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リアクション
6.10分前――廊下にて
「ホント何もない学校ね、つまらないわ!」
驚かす相手もいなくてうろうろとしていた梓は、廊下に降りて「光学迷彩」と「隠れ身」を解いた。
まもなく闇夜に、月光を受けて黒髪の美女が現れる。
「初めての学校で明りもなく移動するのって、結構疲れるものね」
「そうだな、疲れるな……」
フウッと闇に浮かび上がる白い手。
一瞬にして消える。
(……え? ひょっとして、今見ちゃった?)
固まる梓。
次の瞬間、闇の幕をめくり「光学迷彩」を解除したザカコの姿が現れる。
「キミ、何? 幽霊じゃない訳?」
「……どこからどう見ても、『人間』ですね。近視ですか? お可哀相に」
「失礼ね! というか、何してるの? 1人で」
「幽霊を捜しているのですが?」
「は? 幽霊? 退治するの?」
「いや、個人的に興味がありますので。会話が通じるのかとか、物理的に接触が出来るのかとか」
「は?」
「ということで、これから強硬派を阻止に行かねばなりません。先程も『その身を蝕む妄執』で幻覚を見せてきたところですので」
「……そう、変わってるのね」
そこに、「おーい」と服を着た薫と澪がやってきた。
「【GHP】の連中が、楽器倉庫に捕まってるらしいでござる。これはチャンスでござるよ、ニンニンッ!」
何がチャンスなのかは分からないが、ニイッと笑う。
「イタズラは、先生駄目かなぁ? でも混ざっちゃってもいいよねぇ? ちょっとだけぇ〜」
ウフッと笑う。澪はとても嬉しそうである。
「幽霊が出た部屋だけど、行く? 会えるかもしれないわよ」
梓が誘う。
ザカコは暫し考えて、頷いた。
「……そうですね。では自分が案内しましょう。『博識』で校内の全体像はつかんでいますから」
そして、「イタズラ」目的で行った楽器倉庫で彼らは信じられない光景を目の当たりにする。
「さあーて、奴らどうしてござるかなー?」
誰もいない音楽室に忍び込み、楽器倉庫に近づく。
そして引き戸に手をかけ……スルスルと開けて行き……。
家政婦は……もとい、4人は……見た!
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