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リアクション
★ ★ ★
「さてと、罠は仕掛けたしぃ。後はこっちへおびきよせるだけですねぇ。ヘーイ、セブングラス、カマーン」
社殿の近くに落とし穴の罠を作ったレティシア・ブルーウォーター(れてぃしあ・ぶるーうぉーたー)が、七草をおびきよせようと挑発した。
けれども、なぜか、なかなかレティシア・ブルーウォーターの方へとはやってきてくれない。
「うぬぅ。あちきを無視するなんて許せないですねぇ。よけいな所へ行こうとするのお仕置きですねぇ。どっくどくにしてあげるー」(V)
そう言うと、レティシア・ブルーウォーターは、七草たちに容赦なく毒を見舞っていった。
「ああ、こら待てぇ」
「大変、逃げちゃいましたよ」
レティシア・ブルーウォーターが毒を見舞った七草が他の七草に紛れてしまったのを見て、ミスティ・シューティス(みすてぃ・しゅーてぃす)が青くなった。もし、誰かがあの七草を食べたら大変だ。七草粥の会が、一転して食中毒の舞台となり、福神社は業務停止命令を出されて封鎖されてしまうかもしれない。
「とにかく浄化しないと」
毒のない七草を清浄化しても問題ないからと、ミスティ・シューティスは、かたっぱしから七草を清浄化していった。
「よし、足止めしたしぃ。やっちまえ、和葉」
七草の足にあたる部分を氷術で凍らせたルアーク・ライアー(るあーく・らいあー)が、水鏡 和葉(みかがみ・かずは)をうながした。
「よおーし、任せといてよね」
狙いを定めて、水鏡和葉が氷術で七草の全体を凍らせた。
「さて、どれどれっと」
さっと魔道銃を取り出した水鏡和葉が、七草の端っこを銃で狙い撃った。ポキンと折れた草っ葉が、クルクルと回転しながら水鏡和葉の手の中に飛んできた。
「七草ってどんな味なのか、新鮮なうちにちょっと味見」
好奇心に負けた水鏡和葉が、手の中でその葉っぱを揉んで氷を溶かすと、パクリと口に放り込んだ。
「に……にぎゃい、お茶ー!!」
とたんに、水鏡和葉が叫んで苦しみだした。
「おいおい、大丈夫かぁ?」
驚いたルアーク・ライアーが、お茶を持ってくる。
「あ、ありがと」
ルアーク・ライアーから受け取ったそのお茶を一気に飲み干した水鏡和葉だったが、よくなるどころか真っ青になってその場にばったりと倒れてしまった。
「きゃあ、だからいわんこっちゃないのよ」
それを目撃したミスティ・シューティスが、あわてて水鏡和葉を清浄化する。
「あなたの毒を浄化します」(V)
「うーん、七草怖い……」
毒を消されて、水鏡和葉がなんとか意識を取り戻した。
「ふっ、思った通りです。やはり、こんな怪しい物はすべて焼き払ってしまいましょう!」
なぜか勝ち誇ったクロセル・ラインツァートが、水鏡和葉たちが凍らせた七草を嬉々として焼き払っていった。
★ ★ ★
「ふう、なんとか駆除し終わったようね。後片づけも大変だわ」
久世沙幸が、光る箒で境内を掃き清めながら言った。巫女装束なので、実に絵になる。
「ははははははは……」
幸か不幸か、掃き集めた七草の残骸は、クロセル・ラインツァートが燃やしてくれるので助かる。本当ならば、ここにお芋でも投げ入れたいところだが、その芋まで暴れだしたらシャレにならないので自重することにした。
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