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リアクション
プロローグ
「みつからねえなあ」
通りを行く人々を見つめて、疾風のハヤテはぼやいた。
「どこに隠れてるのかなあ? ウサギ小僧の奴」
葦原の正月。
大通りは、晴れ着を来た人々でにぎわっている。大店の店先には門松。家々には軒飾りが飾られ、華やかな通り
をさらに鮮やかに彩っている。蒼空にはいくつもの凧が飛んでいるのが見え、どこからか、餅をつく賑やかな声が
聞こえて来る。
その、華やかな喧噪の中、ハヤテは、竜胆ともに義賊のウサギ小僧を捜していた。しかし、探せども、探せども、
その姿はようとして知れない。ハヤテはだんだんひもじくなって来た。そしてこっそりと、ぼやく。
「こんな事なら、出かける前におせち食っとくんだった」
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