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Cf205―アリストレイン―

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11.刃物と銃弾と爆弾の宴
――、一般車両1号車


 破裂音は後ろの車両から聞こえてきた。しかも何やら騒がしい。
「どうやら、キケンブツは後ろの方にあるみたいだ」
 1号車に入るなり、玖純 飛都(くすみ・ひさと)がWLOに告げた。
「なんだと!?」
「急いだほうがいいかも知れない。キケンブツはすでに別のトレインジャックの手中だ」
 勿論事実である。しかし――
 ルイスが命令を部下に渡す。
「全員速やかに後方へ移動、妨害を排除しつつ、目標を奪取する!」
「サー! イエス! サー!」
 彼らが後方へとかけて行く。それを眺めて飛都は呟く。
「うまく相打ちになれよ」


――、一般車両2号車

 破裂音。
 それはガラスの割れる音だった。
「最後のガラスをぶち破れ〜♪」
 乱れた景色を蹴飛ばして、吹雪が参上する。
 3号車でいざこざを起こしている連中を成敗すべく、列車の天井を歩いてこの2号車に入ったのだった。
 だが、運がなかった。
「前方の窓から襲撃者!」
 吹雪はWLOに応戦するはめになった。窓からいきなり現れるたのだから仕方ない。
「なんだか知らないけど、仕方ないね!」
 乱戦開始。
 吹雪は前線に出、アイゼンは後方から砲塔のバズーカで敵を引きつける。イングラハムはその隙に別れて3号車の鎮圧へと向かった。
「やはり、パラミタの……! お前らが関わっていたか!?」
 ルイスは相手が学生だと見て、そう愚痴った。 なにがパラミタの……! なのかはまったくもってわからない。
「先にいって、アレを回収しろ! 邪魔する奴には容赦はするな!」
 つまるところ、誰かさんのせいで、パラミタの学生は全員WLOに敵と認識されてしまったのでした。


――、一般車両3号車

「なんだ! 国軍の襲撃か!?」
 慌てるハデスと咲耶。ドアの向こうから強固な武装をした集団が迫ってくるのが見えたからだ。
「どーするんですか!? 兄様!!」
 慌てふためく彼らをよそに、ドアが切り裂かれる。
 裂け目から現れた影が飛び、アリサへと刃を振り下ろす。刹那の一刀――
 ガチリと、金属のぶつかり合う音が響いた。
「まったく……あぶないですね」
 【斬手】で刹那の【轟雷閃】を弾きながら紫月 唯斗(しづき・ゆいと)がアリサを守るように立ちふさがる。
「あなたは……」
 アリサは今まさに彼を見たという表情をする。監視という名目上でずっと付き添っていたというのにあんまりな反応だった。
 ちなみに、「もらうといい。恋人への手土産になりますよ」と言ったのは唯斗だったりする。つまり、ずっといました。
「わらわの仕事を邪魔するでないわ……!」
 【柳葉刀】を揺らめかせ、裾から《毒虫の群れ》を放つ。
「今のうちにアリサを連れて逃げるんだ」
 雷光まとう手刀を振るい、刹那に応戦する。素人の武装集団かと思えば、素早い。なかなかに厄介な相手が混じっていると感心する唯人だった。
「逃げるたって、後ろには爆弾が仕掛けられているぞ?」
 佐野がどうするんだと訊く。
 前からはWLOが迫り、後ろにはオリュンポス。更に後方では十字教団。おまけに殺人鬼までいる。外は異空間にて身投げで下車することもできない。どこへ逃げろというのか。
「なら上に逃げるしか無いでしょう」
 フレリアは天井を指していた。