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タベルト・ボナパルトを味で抹殺せよッ!

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タベルト・ボナパルトを味で抹殺せよッ!

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第九章 究極のメニュー

 勝負は終わってしまえば呆気ないものだった。
 疲れた。
 心身ともに疲れ果てた。
 料理で相手を倒すなど正しい事だったのか?
 何人かはそんな疑問すら感じたのではないか。

「あぁ〜、終わっちまったぁ」
 【コッテリ濃厚トンコツベアラーメン】を作る予定だったベア・ヘルロット(べあ・へるろっと)は肩を落とすしかなかった。
 家庭能力抜群なマナ・ファクトリ(まな・ふぁくとり)と一緒にラーメンを作れば、皆が喜んで食べてくれるラーメンが出来たはずなのに……
 ちょっとした誤った善意が彼女の心を傷つけてしまうとは。
「マナ、すまない……」
 ベアはポツリと呟いた。
 すると、マナは彼の肩を叩いて、声をかけてくる。
「そこまで反省してるなら許してあげる。じゃあ、皆で食べるラーメンでも作りましょうか?」
「えっ? で、でも、ラーメン作りは途中だし……」
 マナは長い髪の毛の掻きあげると白いリボンで束ねた。
「私の料理の腕を過小評価してない? ベア! いつも通りでいくよ」
「お、おう! マナ! いつも通りでいくぞ!」
 ベアらによる【コッテリ濃厚トンコツベアラーメン】は大好評だった。

 疲れきった参加者。
 珍 六三郎。
 御神楽 環菜(みかぐら・かんな)
 ルミーナ・レバレッジ(るみーな・ればれっじ)
 タベルト・ボナパルトに至るまで皆がその味に満足した。
「じゃあ、そろそろ、ラーメンの達人を決めようぜ!」
 ベアが腕を上げると周りは静かになる。
 そして、環菜が彼に歩み寄ってきた。
「決める事はないわ。貴方達がラーメンの達人よ」
「えっ!?」
「……と言うより、この中で最も『家庭的』なあなたにだけどね」
 環菜の指差す先、そこに【ラーメンの達人】に選ばれたマナ・ファクトリ(まな・ふぁくとり)がいたのだ。
「わ、私がラーメンの達人!?」
 ワアアアアアーーー!!
 一際、大きな歓声があがった。

 皆は達人らを祝福する中、パチパチパチと桐生 ひな(きりゅう・ひな)も拍手していた。
(いい話ですぅ〜。も〜う、どうして、ナリュキとつかさがここにいないのよ…………ッツ!!?)
 その時、彼女は思い出した。
 秋葉 つかさ(あきば・つかさ)ナリュキ・オジョカン(なりゅき・おじょかん)がどこにいるのか。
 そして、『乙女マヨラーメン』というラーメンがどうなっているかをだ!!?
 急いで厨房に戻ったひなは鍋の蓋を開ける。
 白く濁ったスープの中につかさの姿もナリュキの姿も見えない。
 怪しげな骨がスープの上に浮かび上がっている。
(と、溶けちゃった……)
 あまりの出来事にひなは発狂し駆け回った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁですぅぅぅううっつ〜!!!!」
「ズズッ、ズッズッ……あれ、ひなは何を騒いでいるのじゃ?」
「さぁ? まぁ、面白そうだからほおっておきますか?」
 だが、つかさもナリュキもすでに外に出て、『乙女マヨラーメン』を食べていた。


 たかが料理。
 されど料理。
 そんな身近な存在だから、人は心を惹かれるのだろう――

担当マスターより

▼担当マスター

サナンダ アナンダ

▼マスターコメント

 どーも、サナンダ アナンダです。
 サナアナのシナリオへのご予約の皆さん、ご参加の皆さんありがとうございました。
 今回、書き方をネット小説風に変えてみましたが、いかがだったでしょうか?
 そして、皆様のおかげで実に多彩なラーメンを見る事が出来ました。
 それでは、またお会いできる時を楽しみにしております。