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地球に帰らせていただきますっ! ~4~

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地球に帰らせていただきますっ! ~4~

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 ■ 久しぶりの帰宅 ■
 
 
 
 行方不明だった妹の白雪 妃華琉(しらゆき・ひかる)も折角見つかったことだからと、白雪 魔姫(しらゆき・まき)はこの休暇に実家に帰ることにした。
 妃華琉の無事な姿を見れば、父母も安心することだろう。
「まぁ、強化人間になってはいたけど、見た目変わってないからきっと気にしないわよね」
 そういう所にはこだわらない親だからと魔姫は軽く考えているけれど、妃華琉の方は屋敷を前に思案顔だ。
「やっぱり怒られるかなぁ……」
 トレジャーハンターに憧れてパラミタに行きたかったけれど、妃華琉はパートナーを見付けることが出来なかった。そこで強化人間になってパラミタに渡ったのだけれど、結果、家出のようなことになってしまった。
「大丈夫……と思うけど。心配かけたんだから、少し怒られるくらいは仕方ないわね」
「うう……」
 妃華琉はまだ唸っていたが、しばらくぶりに両親の顔も見たい。勇気を出してただいまと屋敷に入っていった。
 
 すると。
 
「あら、おかえりー。久しぶりね」
 声に気づいて出てきた母の白雪 麗がのほほんと迎えてくれた。
 上品で落ち着いたデザインの服装に、ロングウェーブの薄茶の髪をかかせている母は、40代後半なのにもかかわらず30歳ぐらいにしか見えない。妃華琉が家を出た頃とまったく変わりない母だ。
「え、えっと……」
 あまりに普通に迎えられて、妃華琉の方が戸惑う。
「失踪してた娘に再会したというのにコメントそれだけっ?」
 魔姫が呆れると、麗はだってと笑った。
「ただいまー、って言ったから、おかえりであってるでしょ?」
 呑気でやや天然なところのある母は、何があっても動じない肝っ玉の持ち主でもある。注意はするものの、魔姫も妃華琉もこの母が怒っている所を見たことがない。
 放任主義で娘のやることには昔からあまり口を出さない母だったから、そんなにうるさく言われることはないだろうと予想はしていたけれど、まさかここまであっさりだとは。
「……いいのかなぁ?」
 妃華琉は魔姫の顔を見る。
「ま、まぁ、これで済んだんならいいんじゃない?」
 昔から母さんはこうだったからと、魔姫は笑っている。
 なんだか拍子抜けしてしまうけれど、揉めたりするよりはずっと良い。
 麗がそれだけ娘を信頼してるということなのか、それとも何も考えてないだけなのか。
(まあ、それがママらしいってことかな)
 妃華琉はようやく肩の力を抜いた。
 怒られることもなく、感激のご対面も無く。
 でもそんな迎えられ方が一番心地良い。
 ちょっとそこまで買い物に行ってきただけのように、妃華琉は改めてただいまと家に上がったのだった。