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魔の理科実験室の怪を探れ!!

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魔の理科実験室の怪を探れ!!

リアクション

 青い髪に銀の瞳という、人目を引く容貌の矢野 佑一(やの・ゆういち)
「僕は爆発事故で実験者が行方明になる以前から事故がよく起こっていたかどうかが気になります。管理担当の先生に聞いてみたいと思うんですが」
長い金髪を後ろで束ねた、かわいい小柄な少年といった風貌の祐一のパートナーミシェル・シェーンバーグ(みしぇる・しぇーんばーぐ)が、
「……爆発って、薬品か何かを使うものだったのかな?」
そう言って小首をかしげた。

 御凪 真人(みなぎ・まこと)が考え込むように。
「オカルトですむ事件には思えませんよね。目立つほど事故が度々起きていたのなら、前から噂があってもおかしくなはずですし。俺も事実関係の照合調査をしたいと思うのですが」
御凪は知的な雰囲気を漂わせているが、こげ茶の髪は整えておらずぼさぼさだ。
 御凪のパートナー、見た目は愛らしいプラチナブロンドのツインテイルの美少女といった風体の、名も無き 白き詩篇(なもなき・しろきしへん)がそれに応じて言う。
「噂が本当なら事故の記録が残っておるのではないか?破損があれば当然修繕せんばならぬじゃろう。他の実験室とも事故の頻度を比べてみるのも良かろう」
「そうだな、書類関係を中心に俺たちは調べてみるよ。これで分担は決まったね?」

「張り込みは昼夜あるね。昼間はそんなに人数いらなそうだけれど」
 ピンクのツインテイルが可愛らしい霧島 春美(きりしま・はるみ)が言う。
「春美は、現場調査に昼間行きます! 理科実験室と周辺に、何か物的証拠があるかもしれないわ。この天眼鏡と超感覚を使って爆発事故の現場周辺は特に念入りに調べるよ。マジカルホームズの名は伊達じゃないんだから〜」
幼い少女といった外見の春美のパートナー、ディオネア・マスキプラ(でぃおねあ・ますきぷら)がそれに応じて、
「狭いところは得意だからまかせといてね開かないところもピッキングで開けるよ。……お化けは恐いけど、昼間なら出ないよね。アニマルワトソンの名に恥じないよう、ボクもがんばるよ」

 金髪の、いかにも気の強そうなお嬢様然としたブリジット・パウエル(ぶりじっと・ぱうえる)が、
「私は演劇部の人がきぐるみを着て、新作の劇の秘密特訓をしていると思うのよ」
と言った。対しておっとりとした黒髪のお嬢様といった感じの、橘 舞(たちばな・まい)がパートナーのブリジットをのんびりと苦笑交じりに言う。
「ブリジット、あのね、それなた何も深夜の実験室でする必要はないと思うんですよ」
春美も頷いて言う。
「ブリジットさん、そこはちょっとムリがあると思うんだけどー」
昂然と頭をもたげ、ブリジットは言い放った。
「いいわ、張り込みをして、私の推理が正しいことを証明して見せるわ……でも隠れるのも待つのは嫌! 23時になったら現場へ行くわ」
「……春美さん、現場調査お願いしますね」
「わかりました、春美、がんばるよ」

 黒髪の、グラマーで色っぽいリンダ・ウッズ(りんだ・うっず)が言った。
「したらボクは昼に光学迷彩で現場に張り込むけん。誰か来たら捕獲しちゃる。昼間なら現場にいても、掃除に来たで通るけんのぉ。あはは、まぁこの酔いどれメイドに任せときな」
 大柄なで目付きが悪い三船 敬一(みふね・けいいち)が、
「俺も不審者を捕まえるか。このあとから理科室の中、そうだな、ロッカーとかダンボールとかの中に隠れておくかな。……何か使わないようなもの、もらってもいいのかな」
「いやあんた、それはまずいだろ。現場のものを持ち出しちゃあいかん」
リンダがすかさず突っ込みを入れ、三舟は首をすくめた。
「そ、そうだな……貧乏が長いものでつい……スマン」
「そうかそうか……ならな、趣味の掃除のとき、使えそうなものをもらっておいてやるよ」
リンダが同情をこめて言い、三船の背中をバンと叩いた。
「ありがとう!」
2人の間に、友情が芽生えた瞬間だった。