放されたんです」
「そうか・・・よかった」
 一輝はほっと安堵する。



「私を・・・1人にしないで・・・」
「ずっと泣いてたみたいだけど大丈夫?」
 悪夢から目を覚ますと座敷わらしが郁乃の顔を覗き込んでいる。
「ありがとう、大丈夫よ」
 予想以上に酷く傷つけてしまったのではと、不安そうな顔をする少女を安心させようと、片手で涙を拭う。
「ねぇ?一緒にお菓子食べない?パンもあるよ」
「いいの?」
「1人じゃ食べきれないから食べて欲しいの」
「うん、ありがとう。ごめんね・・・お姉ちゃん」
 パンを掴んだまま少女は沈んだ顔をする。
「そうね・・・・・・うーん。友達になってくれたら・・・許してあげる!」
「あんな目に遭ったのに、わらしが怖くないの?」
「怖くないよ。こうやってちゃんと開放してくれたし」
「じゃあ・・・なる!」
「やった!嬉しいなぁっ」
 可愛らしく笑う少女を抱き締める。
「これからは座敷わらしじゃなくて、夢乃て呼ぶ!」
「何ですか、勝手に名前をつけて」
 寝室へ戻って来たマビノギオンが眉を潜める、
「夢は夢を見させる力があるから、乃は自分の名前の郁乃からとったの。どう?」
「どうっ・・・て・・・・・・」
「うーん座敷わらしの名前は座敷わらしだよ?」
「そっかー・・・。それじゃあ、愛称として呼ぼうかな。決まりっ」
 名前でなく愛称として呼ぼうと郁乃が決めてしまう。



「座敷わらしねえ・・・本当に、いたんだな?おい、翡翠?大丈夫か」
 悪夢から開放されて戻された翡翠の顔を、レイス・アデレイド(れいす・あでれいど)が心配そうに覗き込む。
「起きろ、現実の場所に戻れたんだぞ。おーい」
 目を覚まさない彼の身体を揺する。
「悪夢は、久し振りに見るときついですねえ」
 ようやく起きた翡翠が呟く。
「おい、顔色悪いし、すげ〜冷や汗だぞ?何があった」
 レイスはコップに入れた水を差し出して、どんな夢を見たのかというふうに聞いた。
「えぇちょっと・・・昔のことを・・・」
「言いたくないなら別にいいけどな」
「なんというか・・・いえ・・・やっぱりやめておきます」
「そうか。(ちょっと気になるけど仕方ないか・・・)」
「やっぱり言います」
 翡翠は受け取ったコップをぎゅっと握る。
「いいのか?」
 やめておくと言った時に、レイスには彼が気がすすまないように見えた。
 本当に話してもいいことなのかというふうに聞く。
「どんな結果になっても、後悔しない生き方をしていきたい・・・そう思える夢でした。(兄さんは俺たちを守るために死んでしまいましたけど。俺はどんな生き方になるのでしょう)」
 夢の中で見た出来事を考えながら翡翠は水を飲み干す。
「もしかして機嫌治ったかな?」
 元の場所に戻れた翡翠を見て、花梨が首を傾げる。



「ほら、みんな。ちゃんと座敷わらしちゃんに謝って!」
 美羽は村人たちを起こし謝らせる。
「すまなんだ〜許してけれー」
「もうお供えものを忘れちゃいけませんよ」
 二度とこんなことがないように由宇も村人に注意する。
「どっちか好みかな?」
「うーんとね。両方!」
「じゃあ2つともお供えものを置く台の上に置いていくね」
 セシリアにおはぎと煎餅、飲み物の熱い煎茶をもらう。
「お菓子余っちゃったから、後で食べてね」
 ルカルカもカステラや飴を置いていく。
「また小豆飯を作ってやるからこんなことはしてはならぬぞ。これだけ叱られれば、村人も忘れることはないじゃろうが」
 御前が座敷わらしに約束させる。
「うぅ、もうお別れなんて」
 可愛い少女と離れたくない望が泣きそうになる。
「何で気絶してるんだ爺さん・・・」
 悪夢から戻れたがショックのあまり気絶しままのグランをアーガスが自宅へ運ぶ。
「じゃあね。またクマラと一緒に、お菓子もってくるかもしれないから。その時はよろしくね」
 エースは座敷わらしに手を振り、薔薇の学舎へ帰っていく。
「ありがとう。皆・・・ばいばい」
 座敷わらしは社の中へ姿を消す。
 神隠しの事件を解決し、生徒たちはそれぞれの学校へ戻る。

担当マスターより

▼担当マスター

按条境一

▼マスターコメント

こんばんは、皆様お疲れ様でした。
悪夢に送られた方々は皆、無事に現実へ戻りました。

NPCの座敷わらしの名前は、座敷わらしです。
他の呼び名で名づけようとしている希望が多数ありましたので、それは名前でなく愛称とさせていただきます。

一部の方に称号をお送りさせていただきました。
それではまた次回、別のシナリオでお会いできる日を楽しみにお待ちしております。

【2010.8.11:修正させていだきました】
誤字修正箇所はリアクション8ページ目、第8章になります。