リアクション
卍卍卍 「はううぅ、第一陣とは責任重大ですぅ。こんな乱戦、怖いのですけれど、他の皆さんが葦原 祈姫(あしはらの・おりひめ)さんを説得するまで、前線を守り抜くですよー!」 土方 伊織(ひじかた・いおり)は、馬謖 幼常(ばしょく・ようじょう)と共に先陣として参戦した。 東西の軍は先が原村で互いに睨みあったままだ。 相手の出方がわからぬまま、いつ、どちらが動くのかを見計らっていた。 「数では西軍が勝ってはいるとはいえ、戦力的には五分五分。鍵は、祈姫様の陣がどう動くかだろう。西軍から離反者が出れば、一気に流れは変わる」 おそらく、鬼城 貞康(きじょう・さだやす)もそのことは計算に入れいているだろう。 とはいえ、他人の出方次第というのも、薄氷の上を歩くような危うさではある。 ゆえに、前線に課せられた責任は重いものだった。 「それまで、時間を稼ぐのだ。前線を突破されるな」 「無論です。お嬢様」 幼常の戦術に応えるように、サー ベディヴィエール(さー・べでぃう゛ぃえーる)が馬上から土方隊の指揮をとる。 「混戦になれば小細工は不要。ただ、勝機を逃さず、敵を討つのみ。伊織お嬢様からは、前線を維持することを申し付かっております。この陣、騎士の誇りにかけても、守り通してごらんにいれます」 「すっごいのう! 馬が、兵が並んでおる。てれびでみた大河どらまのようじゃ!!」 逸る心を抑え、サティナ・ウインドリィ(さてぃな・ういんどりぃ)は、ベディヴィエールが敵をひきつけるのを待つ。 途中、濃霧が晴れてきた中で、西軍から忍びの一行が彼らのわきを通った。 「お味方か。どうされた?」 ベディヴィエールの問いに、忍びの頭目フレンディス・ティラ(ふれんでぃす・てぃら)は、「物見でございます」とだけ答えた。 「そうですか。ならば通してもよいでしょう」 サティナは忍びの彼らを先に通す。 やがて、西軍の主力の方角へ向けての発砲音が聞こえた。 貞康からの命を受けたフレンディスらが仕掛けたものだ。 それを契機に、睨みあったままの西軍が動き出した。 敵が近づいたのを見計らって、サティナは仕掛けておいた罠を発動させた。 自分の半包囲に向かって、魔法攻撃を仕掛けるものだ。 「ふ、折角の大舞台じゃ。精々、派手に戦場を舞い踊るとしようかの!」 罠にかかった足軽兵に対して、ベディヴィエールの馬が突撃していく。 こうして合戦の幕が上がった。 |
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