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王子様とプールと私

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【ヴァレリア、復習中】

 冬山 小夜子(ふゆやま・さよこ)泉 美緒(いずみ・みお)と売店にいた。プールで遊んだ後、休憩でクレープを食べにきたのだ。
 小夜子と美緒は、お揃いの三角ビキニを着ている。
「け、結構肌が見えるのですね……」
 美緒は少し頬を赤らめて、自分の体をちらちらと見ている。
「魅力的で美緒にとても似合ってますよ? 美緒から見たら私は似合ってるでしょうか?」
「小夜子は素敵ですよ。似合っています」
「少し恥ずかしいかもしれないけど、私も一緒にいますから大丈夫」
 小夜子の言葉に勇気づけられたように、美緒は微笑み返した。

 小夜子と美緒は、ボリュームのあるクレープと飲み物を買って、ベンチに座った。近くでは複数のカップルたちが甘い雰囲気を漂わせている。
「そういえば美緒。気付いてると思うけど今日は見た感じ、カップルが多いですね」
「そうですね。やはり、デートスポットとしても人気なのでしょうね」
 小夜子は、口付けをしているカップルにちらりと視線を送った。あるいはこっそりと、あるいは周囲など気にも止めず、二人きりの甘い時間を作っている。
「……それで、私も同じ事をしたいのだけど、駄目かしら?」
 美緒の耳元で小夜子が囁く。周囲の雰囲気に感化されたのか、何となく恥ずかしそうにしながらも、美緒は小さく頷いた。
 小夜子は美緒をそっと抱き寄せて、口付けをする。どことなく、生クリームのような甘い味がした。
「……ごめんね。我が儘を言っちゃって」
 美緒を抱き寄せたまま、小夜子は美緒の頭を撫でた。きっと美緒は恥ずかしいのを抑えて、私のためにやってくれてるだろうから。
 そう思うと、小夜子は美緒が更に愛おしくなった。
「いいのですよ。こうしていられると、幸せですから……」
 小夜子と美緒は、二人寄り添って甘い時間を過ごしたのだった。