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リアクション
椎名達が再びストーンゴーレムと対峙した時、もう1体のストーンゴーレムが砂埃を巻き上げ新たに立ち上がった。
サイオニックの冴弥 永夜(さえわたり・とおや)はそれを視界の端に捉えると、登りかけた身体を新たなストーンゴーレムに向けた。
「あまり戦力を分散させたくはないが、新たに増えたとなれば」
まだ動き出して鈍い反応を示すストーンゴーレムに永夜は自分の間合いまで詰め、銃で射撃し始めた。
だが石の表面を削るのみで、致命的なダメージを与えるには至らない。
「動力源を破壊しない限り動くか……。しかし、万が一に爆発でもしてしまえば」
永夜は眼鏡をくいっとあげ、冷静に分析してみせるが、その間にも慣れ始めたストーンゴーレムの動くは速くなる。
大剣が振られる度に回避してはいるが、次第にその圧迫感に押されていく。
ストーンゴーレムに隙があれば、どこが効果的な部位か探れるのにと愚痴りたくなるが、1人では隙を作れそうにはなかった。
「やああっ!」
突如上空から現れた影が、そのままストーンゴーレムの頭部に蹴りを入れた。
グラップラーの冬山 小夜子(ふゆやま・さよこ)が、神速で素早さを増し、軽身功で壁や天井を走り、一気にストーンゴーレムの背後を奪ったのだ。
「私も手伝いますわ! さあ、貴方の次のお相手をして差し上げますわ!」
背後をとられ気を悪くしたのか、まるで暴れるように剣を振るうが、神速で速さを増した小夜子には、どうということはなかった。
大きすぎるストーンゴーレムの動きの隙をついて、足、腕、頭部に次々と蹴りを入れるが、決定力に欠けていた。
無論、小夜子の作った隙に永夜も援護射撃を加えていたが、粉塵が舞うばかりだった。
「ちょっと……2人掛かりでもまだ足りないわけ!?」
「……の、ようだ……」
「だけど……諦めないわよ!」
小夜子が再び駆け出すと、永夜も連動して動き出した。
「う〜ん……あれとやるのはなぁ〜……」
セイバーのユイ・マルグリット(ゆい・まるぐりっと)は、横髪を指先でくるくると弄りながら、苦戦する永夜と小夜子を見て呟いた。
助けに行きたい気持ち半分、戦力は温存しておきたい気持ち半分といったところだった。
「う〜ん……役に立てそうにないなぁ〜……」
「何ダラダラ言うとんじゃ、お前も戦闘に行かんかい!」
諦めかけていたユイに、パートナーである魔鎧の泉 宗孝(いずみ・むねたか)が一喝した。
え〜っと声には出さず唇で喋ったユイだが、ゆっくりと剣を引き抜いた。
「ま、やるだけやりましょ」
「その意気やユイ、よー言うた! まずはあのあんさんとじょーちゃんを助けよ!」
ユイと宗孝の視線の先で戦う永夜と小夜子は、ただ力不足も災いし回避で精一杯という印象を一見すれば受けるが、どこか何かを探るような、窺うような面も見えた。
「あんまりダメージは与えられないと思うけど、目くらましにはなるでしょぉ」
そう言ってユイは剣を振るい、ストーンゴーレムの足元に向けて爆炎波を放った。
地面は抉られ、爆風と爆煙が視界を遮った。
何事かと反応したストーンゴーレムの薙ぎから晴れた視界の先を永夜と小夜子は逃さなかった。
永夜の先制射撃の後、人間でいう心臓部分に小夜子が強烈な一撃を見舞い抉った。
「……あら〜、ダメっぽいですねぇ〜」
永夜の傍に駆けつけたユイは、それでも動きが止まる気配のないストーンゴーレムを見て言った。
「どうすれば止まるか……」
「足や、足をもいだれ!」
宗孝はそう提案するが、移動できなくしたところで、剣は振るえるし、何より変に暴れ出し予測がつかなくなる恐れがある。
「頭を潰すか、首を跳ねるのはどうでしょぉ〜。それで生きていられる生き物っていませんよねぇ〜?」
「なるほど。では……また隙を作っていただけるかな?」
「私で良ければ、頑張りますよ」
「俺もやったるけぇのぉ!」
煙が晴れ、再び小夜子が突撃した。
ストーンゴーレムは眼下の4人目掛けて大剣を振り下ろした。
宗孝はランスで幾度と無く突きを繰り返し引き付け、ユイは近距離から爆炎波を放った。
その爆炎波はストーンゴーレムの頭部を捉え、ピシリと音を立てヒビを生じさせ、視界を遮った。
「恩に着る……ッ!」
「これで貰ったわよ!」
永夜と小夜子の渾身の一撃が、ストーンゴーレムの額を同時に捉えると、木っ端微塵に吹き飛んだ。
ストーンゴーレムの動きが止まり、そのまま前のめりに崩れた。
「やっと終わりましたわね……ふふっ。楽しかったですわ」
倒し方がわかった。
そう歓喜と達成感と共に仲間に伝えようとして、喉まで出掛かった声が止まる。
まるでストーンゴーレムの撃破に呼応するかのように、一斉に複数の鎮座したストーンゴーレムが立ち上がったからだ。
そのうちの1体が螺旋階段に向かった。
ストーンゴーレムが大剣を頭上に構え、今にも振り下ろす瞬間だった。
その先には今だ登り続ける仲間の集団。
うああああっ、と誰かの悲鳴。
――ズゴォォンッ!
しかし、その直後の何かが崩れる音は、ストーンゴーレムがバランスを崩して横倒しになる音だった。
「皆は先に行って。ここはボク達が引き受けるよ!」
スナイパーのレキ・フォートアウフ(れき・ふぉーとあうふ)が放った的確な一撃は、構えた大剣を打ち払い、バランスを失わせて倒したのだ。
が、それも一時しのぎにしかならない。
不意を突いた一撃だからこそ効果的だったが、レキの存在も視野に入れたストーンゴーレムの起き上がりをいくら阻止しようと精密射撃を繰り返しても、立ち上がられてしまった。
「全く。わらわ達に逆らおうとは愚かな……」
レキのパートナーである魔女のミア・マハ(みあ・まは)がファイアストームで更にストーンゴーレムに追いうちをかけ、注意を引いた。
「ミア! この調子で囮役になるよ!」
パートナーの援護で意気揚々なレキは、先ほどよりも攻撃の回転率を上げストーンゴーレムの足止めを行った。
「ただ、折角来たのじゃから、全てが片付いたら屋上は見てみたいのぉ。レキもそう思うじゃろ?」
「そうだね! でも、敵は増えるばかりだよ」
ミアのファイアストームの範囲の広さが災いしたか、もう1体のストーンゴーレムまで2人を捉え始めた。
違う場所では更に数体のストーンゴーレムが侵入者の排除のために動き始めていた。
だが、こちらにもこれ以上の余裕はない。
1体でも十分に苦戦を強いられそうな現状に、2体の足止めを行っているのだ。
ジリジリとストーンゴーレムが攻撃の間隙をぬって前進してくる。
「ジリ貧じゃ! 人手が足りぬ!」
「頑張って! 1人でも多く庭園に行かせるんだよ」
まだ後方には上の階へ向かう仲間達が控えているとあっては、往々に引くことも適わず、ついには大剣が振るわれれば切っ先が振れそうな位置まで近づかれた。
そんなレキとミアの間をぬって、盾を構えシールドバッシュでストーンゴーレムに突進する人物がいた。
パラディンのミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)だ。
「あたしも足止めするよ! 一緒にゴーレムをぶっこわそっか!」
大剣と盾のがっぷりよつの押し合いの最中、振り返りミルディアが助太刀に駆けつけたとウィンクをした。
だが相手は2体なのだ。
もう1体がミルディアに狙いを定めて剣を振り下ろす。
が、その斬撃が届く前に雷撃がストーンゴーレムに走った。
「無茶はしないで下さいねとあれほど念を押したというのに……。仕方ありませんわね。お相手させていただきますわ」
ミルディアのパートナーである守護天使、和泉 真奈(いずみ・まな)がサンダーブラストを放って援護していた。
「真奈、来てたのね! なら一緒によろしく。入ったばっかなのに人を減らすわけにはいかないよね?」
「……ええ、出来ればお掃除の方も、早めにお願いしますわ」
機晶石の影響は守護天使にさえ及んでいた。
身体が重く、少々吐き気も伴う感覚に襲われるが、パートナーの危機とあればそんなことは言っていられない。
(願わくば、ミルディが異変に気付いて動きが鈍くならないように、やせ我慢を貫けますように……)
「助かった! ボク達だけじゃ危なかったよ!」
レキはお礼もそこそこに、ミルディアが押さえつけているストーンゴーレムに向かって射撃した。
ストーンゴーレムは目の前のミルディアの更に先、レキの存在を押さえつけたいように身体を前のめりにさせていった。
それがミルディアには気にいらなかった。
「どこ見てんの! あんたの相手はあたしだよ! っと!」
援護も相まって、ついにはシールドバッシュでストーンゴーレムを青天させてみせたのだった。
「殺るか殺られるか、このスリルがたまらないよね!」
グラップラーの霧雨 透乃(きりさめ・とうの)は、戦う仲間達を尻目に、フロアの最奥でようやく動きだしたストーンゴーレム目指して駆けていた。
空中庭園よりも塔の防衛機能が存在し、戦う機会があればと望んでいた透乃の気持ちが、最も困難な場所へと赴かせるのだ。
大剣ではなくハルバートを手にしたストーンゴーレムが透乃を捉えた。
リーチの差で勝ち目が無いのならば、懐に飛び込むしかない。
「私を楽しませて頂戴よね!」
ヒロイックアサルトで自らの攻撃力を高め、ハルバードの突きと薙ぎの二段攻撃を回避し、左拳を顔面に向けて伸ばした。
が、寸での所でストーンゴーレムは空いた腕を盾に防いだ。
ミシリと音を立てて石片が飛んだが、致命傷には至らない。
逆にそのまま防いだ腕で透乃は払い飛ばされたが、そこは駆けつけたパートナーのシャンバラ人の霧雨 泰宏(きりさめ・やすひろ)が受け止めた。
「透乃ちゃんをお姫様抱っこで守ったぜ」
「……やっちゃん、油断するようではまだまだダメです」
素早く追撃に移っていたストーンゴーレムの突きをパートナーの剣の花嫁である緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が、凶刃の鎖で絡め、抑えた。
「陽子にやっちゃん! うふ、面白くなりそうね!」
「よし、ここは私達に任せて先へ行け!」
「そんなフラグを立てて……。私は透乃ちゃんの援護しかしませんよ」
いやあ、言ってみたかったんだ、というような顔の泰宏に向かって、陽子は呆れ顔をしてみせた。
すると、透乃達に気付いた他のストーンゴーレムが、徐々にこちらに向かい距離を詰め始めるのが見えた。
無謀は承知でここまで飛びこんだとはいえども、境界線は引いた。
透乃は泰宏から降りると、共に陽子が抑えつけているストーンゴーレムに向かって駆けた。
ストーンゴーレムの撃ち下ろしの左拳が透乃に伸びるが、その瞬間前に躍り出た泰宏がガッチリ受け止めた。
「私が動けるうちは、誰も負傷させる気はない! 守り続けてみせる」
泰宏の肩を踏み台に、透乃が飛び上がる。
ストーンゴーレムにもはや抵抗できる術はなかった。
「私が透乃ちゃんの役に立つためにいることをお忘れなく」
左を泰宏に押さえられ、右は陽子に絡めとられているのだ。
「はあああっ!」
ヒロイックアサルトで高められた左ストレートが、ストーンゴーレムの顔面を打ち抜いた。
地響きをたてて、ストーンゴーレムが崩れ落ちた。
「よぉし、次行くよ!」
透乃は新たなストーンゴーレムに駆け出した。
「ボクに構わず先に行って!」
まだまだ増えるストーンゴーレムにメイドの鳴神 裁(なるかみ・さい)は後方の仲間達に先を急がせた。
戦場を見るに、ストーンゴーレム1体につき複数人でようやく撃破ができるほどの強敵だが、だからこそ燃えるものがあった。
「いいねいいねぇ、この緊張感。飛ばしていくよ!」
頭上でヒートグレイブをくるくると回し、勢いよく手近なストーンゴーレムへ飛び込んでいった。
ストーンゴーレムのハルバートとせめぎ合うが、さすがに力負けしてしまい、回避のために後方へ飛んだ。
「援護を頼むよ!」
それは裁のパートナー達への言葉だ。
だが、パートナーである機晶姫のドール・ゴールド(どーる・ごーるど)は、やはり塔の機晶石の影響で体調が優れなかった。
覚束ない足取りで、裁の元にようやく辿り着いたほどだ。
「うう……キモチワルイです……」
「あちゃ〜……やっぱ機晶姫には影響でちゃうんだね〜」
「でも……手伝えます……」
ドールは自らの機晶石の力で、裁の精神力を向上させた。
やる気は向上し、興奮状態の裁は、今なら何でもできそうな気分になる。
「ボクはまだまだいけるんだよ!」
振り返り、再度ストーンゴーレムのハルバートと強烈な衝突を繰り返す。
力を得たヒートグレイブの熱が、ハルバートを包む。
が、それでも状況は変わらない。
武器は粉砕できず、力負けは変わらない。
「アリスがサポートするよ。急激な温度変化で……なんだっけ? まあ、いいや。凍れ〜ッ!」
裁のパートナーである吸血鬼、アリス・セカンドカラー(ありす・せかんどからー)の氷術がハルバート目掛けて放たれた。
が、凍りつくこともなく、煙を上げるだけだった。
「えええ、効かないのぉ!?」
「諦めるなあ!」
裁が再び炎を纏ったヒートグレイブで撃ち合いを演じ、アリスも挫けずに氷術で武器を封じ込めようと試みた。
ストーンゴーレムにしてみれば小さな攻撃の連続に、ハルバートを軽々と振り回して裁を払った。
吹き飛ばされ尻餅をつく裁に影が下りた。
気付くと、ストーンゴーレムの足裏が迫ってきていた。
「むむむむぅ……ッ! ええいっ!」
裁のパートナー、魔鎧のゴールド・アイリス(ごーるど・あいりす)がサイコキネシスでその場で動けない裁の助けを試みるが、ストーンゴーレムはビクとも動かない。
「うわわ、ボクのも効かないのぉ!?」
「諦めちゃ、ダメです……」
ドールはゴールドの肩に手を置き、再び機晶石の力で力を与えた。
「このおおおっ!」
再度サイコキネシスでストーンゴーレムを支える脚を狙う。
ただその一点を一心に念じ続ける。
スッと、本当に僅かに脚が浮いた気がした。
「チャ〜ンス!」
裁はバランスをとろうとよろけたストーンゴーレムの身体をヒートグレイブで突いた。
――ズドォォォンッ!
ストーンゴーレムはそのまま仰向けに倒れると、手から零れたハルバートは地面に叩きつけられると、粉砕した。
火と氷の極端な温度変化を何度も受けて、脆くなっていたのだ。
例え強敵だとしても、小さな事の積み重ねで勝機が見えてきた瞬間だった。
「皆さんは、今回のように遠足のような、冒険のようなことは何度も?」
塔に入ってから、クリストファーがいる記録係を捕まえては、最後尾で悠々と上がってきたソルジャーのアルテッツァ・ゾディアック(あるてっつぁ・ぞでぃあっく)は、ようやく8階に辿りついた。
クリストファーに少なからず『用』があって近づいたアルテッツァだが、流石にこの状況を無視するわけにはいかなかった。
「校外ではありますが、教職に就いている身である以上、『生徒』の身は守りませんと、ね。後で追いつきますから、またその時にお話でも。そうだ、せっかくですから、ボク達の戦う姿でも詩にして下さい」
「ふふ……。いいぜ」
クリストファーが頷くのを見て、アルテッツァはネクタイを緩めた。
「定説では文字の消去やシェームの取出しが退治方法ですが……。なるほど、頭部の破壊でも十分ですか。ヨタカはボクと前衛で、ズバルとヴェルは後衛でお願いします」
「楽しそーなハイキングにワシの怪力の出番だぎゃ!?
アルテッツァのパートナーである地祇の親不孝通 夜鷹(おやふこうどおり・よたか)は、食べ歩きしていたクラブサンドを一気に口の中に放り込むと、指を舐めて鼻息荒くストーンゴーレムを見据えた。
「金砕棒振り回して、片っ端からぶっとばすぎゃ〜! しんとーめっきゃくすれば、何でもこらえられるぎゃ〜!!」
夜鷹はストーンゴーレム目掛けて真っ直ぐに駆け出した。
その愚直なまでの素直な行動に、溜息が出たのはパートナーである魔道書のヴェルディー作曲 レクイエム(う゛ぇるでぃさっきょく・れくいえむ)だ。
「ここでもガキのお守りをさせられるあたしってば……ぶつぶつぶつぶつ……。はあ、適当でいいわよね」
火術が振り下ろされたストーンゴーレムの腕に放たれる。
叫び声をあげながらそれを避ける夜鷹に、レクイエムは頭痛を覚えたかのように頭を押さえながら、続けざまに氷術を放つ。
「こんなところかしら。ほら、すばる。アンタの出番よ」
「わかりました。マスターに言われた通りに、わたくし、後衛に徹します」
アルテッツァのもう1人のパートナーである強化人間の六連 すばる(むづら・すばる)は、レビテートで浮き上がり、夜鷹を攻撃する腕に集中的にサイコキネシスで攻撃した。
サイコキネシスに逆らうように、力を入れながら攻撃を振るうストーンゴーレムの腕に、きしりと音を立ててヒビが入った。
「すべては、貴方のために……」
そう言ってすばるがもう一度サイコキネシスで攻撃をすると、ボロボロと風化した石のように腕が崩れだした。
その隙を突いて、アルテッツァがストーンゴーレムの頭部向かって、スプレーショットを浴びせる。
「あれは……そこでしたか」
火力不足で仕留めきれなかったが、アルテッツァはストーンゴーレムの後頭部に見えた文字を見逃さなかった。
「ふらふらだぎゃー!」
片腕となったストーンゴーレムのもう片方の腕を、夜鷹が金砕棒で弾き飛ばすと、ストーンゴーレムの丁度後頭部が、アルテッツァの狙える位置に晒された。
再びスプレーショットで文字の部分を削ると、ストーンゴーレムはその動きを止め、砂と化した。
「震える心、それは敵と相見えたからではなく、友を守るため。勇敢なる背中を焼き付けた者こそ、勇気の意味を知る」
「これは塔の内部調査記録なのかしら、それとも戦闘集なのかしら」
「……8階……ストーンゴーレム、いっぱい……っと」
クリストファーは謡い、祥子は戦闘シーンもきちんとカメラに収め、のどかはビラ裏にメモを取った。
そんな最後尾の記録係を、8階に残った7チーム23人が見送り、未だに動き始める多くのストーンゴーレムに再び対峙した。
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