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chapter.7 収容所 


「あ、また誰か飛ばされてきた」
「もう大分ここもいっぱいになってきたなあ」
 空を飛んで向かってくる人影を見ながら、そんな会話が行われている。
 ここはロウンチ島西地区にある収容所。ここには現在、76人の脱落した生徒たちが収められている。これまでの脱落者を確認するためにも、この収容所にいる参加者のリストを表示しよう。

 脱落者一覧(プレート変色順)

 1日目前半
 張 飛
 皇甫 嵩
 シルバ・フォード
 雨宮 夏希
 羽入 綾香
 ルナ・エンシェント
 アリシア・ノース
 村雨 焔
 マネット・エェル
 御凪 真人
 高務 野々
 飛鳥井 蘭

 1日目後半
 七枷 陣
 朝野 未沙
 久多 隆光
 悠久ノ カナタ
 漆髪 月夜
 玉藻 前
 譲葉 大和
 シェリス・クローネ
 フィル・アルジェント

 2日目前半
 小鳥遊 美羽
 ベアトリーチェ・アイブリンガー
 サミュエル・ハワード
 一式 隼
 ファム・プティシュクレ
 和原 樹
 フォルクス・カーネリア
 ファタ・オルガナ
 宮津 欣二
 樹月 刀真
 緋桜 ケイ
 ラキシス・ファナティック
 月島 悠
 ハンス・ティーレマン
 クレア・シュミット
 麻上 翼
 宇都宮 祥子
 笹原 乃羽

 2日目後半
 ノート・シュヴェルトライテ
 風森 望
 水神 樹
 一条 アリーセ
 リリ マル
 ナッシング・トゥ・セイ
 イリーナ・セルベリア
 ロザリィヌ・フォン・メルローゼ
 レオンハルト・ルーヴェンドルフ
 シルヴァ・アンスウェラー
 ルイン・ティルナノーグ
 トゥルペ・ロット
 エレーナ・アシュケナージ
 蒼空寺 路々奈
 ヒメナ・コルネット
 九弓・フゥ・リュィソー
 九鳥・メモワール
 朝野 未那
 朝野 未羅
 鷹野 栗
 八坂 トメ
 城定 英希
 斗羽 神山

 3日目前半
 クリムリッテ・フォン・ミストリカ
 東條 カガチ
 ライ・アインロッド
 ベルフェンティータ・フォン・ミストリカ
 カレン・クレスティア
 香住 火藍
 久途 侘助
 駿河 北斗
 和泉 真奈
 ジュレール・リーヴェンディ
 吉永 竜司
 うんちょう タン
 六本木 優希
 各務 竜花

 以上が脱落者の面々である。
 そして、彼らは収容所で、「今回誰が1番悲惨だったか」という全く実りのない話をしていた。

「誰がどう考えたって俺だろ!? 真っ先にやられたんだぜ?」
 張飛の言葉に、嵩が反論する。
「それがしも、ほぼ同時に倒されたのでございます。しかも、それがしの方が情けない倒され方でございます」
「いやいや待ってくれ、パートナー以外で最初に脱落したのは俺だぜ?」
 シルバがふたりの会話に割って入る。
「問題はやられた順番ではなく、やられ方ではないですか? 俺は恥ずかしい名前のチーム名にやられたんですよ? しかもそれに加えて順番的にも最初の方ですし」
 真人が主張する。
「やられ方で言ったらオレだろ、あぁ!? 2回もタマ蹴られてんだぞコラァ!」
「それは自業自得でしょう」
 冷静に真人に突っ込まれる竜司。
「やられ方といえば、私もひどいものでしたよ。突然変な男が現れて、おたまを奪われた挙句、それをぶつけられたんですから」
 収容所にいた生徒たちの持っていた大根で料理をつくりながら、野々が悲しそうに言う。
「あぁっ、その男、わたくしも襲われましたわ! まあわたくしの場合、先に襲ったのはわたくしでしたけど……それにしても、後でバットを返していただかなくてはなりませんわ!」
 蘭が野々に同意しつつ、ぶつぶつと文句を並べた。
「あのね、ファムもひどかったよ! パッと出てきて、パッとやられちゃったんだもん!」
「それは自分たちを裏切ったから仕方ないのでは……」
 ファムと隼がそんなやり取りをする中、クレア、翼、祥子らとジュレールが言い争っていた。
「だから、我は最後の戦いがあっさりしていたことに不満を持っているの言ったのだ」
「私たちに比べれば充分な活躍ではないのか?」
「ボクだってもうちょっと長く戦いたかったんですよ?」
「それまでに結構活躍してたじゃない。私たちは、3人での戦いだったのに薄っぺらかったのよ?」
 そこに、仲裁しようとサミュエルが割って入る。
「まあとりあえず落ち着いてヨ。そうだ、ドロップ食べる?」
「サミュエルさん! それドロップやない、大根や!」
 陣が慌てて止める。関西弁キャラがいてくれて助かった瞬間である。その近くでは、水神樹、ライ、うんちょうらが、
「自分たちもなにげにひどかったよねー」と互いを慰め合っていた。
 しかしそれから少しすると、誰からともなくこう呟いた。
「まあ……ある意味まだ生き残ってるやつらの方が悲惨だよな」
 脱落者たちは、各々のソファーに戻ると、温かい紅茶を飲みながら漫画を読み始めた。