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リアクション
イライラ度MAXな侵入者
ダオザの砦内の通路にて。
二度とアホな事を考えないようにと斬って、殴って、蹴って、強引に進む不機嫌なグレン・フォルカニアス(ぐれん・ふぉるかにあす)。
「最悪だ。あぁ、最悪だ。敵が何人いようが関係ねぇ。こっちは機嫌が悪いんだ。二度とアホな事を考えないように、後悔させてやる……」
バーストダッシュの勢いをそのままに蹴りつけ、そのまま後方の男を切りつけるグレン。
気迫迫る表情に許しを請う者も現れるくらいだ。
「悪いな。手加減する気はねぇぞ」
「君、ホンマにそう思っとるん? 嘘はあかんなぁー♪」
許しを請うた男を馬鹿にするように笑うアフィヤ・ヴィンセント(あふぃや・ゔぃんせんと)。
「なぁ、盗賊の団助の皆さんー、ハーレムでどうするん? だって、ハムとレバーなんて組み合わせは誰も好かんやろ?」
「ハムとレバーじゃねぇ! ハーレム! 女の子いっぱいのうはうはパラダイス!!」
「あぁー! そうなん? いやぁ、君達がな? あんまりしょーもないオムツをしとるから、なんやひもじくしとるんかと思ったわー」
「こ、こいつ……!」
「おー、怖い怖い♪ よりけったいな顔をしとるわー♪」
ダオザの神経を逆なでするように嘲笑うアフィアに逆切れをした男が攻撃をするが反対に倒される始末。
アフィアはニヤニヤ小馬鹿にしたような笑みを浮かべ、どんどん相手をイラつかせていった。
「なんや、グレンも機嫌が悪いしなー? まぁ、みのりとアルマー助けるやろうし? 僕は僕でー、やりたい放題しようと思っとりまーす♪ ほな!」
イラつかせるだけイラつかせてアフィアはこの場から去っていく。
勝手に去って行ったアフィアにグレンは怒ることもなく、残った雑魚を殲滅しつつ奥へ奥へと進んで行った。
◇ ◇ ◇
『こっちは脱走できたよ』
『何か酷い事、されてないよな?』
『それは後で、フェリ兄にぎゅーってしてもらうから大丈夫。それより』
『なんだ?』
『うちは攫われた子供たちを助けに行くから、フェリ兄はジェイコブさんだっけ? 彼と一緒にタン・ユをぼこりに行ってよ』
精神感応で芭柘美と会話をしつつ、ジェイコブが周囲の気配を探りながら奥へ進んでいくフェリクス。
次第に念話でのやり取りでお互いの主張が通らず押し問答が始まった。
はたから見れば、フェリクス一人が百面相とまではいかないが表情がころころと変わっているように見える。
フェリクスは芭柘美の救助へ、芭柘美はフェリクスにはタン・ユ撃破をと押し問答が続いていたが、やがてフェリクスが折れタン・ユ撃破することで話しはまとまった。
疲れた表情で一つため息をつく。
「おい。なんかあったのか? おまえのパートナーと」
「ちょっとな。救助よりも頭を叩けと言われてしまった」
「良いのか?」
「こうと決めれば梃子でも動かないんだよ、芭柘美は……」
疲れた表情で言うフェリクスに何かを悟ったジェイコブ。
そこへ剛太郎に渡されたソフィアとの無線機で連絡を受ける。
【こちら陽動隊。外の制圧は完了した】
【了解】
【ソフィアからの連絡を自分を挟まず、直接そちらでやりとりしてもらうようにしても大丈夫でありますか?】
【大丈夫だ。ロスも少なくて済む】
【分かった。では、そのようにソフィアに伝えておく】
無線が切れ、しばらく進んだ所でソフィアからコンタクトがある。
それはただの通信確認の為、すぐに切れた。
「急いでタン・ユを殴りに行くぞ」
「そうだな。それが済めばおまえも安心して救助に行けるしな」
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