リアクション
1月4日、昼過ぎ。
百合園女学院に、生徒会関係者が集まっていた。
元旦の日の出までの時間に、催しの片付けはほとんど終えていたけれど。
新学期を迎える前に、自分達の学院を綺麗にしておきたいから。
生徒達は自主的に集まって、掃除を行っていた。
「学園祭も、忘年会もとても楽しかったですわね」
「百合園女学院は閉鎖的なところがありましたから、こういったイベントをこれからも行っていければいいですわね」
年末に大掃除を行っていたため、さほど掃除に時間はかからず、夕方には生徒会室に集まって、生徒達は雑談しながらお茶に興じる。
「そういえば、学園祭での願いですけれど……。忘年会の開催と、静香さまの願いは叶えられましたよね。あともうお一方――優子お姉様のパートナーの、ゼスタ・レイラン様の願いは、どうなりましたの?」
「百合園の教師になってもらって、春から白百合団のコーチをしてもらうかもって話だけど、このパラミタ本校で授業を行うことはないみたい」
生徒の問いに答えたのは、校長の桜井静香だった。
「そうですか、安心しました」
「それは良かったです。男性がいますと、落ち着けませんもの」
「いえ、女性だけではルーズになりすぎますから、生徒達が奥ゆかしさと恥じらいを失わないためにも、男性教師くらいいてほしいものですわ」
「ただし、文武両道で名門の王子様系に限りますけれど!」
「服飾や、美術のモデルを頼めると思いましたのに!」
生徒達の反応はまちまちだ。
「学校行事や職員会議の時とか……んー、大体月に1度くらいはこっちにくると思うから、皆よろしくね」
「教職員にも男性は他にいませんし、居辛いかもしれませんわね。積極的に話しかけて百合園に馴染んでいただけるよう、私達も努力いたしますわ!」
そう答えた白百合団員の女生徒はとても嬉しそうだった。
ゼスタの教師就任には、反対意見も少なくはないが、概ね生徒達も好意的なようだった。
「そういえば、学園祭と忘年会の写真があるのですが、せっかくですから皆が閲覧できるようにしませんか?」
デジタルカメラや携帯電話で撮影された写真は、今は生徒会のパソコンの中に収められている。
学園祭の出し物の写真、訪れた人々の写真。
表彰式の写真。
忘年会で、壇上に立ち愛を叫ぶ青少年。
年明けと同時に打ち上げられた花火を、目を輝かせながら見上げる若者達。
屋上で肩を寄せ合い、初日の出を眺める恋人達――。
沢山の一瞬一瞬の思い出が、写真として残されている。
「そうですね。アルバムを作って、図書館に置きましょう」
「ええ、インターネットでも閲覧できるようにしましょう!」
次の仕事を見つけて。
生徒達と静香は、再び作業を始める。
2023年もまた、性別も種族も所属も関係なく集まって。
賑やかで楽しい一時を送れますように!
【マスター合同シナリオ】百合園女学院合同忘年会!にご参加いただき、誠にありがとうございます。
こちらのシナリオは、森水鷲葉、有沢楓花、川岸満里亜の3人で担当させていただきました。
担当ページにつきましては、以下となります。
1〜27ページ 森水鷲葉
28〜46ページ 有沢楓花
47〜61ページ 川岸満里亜
■担当マスターより
【森水鷲葉】
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
【忘年会】を担当させていただきました、森水です。
皆様の、1年をふりかえる様子、書いていてとても楽しかったです。
2022年、いろいろなことがありましたね。
マスタリングも年をまたいでのものとなり、いろいろと感慨深かったです。
本年も、皆様と一緒に蒼フロを盛り上げていければと思います。
何卒よろしくお願いいたします!
【有沢楓花】
有沢です。今回は【年越し】の時間帯を担当させていただきました。
学園祭に引き続きましてご縁があって参加された方も、そうでない方も、ご参加ありがとうございました。
友人や恋人と、もう少し話してみたい人と。そんな方たちとのひとときをお手伝いできましたなら幸いです。
最後になりますが、新年のご挨拶を。
あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
【川岸満里亜】
今回はほぼ、マスターNPC絡みの話を担当させてただきました。
PC同士のお話しも、興味深く、楽しみながら描かせていただきました。ご参加ありがとうござます!
PCやPLさんの今年の抱負をいくつか拝見できまして、今年の皆様のご活躍がとても楽しみになりました〜、ふふ。
本年もどうぞよろしくお願いいたします!