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リアクション
「この部屋は見覚えがあるぞ。確か……」
双子に続いて侵入した恭也は見覚えのある部屋の様子にもしやと今まで送られてきた情報の確認を始めた。
「色鮮やかな炎ですわね。今までの部屋と違って劣化していませんし何より機能していますわね」
リーブラは周囲を見回して部屋の状態を確認した。
部屋の中央の壁に赤、左壁に青、右壁に緑の炎が輝いていた。それは壁に一つずつ埋め込まれた魔石が燃える事で発せられているものであった。
「……機能している部屋」
シリウスも恭也と同じように部屋の役目の見当が付き、答え合わせをするために情報確認をする。
「この部屋はこの遺跡の危機管理室だ。間違い無い」
恭也は情報を確認した後、皆に知らせた。
「そうだな」
シリウスも確認を終え、恭也にうなずいた。
「この炎、息を吹きかけても消えないぞ」
「魔法だ」
と双子。恭也やシリウス達が部屋について考察している間、隙を見て余計な事をしていた。何も起きなかったから良かったものの。もし何か起きていたら大変な事になっていたはずだ。
「……魔法ですか。それより、部屋の正体が分かる前に余計な事をしてはいけませんわ。危険でしょう?」
リーブラが呆れたように双子をたしなめた。
「つい、火を見たら消したくなるだろ」
「何も起きなかったから良かったじゃん」
双子に悪びれる様子は微塵も無かった。全く後先を考えていない。
「炎を消したら危機回避機能は停止すると書かれているが、そうそう上手くはいかないって事か。しかも炎の色によって機能が違うと書かれてある。ただ、停止の仕方は不明だが」
恭也は情報を口にしてもう一度みんなと確認。
「つまり、一つが機能しなくなった場合の予備機能という事ですわね」
リーブラが自分の考えを述べる。
「普通に考えると予備は一つで十分じゃないか?」
シリウスは三重の仕掛けに肩をすくめる。
「この研究所がとても大切という事でしょう。魔法中毒者ですから」
とリーブラ。ここの部屋だけでもどれだけ研究者達がこの場所を守ろうとしていたのか魔法を失う事を恐れていたのかが分かる。
「……これはどうやら改良した上質の物だな。何が起きるか分からねぇし、傷付けない方がいいかもしれないな」
恭也は緑色の魔石を軽く叩いて音を確かめながら言った。何でもない部屋であれば爆破をするところだが、ここは危機管理室なので下手な事は出来ない。
「とりあえず、他の奴らに報告だな」
シリウスは急いで今すべき事を片付ける事にした。
「戻るついでに装置を設置しながら行きましょう。十分に好きな事を楽しんだのですから真面目に取り組みますわよね」
リーブラは早速抜けた分の仕事を双子にさせようとする。言葉最後の念押しは怖い笑顔。
「……」
双子は無言でうなずき、それぞれ一つずつ装置を手に持った。
「報告はしたぞ。で、そっちはどうするんだ?」
報告を終えたシリウスは恭也のこれからの動向を訊ねた。
「俺はもう少しこの周辺を探索してから戻るつもりだ」
まだ確認していない場所があるため恭也はこのまま探索を続行する事に。
「そうか。まぁ、気を付けろよ」
「あぁ、そっちもな」
シリウスと恭也は互いの無事を願ってから別れた。
シリウス達と双子は行きに怠っていた装置設置を済ませてから監視者達の元に戻り、恭也は探索を続けてお宝を回収した。
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