リアクション
別章 コンロンの世界樹 騎狼が行く。四騎。 騎狼部隊救助班の分隊でも、はぐれた騎狼でもない。 騎狼をゆっくりと駆って、北を目指している。救助班の赴いた廃都群も越えて、砂漠を迂回し雲流れ平野へ……その更に、北を目指すことになる。 メイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)に、セシリア・ライト(せしりあ・らいと)、フィリッパ・アヴェーヌ(ふぃりっぱ・あべーぬ)、ヘリシャ・ヴォルテール(へりしゃ・う゛ぉるてーる)。 「女四人コンロン湯煙旅情……なんて、思っていたのですぅ。けど?」 見知らぬコンロンの土地で、見知らぬ人々との出会い。 「ニーハオ! 私、十一アルヨ! コレ、友情の証ネ!(木刀とか、根性と書かれたキーホルダーとか、タペストリーとか、明倫館せんべいとか)」 えっ。明倫館せんべい?? 「あ、ありがとうですぅ。えっとじゃあこれをお礼に」 シャンバランフィギアを渡す。 「(ム? こ。このフィギアは?) 私たち朋友アル。なにか困ったことあれば助け合うヨロシ! ところで、大きな樹までの道のりをご存知カ? 知ってたら教えて欲しいアルヨ」 「えっ、大きな樹? もしやあなた方も……って。十一? あなたは」 騎狼が六騎になる。 イレブン・オーヴィル(いれぶん・おーう゛ぃる)とカッティ・スタードロップ(かってぃ・すたーどろっぷ)が加わった。 「やっぱり、イレブンさんも同じとこを目指すつもりだったのですねぇ。何か、そう聞こえたような気はしていたのですぅ」 「アイヤー、そーなのアル。あ、いや、そうなのだ」 「何故、中国風商人に?」 「うむ。コンロンという響きだけで、訛りはこんなものかなと。まあ、実際にはそうでもなかったようだが。(ちなみに世界設定は、確かにもともとは『崑崙』が源にあり、崑崙の伝承やイメージなどが下敷きとなったものの、最終的には今唯GMがかなり独断で創っていったらしいぞ。)」 「私のことはわからなかったですぅ?」 「う、うむ。何だか、いつにも増して大人の女に見えたものでな。見違えた」 「湯煙旅情な感じってことなのでしょうかねぇ」 「アイヤー」 「メイベルさん、セシリアさん」カッティがフレイルを取り出した。「撲殺の先輩方、イレブンが何だかよくわかんない感じなので、一つ一緒に、コンロン篇最初の撲殺、どうかな?」 メイベル、セシリアも、メイス、モーニングスターを取り出す。 「い、いや私は正常だ。や、やめてアル!」 第一章のワンシーンを思い出してみよう。そこで二人が呟いていたのが……西王母。コンロンの最も北の果てにあるという、コンロンの世界樹。そこを目指している。 「各国に世界樹はありますが、コンロンの世界樹はどのようなものでしょうね。「西王母」と名前があるから、もしかしたら桃の木に近いのかもしれません」と、フィリッパ。 「地図を見ても世界樹は遠いですし、正確な地図ではないので色々と苦労しそうです」と、今唯GMの描いた地図を見ながらヘリシャ。正確な地図(コンロン公式MAP)は、次回発行される! 一行はこの後、ミロクシャを過ぎる際に、この女性と出会うことになる。 「ワタシ? 九アル。じゃない! ……ナインよ」 ナイン・カロッサ(ないん・かろっさ)。 「ニーハオ。十一アル」 またメイベル、セシリア、カッティの撲殺姉妹が鈍器を取り出したのでイレブンは正常に戻り(撲殺されたともとれる)、 「ウム。ナイン殿はこの方面に派遣されていたか」 「ええ、旧軍閥に接触するため、戦士募集に応募したんだけど。締め切り過ぎちゃっててさ……」 「それはそれは」 「このまま何もなしじゃ帰れないし、隊長にも面目立たないし」 「ウム、ウム」 「そこで、仕入れた情報があってね」 西王母。 「な、なんだってーー!!(イレブン、カッティ) こ、これは世界滅亡の危機!(イレブン) 知ってるよ!(カッティ。そして、イレブンを撲殺する。)」 「イ、イレブンさん? 大丈夫? 血が噴き出てるけど」 「ウム。今回の旅は、大変そうだ。ともあれ、一緒に行こう。私たち朋友アル」 こうして、騎狼部隊世界樹班?はナインを加え、更に北へ。 ミロクシャでは夜盗に絡まれたが、イレブンが持ち前のスキル中国風商人を発揮し、無事切り抜けた。 ボーローキョーは危険と踏んで、迂回を試みたのだが…… ♪コンロンコンロンコンロンロン 楽しいコンロン 愉快なコンロン ぽくぽくちーん 「ウム……お経が聞こえてくる。ボーローキョーの関係者か? まずいな」 「少し隠れて様子を見てみましょうかぁ」 「そうしましょう。ほら、急いで」 ♪コンロンコンロンコンロンロン 楽しいコンロン 愉快なコンロン ぽくぽくちーん ぽくぽくちーんとしている盛り髪の女の子は、見覚えがある。 それに、その後ろについてきている弁髪ダリ髭は、見忘れようもない。更にその後ろに続くドレッドの髭も、イレブンにとっては忘れ難い。「おお、あれらは……」 その三人は巡礼よろしく神妙な面持ちで歩いていたが、弁髪が突然、くねくねと気味の悪い動きをしだし、 「ハァァァァァァもう我慢できないでありますーーーー!! ハァァァ!! ハァァァ!!」 いつの間にか本隊から姿を消していた第四師団の軍師マリー・ランカスター(まりー・らんかすたー)であった。 「ちょっとマリちゃん、真面目にやってよ、もう!!」 ぽくぽくちーんをやっていたカナリー・スポルコフ(かなりー・すぽるこふ)。 「このわて、秋葉原四十八星華の一人としてさぁ、コンロンの亡霊たちを慰労コンサートに来たであります! それが何をこんな辛気臭い巡礼じみたことをやっとらんといかんのであります!」 「マ、マリちゃん落ち着いて。前のシリーズの戦死者を弔いに、天界へ続くというコンロン山に巡礼に来たのでしょ!?」 「ハァァ? そうでありましたかな。どっちも違う気がするでありますが、まぁいいでありましょう、たまには」 「……フ。第四師団軍師の仕事をしなよ。マリちゃん」 「ハッハァァ。どーまんせーまん、このいっちょまえに突っ込みとかするようになったでありますな! わては、わては嬉しいでありますぞ!! ハァァァ」 「い、痛いよ、マリちゃん。どさくさに紛れて、カナリー様まで、我を殴ってイジメないでよぅ。 ……フ。(LCというのも疲れるな。)」 そこへ、 「蘆屋 道満(あしや・どうまん)! 久しぶりだな」 「……フ? 確か、おまえは」 「十一アル」 カッティ、メイベル、セシリア、マリー&カナリーが、鈍器を取り出した。イレブンは撲殺されつつ、 「そ、それはそうと。軍師マリーのパートナーになっていたのだな。 マリー、第四師団軍師の任務を放棄して、ここで何をしていたのか?」 「わからん」 「さすがだな。マリー、カナリー、それに道満。私たちの仲間にならないか?」 「いいだろう」 「カナリーは、旅の記録担当でーす。 セーブデータは任せて〜♪ でも、蒼空のフロンティアにリセットボタンはないよ? ならセーブデータは意味がない? いやドキュメントとして、いや記憶として永遠に残りつづけるものだよ」 「そういえばだいぶ長い時間、冒険を続けているな。 おせっかいかもしれないがちょっと改頁してはどうだ?」 いいえ? そうか。ま、世界滅亡の危機だからな。 |
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