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【第三話】始動! 迅竜

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【第三話】始動! 迅竜

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 伊勢 格納庫
 
 格納庫で味方機の着艦に備えていた吹雪にブリッジのコルセア・レキシントン(こるせあ・れきしんとん)から通信が入る。
「来たわね。伊勢の中を見て文句が出なきゃいいけど」
 ブリッジのモニターで、伊勢に機体が着艦してきたのを確認したのだろう。
 ちょうど時を同じくして、格納庫が揺れる。
 味方機が着艦してきたとみて間違いないだろう。
 ややあって格納庫へと入ってきたのは応龍タイプの機体だ。
 安全位置に退避していた吹雪は、応龍タイプが完全に停止したのを確認し、駆け寄った。
「フルーネ・キャストです。機体修理をお願いします」
「葛城吹雪であります!」
 パイロットであるフルーネがコクピットから出てきて敬礼すると、すかさず吹雪も答礼する。
 応龍弐式の着艦を聞き付け、伊勢に乗艦していた笠置 生駒(かさぎ・いこま)、更には彼女の仲間である{SFM0052824#ジョージ・ピテクス}、シーニー・ポータートル(しーにー・ぽーたーとる)も駆けつけてくる。
「天御柱学院の笠置生駒。よろしく」
「同じくジョージ・ピテクス(じょーじ・ぴてくす)じゃ」
「シーニー・ポータートルやで! よろしゅう!」
 やってきた三人を目の当たりにしたフルーネは、ジョージを見た途端にしばし唖然として視線が動かなくなる。
 それに気付き、ジョージは問いかけた。
「そんなにワシに整備されるのが不安かの?」
 流石に答えに窮するフルーネに吹雪が告げる。
「大丈夫であります。ジョージは生駒の相棒で整備の腕も彼女と同じく十分であります。彼女たちの乗機であるジェファルコン特務仕様の整備も行っているのでありますよ!」
 それを聞いてどうにか安心したのか、フルーネは即座に損傷個所を吹雪や生駒たちに伝えていく。
 そして、自分も整備を手伝い始めた。
「イコンにお詳しいようでありますな」
 修理を進めながら吹雪が水を向けると、フルーネは即座に頷く。
「おかげで修理が速く済みそうであります」
 言葉を交わしながら修理を進めていく二人。
 二人の修理技術もそれなりのものだが、やはり生駒たちの技術は凄まじかった。
 ヒラニプラ、ツァンダと二度の戦いにも同行し、戦場でイコンの修理補給を行ってきた彼女の超スピード作業は今回も冴えわたり、すぐに応龍弐式は万全の状態へと戻る。
「はい。完了ですー」
 生駒が修理を終えると、応龍弐式は快調な駆動音をたてて待機状態になる。
「ありがとうございました」
 修理を終え、再び敬礼すると、フルーネはコクピットへ乗り込んだ。
「どうかご無事で!」
 吹雪も再び答礼すると、安全位置まで素早く退避する。
 それを見て取ったフルーネは応龍弐式を歩かせ、伊勢のカタパルトに乗せた。
 そして、応龍弐式は再び出撃したのだった。