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秋のスイーツ+ラブレッスン

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秋のスイーツ+ラブレッスン

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 蒼空学園放課後。
 調理室にはわいわいと生徒で賑わっていた。材料や器具を持参している者もいれば、何を作ろうか相談している者もいた。
「参加する人は名前記入をお願いしますわー」
イングリット・ネルソン(いんぐりっと・ねるそん)が入口で参加者確認をしている。こちらで用意する食材もあるし、器具はほとんど貸し出しをするから、誰が使うのか把握しなければならない。
「食材が必要な人はこっちのテーブルから選んで、使うもの書き込んでね。食材代は後から請求するから」
雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)は皆が調理台に着くと、前に立って器具の使い方や棚の場所を説明していく。
「それと……、ルカルカ! ちょっといいかしら?」
「はいはーい」
 雅羅はルカルカ・ルー(るかるか・るー)を呼び寄せて、少し話す。グループ割り振りの結果、その一つのまとめ役になって欲しいとの事だった。
「お願いできる?」
「うん、任せて! もうパティシエ見習いとか卒業するしね」
「ありがとう、何か問題あったら私たちに言って」
 ルカルカはお菓子作りのグループリーダーに選ばれて、やった! と拳を握る。パティシエを目指しているから、光栄だった。
「人手が増えたな。それじゃ、任せる」
 さり気なく二人を通り過ぎた高円寺 海(こうえんじ・かい)がぽそっと言い、ホワイトボードに材料の切り方や基本な事をきゅっきゅと書いていく。
 そうだ、とルカルカは海に話しかける。
「あ、あのさ! 後で海君に味見してもらっていい? 腕はプロ級だって聞いたんだ」
「いいけど。……あんま量食わせるなよ」

「やり方がわからない場合は、ここにあるレシピを見るか”周り”に聞いてくれ。どうしてもって時だけ俺たちに言えよ」
 そう海は釘を刺した。この前パウンドケーキにたかられた時のように、教えて攻撃されるのは御免だ。
 海、イングリット、雅羅、ルカルカそれぞれがグループを取りまとめる事になった。