リアクション
ブルタ・バルチャ(ぶるた・ばるちゃ)が現れた。
「ほらぁ! ほらみろよ。ボクをそんな目で見てさぁ。ふふ、どうだい、どうだい、ボクをかわいそうだと哀れんでさぞ君は気分がいいだろうね!」
歩く中性脂肪の塊。ビン底眼鏡がトレードマーク。色欲の塊。煩悩の化身。ストーキング歴=年齢。救いようがない残念な容姿の持ち主。会う人全てに嫌悪感を抱かせる意味では天才的な才能を持つ。ロリコン。(『ブルタ・バルチャのすべて』(発行:ブルタ舎より)
イレブンは剣を振り上げた。
「ほらぁ! あはは、見ろよ! ボクを、ボクを、ぎゃっ」
ブルタは剣を顔面に受け倒れた。
「みね打ちだ。メニエスの使い魔だな? 去れっ」
「ひ、ひどいよ。ボクを、ボクをこんなふうにぶつなんて。うふふ、哀れだろう、ボク……」
皆は、哀れそうにブルタを見つめる。
「なんだか、かわいそうですぅ」
メイベルが前に出る。
「えっ。ボクを、かわいそう、……うっうっなんて優しいんだお姉さん、ぐふふ」
「そうだね。イレブン、いきなりぶつのはいけないよ」とカッティ。
「うん。いくら気味悪いからって……」ナインも言う。
「そ、そうだな。すまん」
イレブンは謝り、ブルタに手を差し伸べた。「どうか許してくれ」
「う、ぐふふ。いいよ、いいよ。こんなボクだもん。仕方ない、さ。(でもあっちの女の子たちに手を差し伸べてもらいたいよ。ぐふふぅ〜〜)」
「そうであります。そうであります。わてのことを可愛い女の子なんて、見る目があるのであります」マリーも、手を差し伸べる。「よく見たら、まあブサイクなのはブサイクでありますが、なかなかいいオトコではありまぬか! ほら、ブルタと言ったか。ブルタや、お姉さんの胸においで?」
「う、うふふ、い、嫌だ! おまえは嫌だ! あっちの可愛いお姉さんがいい!」ブルタはメイベルのおっぱいを指差す。頬赤らめるメイベル。しかし……ゴゴゴゴ、
「ク、ク、……ハァァァァァァァ!! このブルタ、豚め!」
マリーの弁髪ダリ髭が凶器に変わる。
「ヒィィィィ」
「おい、誰かこの豚を縛り上げろであります! 軍法会議にかけるまでもなくっ、死刑であります!! ハァァァ」
こうして一行は、ブルタを西王母の生け贄?手土産?に縛り、連れていくこととなった。