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chapter.9 待ち受けているもの 


 船は生徒たちを乗せ、孤島、ロウンチ島を後にした。
 やっと島から開放され、皆一様に安堵の表情を浮かべている。そんな生徒たちを見て、ロイテホーンは口元を緩ませながら別室へと足を向けた。部屋に入ると、そこには関羽がいた。
「この度は無茶な願いを聞き入れてくれて助かった。改めて礼を言わせてもらう」
 頭を下げるロイテホーン。関羽はずっと疑問に思っていたことを聞いた。
「生徒たちに償いをするのであれば、皆を招いて食事会でもすれば良かったのではないか? なぜわざわざこのようなことを……」
「食事会では、私しか楽しめないだろう」
「……?」
 いまいち理解が出来なかった関羽を見て、ロイテホーンは少し恥ずかしそうに言葉を足した。
「島全体を使った催し物ならば、彼女も楽しめると思ったのだ」
「なるほど、そういうことか」
 関羽はそこで全てを理解した。なぜこのような大掛かりな企画にしたのか、なぜ開始時に船を鍾乳洞のある東地区に泊めたのか、そして、なぜ鍾乳洞前で立っているよう指示されたかも。
「貴殿が愛した者も、きっとはしゃぐ生徒たちの姿を見て喜んだことであろう」
「……そう願いたい」
「ところで、生徒たちの宿題はどれくらい増えるのだ?」
 何気なく浮かんだ関羽の疑問に、ロイテホーンは笑って答えた。
「はは、あれは嘘だ。私ひとりが頼んだところで、6校の課題を増減させることは出来ない」
「なんと……」
 一本取られた、といった様子で関羽が頭に手をやる。
「そうだな……強いて宿題を設けるとするならば、次に生徒たちがここに来た時に、話でも聞かせてもらおうか」
「話?」
「私は、あの小さな島で、狭い世界で、たったひとりの女性と愛を紡いでいた。だから、この世にはきっと私が知らない形の愛がまだまだ溢れているに違いない。生徒たちにはそれを語ってもらうとしよう」
「貴殿も、面白い男だ。そういえば、豪華特典の方はどうなったのだ?」
「ああ、もう優勝者に与えてきた。今頃喜んでいることだろう」

 その頃優勝者の珠輝は、服を着替え、船内で他の生徒たちと疲れを労いながら食事を取っていた。彼は、自分の後ろを通った生徒たちが何やらくすくす笑っているのが気になったが、そういうプレイも嫌いじゃないのでそのまま受け入れることにした。生徒たちが笑っていた理由、それは珠輝の背中に優勝者のみに与えられる称号が紙で貼られていたからなのだが、よもや珠輝も、せっかく優勝したにも関わらずこのような称号が与えられるとは思いもしなかっただろう。

「さて、そろそろ私も食事を取らせてもらおう」
 関羽は一通り話を聞くと、ゆっくりと立ち上がった。それを、ロイテホーンが呼び止める。
「そうだ、言い忘れていたことがあった」
「む?」
「第2回さばいぶの日程と内容についてだが、関羽タイムを1日2回に増やすというのは……」
「むぅん!!」
 ロイテホーンが船の天井を突き破り、ロウンチ島へと飛んでいった。


担当マスターより

▼担当マスター

萩栄一

▼マスターコメント

萩栄一です。初めましての方もリピーターの方も、今回のシナリオに参加していただきありがとうございました。
抽選段階での数が今まで未経験の数でプレッシャーも感じましたが、いざ書き始めると楽しく文字を打ってました。
楽しすぎて、イベントシナリオにしては文章量がやたら増えちゃいました。中だるみしてたり尻すぼみになってたりしたらごめんなさい。
今回コメディー系シナリオなので、ある程度の無茶も面白いと思ったら通しました。
シリアス系ではおそらく没になるアクションもいくつかあったので、そのあたりは上手く分別をつけていただければと思います。

なお今回、こちらの不備で何点か謝らなければならないことがあります。
ひとつは上に書いた文章量が変に増えちゃったこと。もうひとつはガイドに書き漏らしがあったことです。
「希望アイテムはひとつ」という点と、「キャラがいじられる可能性があります」という点を書き漏らしていました。
今回のようなシナリオだと、執筆時のノリ次第で私は遠慮なくキャラをいじります。
もしそれによってキャラが壊された、あるいはキャラが変な扱いを受けたなどといった不満を抱かせてしまったらごめんなさい。
今回こちらの不備ということで、参加者の方全員に個別コメントでごめんなさいしました。
不満を持たれた方がいましたらどうかこれで許してやってください。次からはちゃんとガイドに書いときます。

そして今回の称号ですが、リアクションに直結した形での付与は優勝者のみになります。
自分ルールで、「一定回数以上連続で私のシナリオに参加してくれた」キャラには称号を付与させてもらってますが、
今回そのルールを適用させていただいた数名の方を除けば、称号は優勝者のみのものです。
個人的には称号が裏オチなので、ぜひ優勝者の方にはしばらくこの称号をつけていただきたいと思います。
そして皆さんはそれを見て、「しょうもなっ」と思っていただければと思います。
ちなみに優勝者や脱落者の判定方法ですが、簡単にまとめると「偏り過ぎない描写量」「オリジナリティー」「書きやすさ」が基準です。
あとは書いてる時のノリとかそういうのもありますが、主にこの3つを元にして決めていきました。

最後になりますが、今回も次回シナリオの告知させてください。
まだ細かい日にちが決まってませんが、11月の上旬〜中旬頃ガイドを公開する予定です。おそらく10日前後あたりだと思います。
ので、そちらもご覧になっていただければ嬉しいです。次回はさすがにこんなにふざけません。たぶん。
詳しい日にちが決まり次第、ブログの方で告知したいと思います。ブログは「萩に地鶏身」で検索していただければ。
今回のリアクションの裏話とかも書くことがあれば後で載せるので、もし興味のある方がいましたら覗いてやってください。
なお、第2回さばいぶ! ですが、今回が好評だったらやろうかなと思ってます。
そんな感じで、長文に付き合っていただきありがとうございました。また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしております。