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はじめてのおつかい(ペット編)

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はじめてのおつかい(ペット編)

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「さあ、ほとんど最終グループと言ってもいいペットたちが大挙してゴールしてきました。キャプテン・ワトソンさんのオルカさん、騎沙良詩穂さんのパンとティー、ジーナ・ユキノシタさんのビスマルクさん、エリシア・ボックさんのフォルテシモさん、朝霧垂さんのティーカップパンダ軍団さん、ジュレール・リーヴェンディさんのロビーさん、琳鳳明さんの小剛さん、ルイ・フリードの門次郎さん、鷹野栗さんのミヤルスさん、神代明日香さんのコトさん、曖浜瑠樹さんの納羽さん、ソア・ウェンボリスさんのテオルさんです」
 
    ★    ★    ★
 

「よし、カナタにはみゃけたが、一応、みっちょんクリアにゃ。ゆるゆるパイレーツ、ふぁいにょー」
「ちー」
「ちー」
 自由になったシス・ブラッドフィールドが、デビルゆるスターたちを集めて円陣を組むとこれ見よがしに気勢をあげた。
 それを見て、立川ミケのネコ軍団と朝霧垂のティーカップパンダ軍団がキッとライバル意識を顕わにする。けれども、ルカルカ・ルーのゴーレム軍団は我関せずであった。
 
    ★    ★    ★
 

「よかった、早く助け……うわ、む〜にゃ、何をする……」
 いきなりむ〜にゃに猛烈に顔をなめられて、ミシェル・シェーンバーグが足をバタバタさせてもがいた。
「こら、早くしないと怒るよ。めっ」
 さすがに怒られて、しぶしぶむ〜にゃが縄をかりかりとひっかいて切った。
 
    ★    ★    ★
 
「うーん、うーん、よしそこだあ!」
 ズィーベン・ズューデンが意識を集中すると、セイツェマンがすぱーっと縄を切断した。
「御苦労さん。よくやったよ」
 そう言ってズィーベン・ズューデンが手を差し出すと、その上に載ったセイツェマンが元の一枚の紙に戻っていった。
 
    ★    ★    ★
 
「よしよし。貴様を罠にかけた奴はしっかりチェックしたからねえ。後で目に物見せてやるのだよ」
 フラウラスの頭を撫でてやりながら、アンドラス・アルス・ゴエティアは不敵に笑った。
 
    ★    ★    ★
 
「よくやった。偉いぞ。かわいさ一番、頭の良さも世界で一番だ」
 シヴァとゼノンの頭をすりスリスリと撫でてやりながら、エース・ラグランツがササミのおやつをたっぷりと二匹にあげている。
「それで、例の物は?」
 エース・ラグランツがエオリア・リュケイオンに訊ねた。
「はいはい。ちゃんと撮影しましたよ。それにしても、どれだけ猫好きなんですか」
「それは、俺よりも猫好きな存在は許さないほどにだ」
 エオリア・リュケイオンの問いに、エース・ラグランツはそう答えた。
 
    ★    ★    ★
 
「無様なものね……。ふがいない!」(V)
 ピシリとダークネスウィップを鳴らして、崩城亜璃珠が蛇トリオに言った。
「二十八位ですって……。許せませんですわ。教育が必要ですわね。お仕置きですわ!」(V)
 そう言うと、崩城亜璃珠はあせび、れんげ、つつじの蛇トリオを尻尾の所で結び合わせた。
 
    ★    ★    ★
 
「こばばー」
「凄いですもん、感動的でしたもん!!」
 ゴールした小ババ様に、音井博季が駆け寄っていった。
「お疲れ様でした。『非公式小ババ様グッズ製作委員会』はどんなときでも小ババ様の活躍を応援しております」
 音井博季を押しのけるようにして、風森望が手縫い小ババ様ぬいぐるみを差し出す。
「こら、そんなことをしていないで、早く私を助けるのじゃ!!」
 何をぐずぐずしているとアーデルハイト・ワルプルギスが叫んだ。
「こばぁ!」
 了解したと、音井博季と風森望をかいくぐって、小ババ様が簀巻きにされているアーデルハイト・ワルプルギスに駆け寄ろうとする。
「小ババ様、お土産を持って参りました。今度はちゃんとお食べくださいませね」
 フィリッパ・アヴェーヌが、持ってきたシャンバラ山羊のミルクアイスを差し出して言った。
「そ、それは、この間の絶品ですぅ」
「こばぁ♪」
 アイスを見て、エリザベート・ワルプルギスと小ババ様が目を輝かせる。
「ちょっと待つのじゃ。私は知らぬぞ。この間とはなんなのじゃ」
 アーデルハイト・ワルプルギスが、芋虫のようにずりずりと這い進みながらエリザベート・ワルプルギスに詰め寄った。
「ふっ」
 わざとらしく、エリザベート・ワルプルギスが目を逸らす。
「なぜ目を逸らすのじゃあー!」
「いずれにしても、大ババ様は、今はアイスクリーム禁止期間中なのですぅ。なので、これはみんなで美味しく食べるのですぅ」
「こばぁ♪」
「おのれ、エリザベート。早く解くのじゃあ」
 大ババ様は叫んだが、彼女が自由になったのは、すでにアイスクリームはすべて食べられてしまった後であった。
 
    ★    ★    ★
 
「ありがとねー、ゆーちゃん。ずっと信じてたよ」
 ミルディア・ディスティンは、熊の着ぐるみを着たゆるスターに頬ずりしながら大会本部の方へと移動していった。
 
    ★    ★    ★
 
「甚八、よくやったやん。はよゴールして、あたしらを助けてん」
 ゴール直前に辿り着いた甚八を見て、ソラ・ウィンディリアが嬉しそうに叫んだ。甚八も、分かったとばかりにワンと吼える。
「そうはいきまセーン。今までのみなさんは見むきもしませんでしたが、あなたにはここでカレーを食べていってもらいマース」
 なんと、ゴールライン上で、アーサー・レイスが持っていたカレーを甚八に見せつけた。
「いまさらそんな邪魔をしても無駄だ。甚八がそんな罠にかかるわけが……、こっ、こら、甚八、なんで尻尾振ってる。食べるな、食べないで早くゴールしろ!」
 酒杜陽一が必死に叫んだが、甚八は一心不乱にアーサー・レイスのカレーを食べてしまっていた。
「何者にも、カレーには勝てないのデース」
 そう言って、アーサー・レイスは勝ち誇った。
 
    ★    ★    ★
 
「そろそろ店じまい……いらしゃいませーなのだ」
 いいかげん走者もいなくなったので罠の氷屋を畳もうとしたマナ・ウィンスレットは、スラの助さんが積みあげておいた氷でひんやり涼をとっているのに気づいて、急いで営業モードに切り替わった。