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【ろくりんピック】こんとらどっじは天使を呼ばない

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【ろくりんピック】こんとらどっじは天使を呼ばない

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 エピローグ 夕空の下で
 
 
《西シャンバラチームの勝利です!》
『長い試合だったネ。もう夕方になるワヨ〜』

 スタジアムの天井が中央から2つに割れていく。そこから見えるのは、朱い夕空。
 救護の必要の無い選手がコートの中央に並び、お互いに礼をする。そして、ボールをぶつけた者、ぶつけられた者、代王の写真をGETした者、むきプリ君の写真を押し付けられた者達が、お互いに余ったスポーツドリンクを交換して健闘を称えあう。
 全力で臨んで得た結果である。遺恨がある筈も無く。
 でもまあ、悔しくないわけもなく。
『今日の試合は、どうでしたかぁ?』
「こ、こんなはずでは〜……勝った時は、皆さんで胴上げして喜び合うつもりでしたのに〜」
 ウグイス嬢のヘリシャにマイクを向けられ、レロシャンががっくりとして言う。そこに、エリザベートがミリアと一緒にやってきた。応援していたエイボン著 『エイボンの書』(えいぼんちょ・えいぼんのしょ)も一緒だ。
「負けたら胴上げしちゃいけないなんてルールはありませぇん〜。皆で胴上げしましょう〜。私を!」
「「「「「「「え……?」」」」」」」
 観てただけだよね? 団長は観てただけだよね? 応援もしてなかったよね?
「皆、疲れてますからぁ〜。私が1番大変な役をやってあげますぅ〜」
「エリザベートちゃん!」
 明日香がエリザベートの首に飛びついた。
「試合、見ててくれてうれしいです〜!」
 チアガール姿のミリアに、涼介が声を掛ける。
「ミリアさん、今日は、応援に来てくれてありがとうございます。負けてしまいましたが……あの……試合、楽しめましたか?」
「楽しかったですよ〜。本郷さんのシュートも格好良かったですわ〜。本郷さんはスポーツもできるんですね〜」
 ミリアが言うと、涼介は顔を赤くして頭を掻いた。
「え、はい……、ありがとうございます」
「ところで、この姿、変じゃないですか〜?」
「似合ってます! すごく似合ってますよ!」

「あっ、みんな!」
 勝利に湧く西シャンバラチームの選手達。そこにやってきた4匹のティーカップパンダを見て、繭螺が手招きする。ロウファとレンファとパイファとランファはぴょんぴょんぴょんぴょんっ! とメガホンを振って、皆の前でおめでとうのダンスを踊り始めた。
 それは大画面に映し出され、帰宅の途につく観客達にほっこりとした笑顔をもたらした。

「ミュウちゃん!」
「ママ!」
 ミュウが望とセシリア、メイベルとフィリッパから離れて母親の元に駆けて行く。
「もう……心配したじゃない。でも良かったわ、見つかって……。みなさま、ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます」
「どういたしましてですぅ」
「セシリアお姉ちゃん、バイバイ!」
「え、僕?」
 セシリアはびっくりしたように自分を指差してから、苦笑した。
「うん……バイバイ」
 遠ざかっていく母娘から、こんな会話が聞こえてくる。
「ママ、ミュウも大きくなったらろくりんピックに出るよ!」
「そう……でも、もう少し安全な種目にしましょうね」
「えーーーー、ドッジボールがいいーーーーー!」

「ロートラウトさん! 大丈夫!?」
 ファーシーが工具箱を持って車椅子を走らせてくる。言葉と裏腹に、何だかすごく嬉しそうだ。わくわくしている。事情を知らずとも嫌な予感がひしひしとして、ロートラウトは後退った。
「え、なんでそんなに目が輝いてるのー!?」
「早く直さなきゃ! こっち来て!」
「い、いいよ! ボクは顔面だから……! 帰ってから直すから……!」
「まあまあ、そう言わないで。まだ見習いだし、お金は取らないわよ!」
「む、それは助かるな……」
 エヴァルトが悪くない、という顔をして言う。
「ちょっとー!? 止めてよーー!!!」

 テレビ放送のスタジオ。弓なりになったテーブルに、女性アナウンサーが座っている。
『……ということで、ドッジボール競技にて勝利した西シャンバラチームのMVPは、緋山 政敏(ひやま・まさとし)さん。準MVPには騎沙良 詩穂(きさら・しほ)さんが選ばれました。緋山さんは、あの精神攻撃を打破した決定的な一言を発したということでMVPに選ばれたわけですが……勝利したチームには好きな人の膝枕というのは本当なのでしょうか』
『本当であれば、私も出場したかったですねえ。しかし、膝枕ですか……。両思いの相手であれば、勝利のご褒美にそのくらいするんじゃないですかねえ。片思いであれば……彼が袋叩きに遭うかもしれませんが』
『……つまりは、嘘ということですね』
『そういうことですねえ』
『準MVPの騎沙良さんはどうでしょうか。彼女が多くのシュートを受けたことでアウトになる選手が減り、チームの勝利に貢献したと言えるのでは』
『騎沙良さんは素晴らしかったです。ただそれを言うなら、東シャンバラチームのキリカさんも頑張ったと思いますよ。勝利していれば、間違いなくMVPだったでしょう。私の印象では、今回……東は個性に溢れすぎていたような気がします。見ていて非常に楽しいですが、チームプレイをする場合はそれがネックになったんですね』
『はあ……なるほど……。ところで、途中で宣言されていた写真の進呈はどうなったのでしょうか』
『あ、あれは配られたようですね。正式な賞品ではありませんが、まあ良いんじゃないですか』
『そうですね。嵩張るものでもありませんし』
『いえ、あれは嵩張りますよ。結構……』
『?』

「翡翠ちゃん!」
 男子更衣室に、悠希が飛び込んでくる。ブルマを持っていた。翡翠だけでなく、他の男子選手もぎょっとした。何せ悠希は、女子だと思われているわけで。
「え、え? 西チームは勝ちましたよ!?」
 翡翠はそう言って誤魔化す事を試みたが――
「ボクには負けましたよね! ほら、自分で言い出したことなんだから潔くはいてくださいっ!」
「ブルマは私の提案じゃないじゃないですか! というか、何ですかその携帯電話!」

 そうして、翡翠のブルマ姿は悠希の携帯電話に保存されたのであった。

担当マスターより

▼担当マスター

沢樹一海

▼マスターコメント

マスターの沢樹一海です。この度も遅れてしまいまして、本当に申し訳ありませんでした。数日後に次シナリオが控えていたり、東西の得点が絡んでいたりというのもあり、ご心配をも掛けてしまったのではないかと反省する次第です。

スポーツって難しいですね……。
ドッジボールならまとめて出来るからなんとかなるぜヒャッハー! と思っていたあの頃の自分を呪いたいところです。
なぜ全滅ルールにした、私……!!!!
全スキル採用……を目指しましたが、1部の方はカットされている技もあったと思います。それはアクションが悪かったということでは決してなく、ただ、私が力尽きただけですのでカットしてしまった皆様は申し訳ありませんです。

まあそれはともかく。
熱血、コメディ、恋愛、エロ、その他と、様々な要素の入ったお話になりました。それぞれのパート、非常に楽しく書かせていただきました。
私らしいっつーのも何かアレですが、そんな感じのリアクションになったかな、と。これからも、遊びとかも加えつつ肩の力を入れたり抜いたり締め切りを気にしたりしながら書いていければ、と思います。

少しでも楽しんでいただけたら、幸いです。

また、選手としてご参加いただいた皆様には、個別称号の他に
西シャンバラチーム→【理子の写真を持っている】【セレスティアーナの写真を持っている】
東シャンバラチーム→【むきプリ君の写真を持っている】
の称号を配布いたしました。嵩張るとは思いますが(特にイーシャン)、ネタ称号としてご査収ください。LCにまで配布してますがご査収ください。
もしミスってたらサポートよりご連絡ください。

ちなみに今回、MVP称号の他に準MVP称号を発行いたしましたが、こちらはろくりんルールとは関係無く私が個人的に発行した称号になります。

それではでは。

また3日から気合入れなおしますので、そちらの方もよろしくお願いいたします。

※9月24日 スキルについてミスがありましたので一部修正、再提出致しました。