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リアクション
■□■
===
汝、神代 明日香(かみしろ・あすか)は、
禁書の暴走で呼び出された邪悪な魔物に襲われた
伴侶・エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)を救うため、身代わりとなって殺されるであろう。
===
(エリザベートちゃんを庇って死ぬなら本望ではあるけれど、
目の前で庇われて死なれたエリザベートちゃんはどうでしょう。
良いわけがありませんよね。
エリザベートちゃんとやりたい事もいっぱいありますのでまだ死ねません。
あんな事やこんな事……)
「そう、あんな事やこんな事を」
「アスカ、何言ってるんですかぁ?」
「あっ、エリザベートちゃん! 危険が危ないんですよ!」
神代 明日香(かみしろ・あすか)は、
禁猟区をかけたネックレス型のアミュレットを
エリザベートに渡した。
「これを常に身につけていてください」
「わかりましたぁ……ところで、あんな事やこんな事って何のことですぅ?」
「それはまだ知らなくて大丈夫です。
そのうちにおいおいと……」
(そう、おいおいと教えてさしあげるためにも、
エリザベートちゃんを守って、私も助からなくては!)
明日香は、決意を新たにした。
■
一日中、完全な武装で、防御を固めた明日香だったが、
就寝時、襲われないようにと、
インビジブルトラップを仕掛ける。
ふと、ベッドのエリザベートが悲鳴を上げる。
「きゃああ、窓に、窓に、ですぅ!」
「あれは……!」
瓜生 コウ(うりゅう・こう)の呼び出した魔物が、
世界樹イルミンスールに到達していたのだ。
窓を突き破って、怪物が明日香を襲う。
「くっ!」
予定通り、即死を免れる。
あとは。
「アスカぁぁぁぁっ!!」
(そう、命さえ繋げば
百戦錬磨の大魔法使いエリザベートちゃんが迎撃してくれるはずです)
エリザベートは、世界樹イルミンスールの力で、
魔物を吹き飛ばし、
完全に息の根を止めるまで攻撃する。
世間を騒がせ続けた怪物は、こうして最期を遂げたのだった。
■
「アスカ! アスカ! しっかりするですぅ!」
エリザベートが、
血まみれの明日香に駆け寄って泣きわめく。
「私は大丈夫ですから……。
せっかくなのであんな事……は、まだ早いので、
ちゅーしてくれたら元気でるかもです」
「アスカのばかあああ!
こんな時に何言ってるですぅ!」
笑顔で言う明日香を見て、
ほっとしたエリザベートがさらに泣いた。
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