First |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
◆◇◆◇ プロローグ ◇◆◇◆
――ペルム地方、ペルム城
城の一角にある自室で、龍騎士テミストクレスはソファに深々と腰かけ、杯を傾けていた。
前々からコツコツと仕込んできた企てが、アスコルド大帝の崩御を切っ掛けに現実味を帯び、そして一気に加速した。
彼も龍騎士の端くれ。大帝に忠義を誓っているが、ここまで大帝に感謝したことは生まれてこの方なかっただろう。
手に握る杯のように、ペルム地方は既にほぼ自分の手中に収まっているも同然だからだ。
テミストクレスの龍騎士としての実力は、お世辞にも高いとは言えない。
彼は猛将として槍を振るうより、知将として政を得意としていた。
選定神アントニヌスもそれを知っており、ペルム地方の内政は彼に頼ることが多かった。
しかし、テミストクレスからすれば、ペルム地方の所属そのものが気に入らなかった。
皇帝直轄領に隣接していながら、あるのは木、木、木。
自分が政に対して有能であればあるほど、こんなド田舎に甘んじている今の地位では物足りなくなっていた。
その思いはいつしか「自分は選定神をも支配できるのではないか」と歪み始めていたが、彼自身それに気づくことはなかった。
一介の龍騎士が影で選定神を従わせる。
人望こそなかったが、自分の特殊能力ギアスで命令を聞く部下はいくらでも作ることが出来る。
ティル・ナ・ノーグから魔女モルゴースが来て、召喚獣などの協力をしてくれている。
大帝が崩御し、選定神アントニヌスが留守にしている隙に、ペルム地方最強の龍騎士にして選定神の最愛の妻であるオリカを捕らえることに成功する。
帰ってきた選定神アントニヌスに事実を伝え、自分に従うよう告げる。
手駒として選定神アントニヌスが幽霊城に封印したという凶悪なモンスター・カトブレパスを手に付けることに成功する。
選定神アントニヌスの娘ソフィアの暗殺には失敗したが、大事の前には些末でしかない。
彼の野望は達成を間近にしていた。
しかし、その些末であるソフィアは、コントラクター達と共にテミストクレスを討つべく、幽霊城近くに潜んでいることを、彼は知らなかった。
◆◇◆◇ 目次 ◇◆◇◆
1ページ プロローグ・目次
~花井詠巳GM~
2ページ
~西里田篤史GM~
3ページ オリカを救え!
4ページ
~夜月天音GM~
5ページ 歌え、仲間のために
6ページ
7ページ
8ページ
9ページ
~西里田篤史GM~
10ページ 対決! モルゴース
11ページ
~花井詠巳GM~
12ページ
13ページ
14ページ
15ページ エピローグ
First |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last