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リアクション
7. 一日目 撮影セット 午前十一時四十一分
「真都里ちゃん。もっと、リラックスしていいよ。自信を持ってね」
「俺は、ほんとは、名前にちゃんづけで呼ばれるのは、大嫌いなんだ。でも、次郎さんも維新もそう呼んでくれるけど、男の俺をそんなふうに呼んで、バカにしてるんじゃないよな」
セーラー服がよく似合う男の子の真都里ちゃんは、金色の瞳の小動物系で、いじられシグナルがでまくってる。
「次郎兄は、撮影中は映画に夢中でほとんどしゃべらなくなるんだ。けど、真都里ちゃんを、素敵な子だね、って、さっき言ってたよ」
「ほ、ほ、本当か。うれしいなっ。俺、次郎さ・・・いや、監督みたいな、みんなに認められる映画を撮るようなスゲー人間になりたいんだ! 監督の映画に出演して、次郎というスゲー人間を学ばせて欲しいんだよ」
次郎兄は、幸薄そうな健気な子が好みだからね。真都里ちゃんは、ばっちりさ。
「維新。あんたの姉さんの流水さんも大変そうな人だな。俺にも脳みそまで筋肉でできた双子の姉がいるんだが・・・お互いに、頑張ろうな」
僕は、シスコンを克服しようと、こんなとこで女装して頑張ってる真都里ちゃんを尊敬します。
「なんだよ。そんな目で俺を見るなっ。俺は不憫なんかじゃない・・・ただちょっと・・・いやだいぶ、人より運が悪いだけなんだぜ!」
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