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リアクション
ヒーロー全員の必殺技によってレオング将軍を華麗に撃破。
司会者達はヒーロー達を隠すように舞台前に立ち、ショーは終わりを迎え始める。
「やったー、勝ったわ」
春美は嬉しそうに歓声をあげる。
「これもみんなのおかげだぜ」
ウォーレンは子供達に礼を言う。
「正義は必ず勝ちますわ」
アデリーヌは、力強く言った。
「スカイレンジャーの戦いはこれからも続くが、応援を忘れずにのう」
ルファンの言葉が終わる頃には、ヒーロー達はすっかり舞台裏に移動していた。
「最後に応援を一生懸命してくれたお友達のためにお礼をしちゃうよ♪」
最高のウインクをしながら春美は、感動が胸に溢れる観客達を焦らす。
「サイン会と撮影会がありますわ」
アデリーヌが春美の言葉を続けた。
「ほら、ヒーローが出て来るぜ」
この言葉が終わるなり、再びヒーロー達が現れた。
子供達の歓声が大きくなっていく。
「ウルトちゃん、サイン会と撮影会だって」
興奮冷め切らないノーンは一緒に楽しんだウルトに言った。予想以上のショーでポップコーンやジュースはまだ残っていた。
「うん、早く行かなきゃ」
聞くまでもなく当然ウルトは行くに決まっていた。
「あんなに派手に終わると思わなかったよ〜。今日は最高の日だよ。ね、沙織ちゃん!」
ウルトに訊ねた後、沙織に声をかけた。
「そうだね。あんなに最後派手になるとは思わなかったよ」
事情は知っていたがこれほどまでに弾けたショーになるとは思わなかったのでとても楽しめた。
「沙織ちゃんはどうするの?」
ノーンは残っているポップコーンとジュースを空っぽにしてから訊ねた。
「……写真でも撮って貰おうかな」
一瞬考えるも自分の役目は観客であることを思い出し、写真ぐらいは撮ろうと決めた。何より今日の記念になるだろうし。
「それじゃ、行こうよ!!」
二人のやり取りが終わるのを待っていたウルトはもうダッシュでヒーロー達の元へ行った、それを追う形でノーンと沙織も続いた。
「……あともう少しだから頑張って」
ローズはサイン会や撮影会を盛り上げるため明るい曲を演奏しているカンナを見守っていた。
賑やかな関係者側では、
「先にサイン会だよ。きちんと並んでね。好きなヒーローを決めててね!」
「サインを終えたら写真を撮りますわ」
春美とアデリーヌが混雑する場を何とか落ち着かせようと子供達を誘導していた。
「ヒーロー達は待っておるから慌てて転ばぬようにのう」
落ち着き無く、急ぎ回る子供達に警告するルファン。
「時間はたっぷりあるから心配ないぜ!!」
ウォーレンは列の後ろの方で自分の番が回ってくるか心配する子供達を安心させた。
司会者四人は、サイン会と撮影会を取り仕切った。
「あたし、モジャルと助けてくれたブルーとレッドと一緒に撮りたい」
キリカとヴァルを希望する少女。
「格好いいブルーがいい」
エヴァルトの戦闘ぶりに惚れた少年。
「空からやって来たレッドとブルー」
某と康之を希望する少年。
「とっても頑張ったイエロー!!」
さゆみを希望する少女。
「デパートで助けてくれたブルーにイエローだ!!」
怪人に襲われそうな所を助けられた少年。 どの少年はくわしく
「あれ、ドクター・ハデスは? いないの? つまんない」
ヒーローではなく、悪役に憧れる少年もいたり。
「科学者ルカルカはいないの? 戦士ダリルは?」
デパートでルカルカにチョコバーを貰った少年。
「ニャンコのこぶし〜」
娘子の真似をする少女。
「鋼の戦士と強いお姉ちゃんは?」
マグナとリーシャを希望する少年。
それぞれのヒーロー達にたくさんのファンが出来た。スカイレンジャーの数がどうであろうと子供達には関係ない。ヒーローはヒーローなのだ。
「ダリル、呼んでるよ」
舞台裏から子供達の呼ぶ声を耳にしたルカルカは、熱心に装置を見ているダリルに言った。
「俺はこれの最終点検がある。何より、目を離した隙に何をされるか分からないからな」
出る気の無いダリルは、遠慮した。何より目を離して双子がまた何かやらかしてはいけないので。観客が帰るまでは安心できない。
双子達は、ダリルから少し離れた所に立っていた。多少は申し訳ないと思っているようで。
「……確かにそうかも。それじゃ、行って来るよ」
そう言い、ルカルカは子供達の期待に応えるべく表に出た。正義の科学者ルカルカとして。
「えへへ、サインも貰ったし、写真も撮ったよ」
ノーンは全員とツーショットで写真を撮った。一緒にヒーローポーズをしながら。サイ ンも当然全部揃えた。ほくほく顔で帰って行った。
ちなみにウルトもノーンと同じく全部手に入れた。