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グリフォンパピーを救え!

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グリフォンパピーを救え!

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終章 その夢の先へ
 多くの生徒たちが電撃を浴びたがプリーストの能力によってやけどは回復しつつある。多くの生徒が洞窟を離れようとしない。みんなの笑顔の輪のなかに、パピーのおだやかな寝顔がある。
 おおきなコリー犬としか表現しようのない、そのやさしく高貴な姿。犬にはない翼がぱたぱた動くたびに、こいつ、飛んでる夢でも見てるのかな、と誰かが言う。
 グリフォンが嫌いなものも犬が嫌いなものも、なぜか、笑顔になってしまう。
「なんだかんだ言って、助けてしまったのう」
 ルビーナも満面の笑顔だ。
 そこへ情報がもたらされた。パピーを狙った特攻機は1機を除き、すべて不時着させ、9人のパイロットを保護した、というものである。
「やつら、全員シャンバラ人だったよ…なにものかに大量の催眠・鎮静薬をくりかえし射たれて、中毒にされたあげく、洗脳された、ね。やつら、うわごとみたいに繰り返してる。グリフォンを殺せ、グリフォンを殺せって」
 クライス・クリンプトが薔薇の学舎の生徒の美意識を忘れたような疲れきった顔で、岩の上に座る。
「言うまでもないが、そのなにものかってやつに命令されたんだろうぜ、パピーを殺せってよ。そして、それを阻止するものも、まとめて殺しちまえってな」
 ロブ・ファインズがやりきれない想いをぶつけるように、ロープを大地に叩きつける。
 生徒たちは怒りをこめて沈黙しながら、なにかがはっきりしていく自分に気づいている。
 パピーを守りたい、いや、その必要はない。それらの考えを超えて、この大陸には、「敵」がいることがわかったのだ。そして、たぶん、その敵は、パピーを殺すことに留まらない何か恐るべき陰謀をめぐらせているのだ。
 彼らには、これまであいまいだったことがあった。
 それは、なぜ、自分たち子供が青春を犠牲にしてまで戦わなければならないのか、という疑問であった。その疑問に答えがでそうな気がした。
みんな、この大陸に、いろんな夢を持って来たはずだな。でも、夢を夢だけで終わらせていいのか、と私は、今、思うのだ。だから…その夢の先にあるものを、みんなで見つけにいかないか
 クレア・シュミットの切実な感情が声になる。
 応えるものも、うなずくものもいない。そして、それが想いを共有するなによりの証拠だった。
 きゅう、という鳴き声に、みんながパピーを見る。パピーのかわいい寝言。左の翼がぱたぱたと動く。つられて全員の顔に思わず安らぎの笑みがこぼれる。

担当マスターより

▼担当マスター

悠崎仁

▼マスターコメント

謎は、まだ解明されていません。
次回をお楽しみに!