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もみのり

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もみのり

リアクション

「ああ、せっかくの拳聖が……」
 みすみは、新しい英雄クラスと戦い損ねたことを残念がっていた。
「みすみちゃん、あれはダメな拳聖ですからぁ。またもっとまともなのが現れますって〜」
 彼女をカバーしながらモヒカンたちを狩っていっているのがレティシア・ブルーウォーター(れてぃしあ・ぶるーうぉーたー)だ。
 ワイヤークローを改造した釣竿で吊り上げたモヒカンたちを一通りしばいてから、ミスティ・シューティス(みすてぃ・しゅーてぃす)にタッチする。
「飽きたからあとよろしくですぅ。あたしはみすみちゃんと遊んできますわ。さ、いきましょう」
「あれが英雄クラス、あれが拳聖なんて、そんな……」
 ショックを受けまだぶつぶつ言っているみすみを引っ張って、レティシアはワゴンの中に戻っていく。
 竿にぶら下がりながらもがくモヒカンたちを見やって、ミスティはクスリと微笑む。
「あなたたち、どうしてここにぶら下がっているかわかる? そもそもね……」
 彼女の説教は数時間続くことになるのだ。


「……」
 鬼崎 朔(きざき・さく)は、周囲で暴れていた下っ端モヒカンの最後の一人に、容赦なく無言で止めを刺す。
 あっという間に片付けた死屍累々の山を見渡しながら、ポツリとつぶやいた。
「みすみ、あの程度で元気を失わなければいいんですけど……」
 朔がみすみの前に姿を現す日は来るのだろうか……。

 なんだかんだで、とりあえず事件は解決したようだった。 責任と恐怖からこれまで以上に元気を失った真利子を除いては……。