リアクション
「――いくぜ、北都、ハーティオン! オレ達のシュヴェルト13に合わせな!」
シュヴェルト13のコクピットでシリウスは叫んだ。
即座にモニターへと二つのウィンドウがポップアップする。
左に北都、右にハーティオン。
二つの顔がウィンドウの中で口を開いた。
『了解。僕達は左だね――』
『心得た! ならば私達は右からだ!』
合図はそれだけで十分。
まるで綿密な申し合わせをしたようにルデュテとハーティオンは動き出す。
左よりルデュテ、右よりグレート・ドラゴハーティオンが“フェルゼン”へと肉迫する。
既に防衛部隊として出撃したアルマイン・マギウス達の攻撃によって、“フェルゼン”の装甲は性質を『変転』させられている。
ゆえに、シリウス達が攻撃する為の準備は整っているのだ。
大出力のビームサーベル――デュランダルを抜き放つシュベルト13。
それと同時にルデュテはソウルブレードを、ハーティオンは風斬剣を抜き放つ。
『まずは僕達からいこうか』
『うむ! 受けてみろ、グレート勇心剣、彗星・一刀両断斬り!』
ソウルブレードに左半身、風斬剣に右半身の装甲をそれぞれ立ち割られる“フェルゼン”。
そして、最後はシュベルト13の番だ。
「――くらいやがれ……このデカブツ野郎ッ!」
既に重篤な損傷を二つも負っている“フェルゼン”。
その機体に、とどめの一太刀が振り下ろされる。
シュヴェルト13は大上段に構えたデュランダルを振り下ろす。
その一太刀を受け、“フェルゼン”は真正面の装甲も立ち割られる。
直後、損傷が戦闘続行不可能なレベルまで達したからだろう。
“フェルゼン”は自爆装置によって木端微塵に爆散する。
そして、この“フェルゼン”が“フリューゲル”指揮下の中では最後の一機だった。
既に撃破された二機も、この連携によって破られたのだ。
『やったね。うん』
『無論だ! 私達の勇気を合わせれば、破れないものなどない!』
「ま、オレ達にかかればざっとこんなもんだぜ!」
通信越しに言葉を交わし合う三人。
そして、シリウスはシュヴェルト13の首を上空へと向けた。
「後は、アイツら次第だな――」