リアクション
◇ ◇ ◇ 全体的に酒臭い空間になった宴会場に突如下っ端が勢いよくなだれ込んで来た。 「た、大変です! 砦外で応戦していた仲間が全滅しました!!」 「な、なに!? あっちには数十人単位で何度もやったんだぞ!」 下っ端の報告に動揺するダオザのメンバー。 そこへバキィッという何かを破壊した音が聴こえてくる。 なにがあったかと固まっているダオザに、拘束されていたハズのフェイミィがセラミックフォースで強化された裸拳によって吹っ飛ばされた。 「な、なぜ拘束帯が!?」 「さぁ、反撃と行かせてもらうぜ?」 「サービスタイムは終わりよ……現実に絶望しなさい」 リネンは胸の谷間の奥に隠していた騎獣格納の護符からアーリエの剣を取り出し、エアリアルレイヴをかます。 あちらではフェイミィの裸拳が、こちらではリネンのエアリアルレイヴがと辺りは一気に戦場と化した。 徹底的に残忍に、見せしめも兼ねて晒し刑にしてやるという勢いで次々に倒していく二人。 「げぶっ!?」 フェイミィとリネンの暴れ具合にダオザの目がそちらへ行った時、アリアンナは近くに居た男の股間を思い切り蹴り上げた。 痛みに撃沈した男から離れ、ロレンツォに自分の身体の中から取り出した光条兵器を渡すアリアンナ。 「あちらの光条兵器は奪ったのに、私の光条兵器を奪わないなんて間抜けだこと」 「もう一生子供ができない身体にされてしまうかもアルね、アリアンナが相手だと。脚力、すごく強いモノ」 受け取った長剣型の光条兵器でさくさくとダオザの服を切ったり、一部切らずに残したりと動きを鈍くさせていったロレンツォ。 「あいつの光条兵器を奪うのは忘れたが、こっちの方の武器はこっちにあるんだぜ? 剣がない花嫁なんて無力だろ。あははは!」 「あら、残念でしたわね」 ユーベルは微笑んで油断している男に向かってサンダーブラストを放った。 騒動の隙に芭柘美はダオザの面々が食していた食器の中からテーブルナイフをいくつかスって毒を塗っておく。 それを身体のあちこちに仕込んでいた所、押されていたダオザが芭柘美の首にナイフを突き立てた。 「う、動くな! このチビがどうなっても良いのか!?」 「……ちっこくて悪かったね!」 自分でも気にしていた背が小さい事を言われキレた芭柘美は、先制攻撃をもって毒付きナイフで傷を付ける。 そして追い打ちのようにリネンが真空波で思い切りその男を切り倒した。 …………… …………… あらかた片し終え、ダオザの山が出来あがる。 「あーすっきりした!」 「これくらい痛めつけておけば、女性に触りたいと思うこともないわね」 「ハーレムなんて分不相応な望み、潰えたかしら?」 「ともあれ、女性は、口説くものであって攫うもの、ナイよ。はじめから方向性間違ってる! 暴力ずくなんて野蛮人のすることだし、そもそも駆け引きの楽しみも味わえないヨ」 好き勝手言い合う即席の仲間に、芭柘美は子供たちの救助へ行く為に彼女らと別れた。 |
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