リアクション
廊下をただただ突き進んでいた竜斗。 ◇ ◇ ◇ 騒動の裏で隠密に行動するリリンキッシュ・ヴィルチュア(りりんきっしゅ・びるちゅあ)とアンネリース・オッフェンバッハ(あんねりーす・おっふぇんばっは)。 リリンキッシュは従者の新人類を、アンネリースは力仕事要員として超人猿を連れてきた。 「物資を調達するため、アンネ様と共に別所に立ち寄ってましたら……摩耶様……ッ!! 盗賊共……皆殺すべし、慈悲は無……ひゃふぅ!?」 「落ち着いて下さいませ、リリン様。冷静になることが大事です」 殺気を全身から漲らせるリリンを、耳や首筋に息を吹き付けることで落ち着かせるアンネリース。 「……あ、熱くなりすぎました……。ともあれ救助に参ります……!」 隠密行動と子守唄を駆使して奥へと進んで行った。 ◇ ◇ ◇ 装備も引っぺがされて丸腰になったソフィア・クレメント(そふぃあ・くれめんと)が、現在の戦闘力や敵勢力等々を加味して自身のコンピューターで勝算を計算した結果、ほぼ不可能の数値が出た為、この場から機晶姫としての機能をフル活用し、電子戦でフェリクスに情報を提供していた。 バチィ!! 支援をバレないようにしていたが、モヒカンのブサメンがソフィアの太ももを撫でてきた時、電撃をプレゼントした。 「どうせならイケメンに迫られたいですわ。それに、できれば剛太郎ではなくイケメンに助けられたいところでも……」 そこへ外部陽動の隙を見て侵入していた竜斗とミリーネが部屋に入って来る。 下っ端に吐かせた情報は間違いなく、そこには麗とユリナがいた。 「麗! ユリナ!!」 「お父さん!」 「竜斗さん」 「無事でよかった……」 麗とユリナをまとめて抱きしめる竜斗。 それに安心したのか麗は泣きだしてしまう。 「ね、大丈夫だったでしょう? ちゃんと竜斗さんは来てくれましたよ」 「うん……」 優しく頭を撫でるユリナに、麗の涙はさらに流れるのであった。 |
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