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リアクション
山のふもとで不穏な空気!?
シャンバラ地方の山岳地帯。
山のふもとには酉下 芭柘美(とりもと・はつみ)とその護衛としてサオリ・ナガオ(さおり・ながお)と藤門 都(ふじかど・みやこ)を始め、何人かの人が集まっていた。
「よーし! それじゃ出発するよー!!」
「待って下さぃ〜芭柘美様!」
「そうですよ。他のみなさんの話もちゃんと聞いてから進みましょう」
「う、そっか」
サオリと都の言葉に芭柘美は、一緒に来てくれることになったメンバーに意見を聞く。
「わしたちはまず、噂の亡霊ライラと会って、話を聞く事が先決だと思うんじゃよ」
そう話すのはルファン・グルーガ(るふぁん・ぐるーが)。傍に立っているイリア・ヘラー(いりあ・へらー)とウォーレン・シュトロン(うぉーれん・しゅとろん)も頷く。
「私も先に封印地を探すよりも、ライラさんを探した方が良いかと。それに、過去の悲劇がどうして起こってしまったのか気になるのよ」
「私はクエスと芭柘美を守るだけだ。ライラに逢うなら、それも良いだろう」
クエスティーナ・アリア(くえすてぃーな・ありあ)とサイアス・アマルナート(さいあす・あまるなーと)もルファンの言葉に賛成の意思を伝えると、佐野 和輝(さの・かずき)の影に隠れていたアニス・パラス(あにす・ぱらす)が和輝の袖を引っ張る。
「俺たちもライラに逢って話をしたい。アニスは見ての通り、極度の人見知りなんだが、今回はアニスの意志でライラに逢いたいと言ってきたからな」
ひょこりと顔を覗かせて小さく頷くアニス。
「じゃあ、亡霊ライラに逢って話をするってことで良いかな?」
「芭柘美、逢うことは別に構わないけどさぁ、おぬしはライラに逢って何を聞くつもりなのぉ?」
ライラに逢って話をしたいという意見が多数あった為、芭柘美がそう確認すると、天禰 薫(あまね・かおる)がそう聞いてくる。
「うーんとね……とりあえず、この本に書かれていた話がどこまで正しいのか、を聞きたいかな」
「当事者の証言を得てないのにさぁ、その周りが書いた話とか、ストーリーって事実性がないと思うんだよねぇ。全くもってナンセンスでしょ!」
「そんなことないもん! 事が起きた事情がないことには、神話が作りだされることもないんだから!」
「仮に、神話が事実だとしよう」
イリアと芭柘美の口論が起こりそうになった時、今まで黙って様子を見ていたアルツール・ライヘンベルガー(あるつーる・らいへんべるがー)が口を開く。
「だが、封印を解くとこによる危惧についてはきちんと考えているのか? 慎重に危険が無いか調査をした上で、封印を解くかどうかを決めたのではなかろう」
「た、確かに暴走しちゃう可能性はゼロじゃないよ? でも、フェリクスはずっと悲しみと絶望の中にいるんだよ。こうして声が聴こえるのにそれを無視するとか、うちにはできない!」
「そういうことを言っているのではない。俺はただ慎重に事を進めた方が良いと言っているだけのことだ」
芭柘美が言葉に詰まっていると、二人の間に木本 和輝(きもと・ともき)が割って入ってきた。
「ここで口論しててもしょうがないだろ。俺たちは封印地を探しに行く、それ以外のみんなは芭柘美と一緒にライラの捜索、見つけた時点で春華がテレパシーで伝える。それでいいよね?」
和輝の両側には、厳島 春華(いつくしま・はるか)と雹針 氷苺(ひょうじん・ひめ)がおり、その三人が封印地の捜索に行くメンバーである。
それに反対の意見を言う者はいない。
薫は封印地捜索隊に入ろうと思うが、最終的にはその地へ行くことになるのだからと和輝たちに同行することはしなかった。
「じゃあ、何かあったらテレパシーで連絡してねぇ」
春華がここにいるメンバーとテレパシーを取れるようにすると、氷苺は本来の姿である龍に化身できる龍型・弐式で龍に化身し、和輝と春華を自分の背中に乗せる。
「では行くぞ。しっかり捕まっておれ」
和輝と春華を乗せた氷苺が飛び立つのを、芭柘美たちはしっかり見送ったのであった。
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