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第14章 VS犯人 その2

 ♪ぽぱぱー、らぱぱぱー。
 ♪ぱぱぱー、らぱぱぱー!
 大音響と共に、ド派手な戦艦風フロートがパレードに近づいてきた。
 その名もアキラ・アキラ(あきら・あきら)の開発した『デスティニー虹色戦艦トマヤ』!
 同乗しているのはマッキ―とマニーの着ぐるみを着たマルティナ・エイスハンマー(まるてぃな・えいすはんまー)メルキアデス・ベルティ(めるきあです・べるてぃ)
 オズの魔法使い姿の林田 樹、緒方 章、新谷 衛たちにホック船長姿のヴァイス・アイトラーとセリカ・エストレア、更には木賊 練を探して迷子になっていた彩里 秘色(あやさと・ひそく)も侍姿のまま乗っている。
 ♪ぱぱぱぱらっぱぱ、ぱぱぱぱらっぱぱ!
「さあ、アレが犯人たちの乗ったフロートだ。このトヤマが観客と犯人の目を引きつけている間に、人質を救出してくれ!」
「おー!」×乗員
「そして犯人を射殺だ!」
「いやそれはまずい!」×乗員
 物騒な事を言い出すアキラを慌てて止める乗員。
 その間に白波 理沙たちと想詠 夢悠と瑠兎子、多摩 黄帝と穿蛇亜 美々衣たちは犯人のフロートに乗り込んで行く。
「雅羅!」
「あら、理沙じゃない。どうしたの?」
「全く仕方ないわね、デゼニ」
「げ、美々衣」
 意外な場所で出会った友人の顔を見て、驚く雅羅と三二一たち。
「げ、じゃないわよ! こんな所で何やってるのよ! 周年が終わって気が緩んでるんじゃない?」
「何だよ、あんたこそ最近仕事選んでないって言うじゃん」
「関係ないでしょ」
 早速言い合いになる三二一と美々衣。
 その様子を見ていた瑠兎子は気付いた。
 三二一も雅羅も、これを本当のパレードだと誤解している!
「さあ、早く逃げ……もごご」
 瑠兎子は夢悠の口を慌てて塞ぐ。
「ほら、今こっちで大掛かりなショーをやってるから、雅羅ちゃんたちは別のフロートに移動しようね」
「そう。理沙もショーに出演するの?」
 瑠兎子の言葉と理沙の格好を見て、納得したように雅羅が頷く。
「う……ん、そう。是非見ていってね!」
「もちろんよ」
 正直、理沙は雅羅が見つかればあとは犯人をボコるくらいで良かったのだが、雅羅の夢を壊すわけにはいかない。
 とびきりの笑顔で、理沙は答えた。
「さ、話はあとあと。パレードに協力ありがとうございました! あとはこちらのフロートでショーをお楽しみください!」
 かしこまった口調で三二一たちに告げる黄帝。
「そっかあ。色々楽しませてくれるんだねぇ、う゛ぁる」
「あ、ああ……」
「わーい、マッキーもマニーもガンバレー!」
 目前で繰り広げられるショー? に目を奪われつつ、葛とヴァルベリト、サオリたちもいそいそと別フロートに移動した。

「ボクは正義のマッキー! 夢がなければこの世は末期! 闇に落ちたマッキ―よ、覚悟!」
「わ、私はマニー。世の中マニー! よ、宜しくね☆」
 着ぐるみを着たメルキアデスとマルティナが、それぞれ練習してきたマッキーとマニーのキャラを演じる。
「……でも、どうしますの? 相手は人質を取っていますわよ」
「よーし、あっちが人質なら、こっちも人質だ!」
「え……きゃ!?」
 突如、マルティナのマニーの肩を掴むと銃を突きつけるメルキアデス。
「闇マッキーよ、このマニーがどうなってもいいのか!」
 いきなりの悪役っぷりに、周りの子供達からブーイングがかかる。
「あのマッキー、ひどーい」
「きっとあっちが悪いマッキーだよ」
「はははっ、正義の味方は何をやっても許されるんだぜ!」
「って、メルキアデス君、仲間相手にあなたはアポですか!」
「ぐわっ!?」
 いきなりメルキアデスの眉間に衝撃が走る。
 マルティナが、ゴム弾を撃ち込んだのだ。
「そ、それも仲間相手に酷くない……?」
「出来る女の強さを見せてあげます!」
 マルティナは意識を失ったメルキアデスを抱え上げると、犯人たちの方に向かって投げた!
 一瞬、犯人の視界が遮られる。
 その隙に、マルティナは犯人に向かってゴム弾を発射する。
「ぐっ」
「うわっ」
 見事命中。
 ダメージは少ないものの、犯人の気が逸れた。
「マッキー、覚悟!」
 ホック船長姿のヴァイスが光条兵器を振りかぶり、犯人マッキーに斬りつける。
 光条兵器は海賊っぽくデコレート。
「ぐうっ……なんのこれしき!」
 強化された手袋で兵器を受け止めるマッキー。
「マニー殿、いくら女性とはいえ容赦しません!」
 彩里のブージが一閃。
 しかしマニーはリボンでそれを絡め取る。
「はははっ、中は男で残念だったな!」