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リアクション
第二章
かわいらしいメイド服の少女、咲夜 由宇(さくや・ゆう)が、
「……暗いところにって、怖いのですが……。で、でも何かあると危険ですし、何かお手伝いします。頑張って怖いの我慢するのです!……アレンくんにも一緒に来てね」
吸血族のアレン・フェリクス(あれん・ふぇりくす)が、端正な顔に悪戯っぽい笑みを浮かべて由宇を見た。
「オレを呼び出すと余計怖くなるんじゃないのか? ヴァンパイアなんだぜ? いつも脅かされまくりじゃないか、俺に」
それを聞きつけた銀髪の月谷 要(つきたに・かなめ)が、悪戯っぽい笑みを浮かべ、「夜間無断外出? 実験室に何が居るかも分からないのによくもまぁ…。脅かして生徒を帰らせるというのもいいプランかも知れませんね〜」
「おお〜〜! それは実に楽しそう……ゴホン。いや、喜んで協力させていただこう」
フェリクスがわが意を得たりとニヤニヤする。咲夜は至ってまじめに、
「ええっと……はい、私もこうもりの羽が出せますからちょっとはお役に立てるかもですぅ」
「生徒を驚かせて寮に返らせる。いたって真面目で、素晴らしいプランですよ」
「決まりだな、おっし!」
フェリクスが浮き浮きと月谷の肩をぽんと叩いた。
一方の調査グループでは、本郷 翔(ほんごう・かける)が、端正であるが温か味のある顔に、穏やかな笑みを浮かべて、
「時期的に実験室が閉鎖になるほどの事故があった時期と、幽霊の噂の発生時期が重なっているのが気になりますね。人払いをかけたかったのか、よからぬ目的があるのか……。皆さんで得た情報を共有しつつ調査を進めるのがよいのではないでしょうか」
赤毛に緑の瞳の、貴族然としたエース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)も、本郷の言葉に賛意を示した。
「聞き取り調査同士の協力は必須だろうな。判った事はHCや携帯で調査している他のメンバー、それと……夜に見回る人達にも情報支援として判った事は開示しておきたいな。危険がある可能性がないでもないし、情報は少しでも多い方がいいと思うからな」
逆立てた乳白金の髪、鋭い目つきがやや近づきがたい印象のあるマクシベリス・ゴードレー(まくしべりす・ごーどれー)は壁に寄りかかっている。
彼と好対照の、長い赤毛をポニーテールにした、人懐こそうなマクシベリスのパートナーフラメル・セルフォニア(ふらめる・せるふぉにあ)が、整った顔に熱心な表情を浮かべてマクシベリスに言う。
「マベリー、とにかく聞き込みじゃな?不審者を見なかったかとか、聞いて回ろうぞ!」
マクシベリスは勢い込むフラメルに静かに言った。
「フラン、皆の話をまず聞いてから行こうな。重複して聞いて回っても意味ないぞ」
「おお……そうだな。うーむ、つい先走ってしまうのが我の悪い癖じゃ」
フラメルは首を軽くすくめ、照れくさそうに笑った」
マクシベリスが少し考え込んで言う。
「連絡担当で、調査もするという本郷とエースは女性受けがよさそうだし、女生徒中心で聞き込みがむいているのじゃないか? 俺は聞き込みは向かん。警戒されそうだしな」
本郷は頷いて、
「ではマクシベリスさんが総合情報担当として、皆さんから情報をもらって、アッシュワースさんに統括した情報を渡すようにしてはどうでしょうか」
「それがよかろうな。」
エースが鷹揚に頷き、調査担当の面々も口々に賛意を示した。
清泉 北都(いずみ・ほくと)が青い瞳に真剣な表情を浮かべて言う。
「そうだなあ……僕は蒼空学園の生徒じゃないから連れ戻しは無理そうだし、聞き込み調査に回るよ」
彼はシャギーの黒髪の、小柄な少年といった印象だ。彼のパートナー、漆黒の長髪、整っているがどこかおっとりした物腰のリオン・ヴォルカン(りおん・う゛ぉるかん)があいまいな笑みを浮かべ、
「よく判りませんが、生徒さんたちから噂に関する話を聞けばいいんですね?」
と言った。北都がついで、
「僕とリオンは他校生ですし、同性の方が警戒されないでしょう。男子生徒中心に聞き込みをしましょう」
と言った。
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