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ンカポカ計画 第2話

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ンカポカ計画 第2話

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第10章 奇行

 とたとたとたとた……。
「ガチさん、幸おねえちゃんだいすきっ!」
 カガチは、険しい顔で何かに没頭している幸に抱きついた。
 沈没の恐怖はもともとおかしな彼の脳みそをますますトコロテンにして、妹化という奇行症を悪化させていた。カガチはもう、完全に壊れていた。
「にゃんこーーーっ!」
 にゃんこしいなを見つけるや否や、とたとたとたとた……どたっ。コケた。
「にゃんこーーーーー!」
「にゃっ?」
 カガチとにゃんこしいなは、パーティー会場の真ん中でじゃれはじめる。
「見ろ! 奇行症は治るどころか、悪化してるぞ!」
「そういえば、ヴァナも発症してないのに手術したりしてたよな」
「早く治さないと、とんでもないことになりますわ」
 動揺するみんなの前に、科学者の幸がやってくる。
「みなさん、落ち着いてください。私が今、ワクチンを開発中です」
 しかし、明け方の幸の愚行を忘れたわけではない。みんな、懐疑的だ。
「どうやって作るつもりだよ!」
「ほんとは何かまた変なウイルスばらまくつもりなんじゃないだろうなー」
「お前はそもそもギルティーなんだよっ!」
 幸が一瞬たじろいだそのとき、幸を守る男が現われた。
「やいやいやいやい! 幸さんの研究を邪魔する奴は俺が許さんよ!」
 陣が、拳を構える。
 陣の奇行発症時の強さを知ってるみんなは静かになった。
 幸はみんなの前をつかつか歩いて、1人の眠りこける美少女を指差した。
「彼女を見てください。みなさんが発症を繰り返してる中、眠ってる彼女だけは一度も発症していません!」
「ぐーぐーぐー……」
「つまり、これは科学者としての勘ですが、睡眠中の放屁、つまりねっぺから採取したネッペガスとパラミトリウムを混合することによってワクチンが生成されるはずです」
「ぐーぐーぐー。むにゃむにゃ……」
「こんなきれいな顔をした少女がねっぺをするのかって? 大丈夫。彼女はかなりサツマイモのメニューを食べていたという報告を受けています。相当なガスがたまっているはずです」
 幸と助手の陣は、眠れる美少女のお尻に手を合わせて祈る。
「全地球人のために、ねっぺをひとつ頼みます!」
「頼みますっ!」
「ぐーぐー。むにゃむにゃ。うふふ……♪」
 ランツェレットは、なかなかねっぺをしなかった……。
 なかなか出ないねっぺを待ってたら、日が暮れてしまう。そもそも、それでワクチンが作れるかどうかも怪しい。
「遊ぼうよー。遊ぼうよー」
 レキに手を引っ張られて、ついニタニタしてしまう陣を見ていると、かなり怪しかった。
 そこで、トメトメ一族のプレナは、師匠のためにも自分ががんばらなくちゃ! と立ち上がる。
「プレナもいろいろ試してみますねぇ〜。鞄に何か使えるものないかなぁ〜」
 鞄をごそごそするが、出てくるのは魔法のスープ缶ばかりで、……がっくり。
「ポロロッカめぇ〜。仕方ないですねぇ。ギャザリングヘキスを試してみるですぅ」
「ちょっと待って! プレナお姉ちゃん!」
 たたたたたた……。
 波音が息を荒げて走ってきた。
「どうしたんですかぁ?」
「プレナお姉ちゃん、探してたんだよー!」
「ずっとここにいましたけどねぇ」
「えっ。そ、そんなことより、ギャザリングヘキスじゃ、かえって奇行が悪化するかもしれないよ?」
「うーん。でもねぇ。これ、お日様に干したお布団の匂いでイチゴショートの味でしょう。こっちは、コーンポタージュの匂いで納豆のネバネバがあるチョコレート味(ブラック)でしょう。きっとショックで治るんじゃないかなぁ」
「なるほど!」
 プレナはさっそく、お布団イチゴショートの缶をあけて……ごくごくごく。
「うー。まずいぃ〜」
「じゃあ、しばらく様子見だね」
 しーん。
 しーん。
 しーん。
「まずいときたら、もう一杯ですねぇ〜」
「ええっ。まだ飲むのっ?」
「だって、プレナはなんとしても治し方を見つけたいんですよぉ〜。えいっ」
 ポタージュ納豆チョコの缶をあけて……ごくごく。
「ううー。まずいぃ〜〜」
 しーん。
 しーん。
 しーん。
 ぼたっ。
「ぼたっ?」
 そのとき、甲板で騒ぎが起きていた。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
 慌てて見に行くと……空からカラフルなカエルがいっぱい降ってきていた。
「けろ。けろっ。けろけろっ」
 プレナも混ざってカエルと喋っている。
「けろけろっ」
「プレナお姉ちゃーん。どうなっちゃったのー!」
「けろ?」
「だめだ。カエルになっちゃった。えーい、こうなったらあたしもカエル語で!」
 波音はカエルのポーズをとって、カエル語で話しかける。
「けろけろっ」
「けろ?」
「けろけろ」
「けろろーーーーっ!」
 会話が成立しているのだろうか、プレナは喜んでいた。
 ブルー・エンジェル2号からやってきた風天は、カエルに好かれたのだろうか、彼の頭にばかりいっぱい落ちてきた。
「あ……あ……ひ……へ……ん……ぱ……んぱーんぱー」
 逃げるのがめんどくさい彼は、そのままカエルに埋まってしまい、脳みそがトコロテンになっていた。
 
 その頃。ある部屋で――
 ラーフィンはひたすら隠しカメラの映像をチェックしていた。
 首にネギをまいて。
「さて、ブラックルームは特に異常なしだから、今度はピンクルームか。なんか、ものすごく悪いことをしてるような気がするけど、調べてるだけだからね。うん。お調べお調べ」
 自分に言い聞かせて、ピンクルームのテープに入れ替える。
「あれ? 今のは……なんだろう?」
 巻き戻して、もう一度見る。
 ――警備員が1人、こそこそとやってきて、ベッドに腰掛ける。仕事をサボってるようで、外を警戒しながら冷蔵庫から何か小さな瓶を出して、飲んだ。すると……画面から消えた。
「なんかわからないけど、ヤバい。このドリンクがまだあったら……絶対飲んじゃダメだ!」
 ラーフィンは、全然効き目のなさそうなネギを放り捨てて、ピンクルームに急いだ。
 そう。この小さな瓶は、ウィルネストとりをが見つけたワクチンドリンクだ!
 ドン。ドンドン。
 パーティー会場のテーブルに、りをとウィルネストがワクチンドリンクを置いた。
 そして1本手に持って、「ラ」のつく男を捜した。
「どこ行ったかなぁ……」
「ウィル兄ぃ。ラ族は結構走り回ってるから、見つからないかもね」
 ところが、ウィルネストの怪しい何かに縁があるのか、ラ族ははあはあ言いながらやってきた。
「よお、ウィルネスト! なんか朝から走りまくってるみたいでよお、俺はもう疲れたぜぇ」
「喉が渇いただろう?」
「ああ。それ、スタミナドリンクか?」
「まあ、そんなところだな。やるよ」
 と、そのときトツゼン、ラルクが服を脱いで、
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
 走っていってしまった。
 りをとウィルネストは、呆然とその背中を見送った。
「困ったね」
「ああ、俺は絶対こんなもん飲みたくねえしな」
 2人は、次のターゲットをきょろきょろと探した。
 ラルクは、走りまくってピンクルームの前まで来ていた。
 奇行から覚めて全裸の自分を見て、
「またやった!」
 こそこそと、通路の暗闇に隠れながら移動していく。
 そのすぐ脇を、ラーフィンが駆けていった。
 コンコンコン!
 ピンクルームのドアを叩く。
「はい、どうぞ」
 中から声が聞こえるが、一応断ってからあける。
「急いでるんで、あけるよっ!」
 ガチャ。
「う……!」
 部屋にはつかさの他に、夏樹が入っていた。まだ、服を着ているところをみると、何もしていないようだが。
「あ、あの……冷蔵庫を見ていいかな?」
「どうぞ……」
 しかし、中には何もない。
「イカガワシイお薬でしたら、先程アーカイヴス様と栂羽様が持っていかれました」
「どこへ!?」
「申し訳ありません。そこまでは伺っておりませんでした」
「ありがとう。お邪魔しました。いや、でも、お2人がそんな……誰にも言わないからっ!」
 ラーフィンは慌てて出て行った。
 夏樹とつかさは、静かに微笑みあう。
「つかささん。お願いがあります」
「ええ、なんなりと仰ってください」
「この船は、沈没の恐れがあると聞いています。そしたら、きっとボクもつかささんも死ぬことになるでしょう。……最期に一度、血を少し飲ませてください」
「どうぞ、お好きなだけお飲みください」
 全く躊躇うことなく答えるつかさに、いろいろと血を吸う策を練っていた夏樹の方が驚いた。
 そして、動揺したのだろうか。まだ勇と噛み合ったときのトコロテンが残っているのだろうか……カプッ。
 つかさの首を支える自分の手を噛んでいた。
 つかさはもちろん気がついていたが、血を吸われたかのように、静かに目を閉じた。
「烏山様……」
「さあ、目を開けたら、目の前にはあなたの最愛の人が立っていますよ」
 夏樹は吸精幻夜をかけているつもりで失敗していたが……
「はい……烏山様」
 つかさはトローンとした目つきで夏樹を見つめる。
「最愛の方ですわ」
 つかさも、こう見えて船の沈没が怖かったのだろう。寂しい人間が2人いて、それをまぎらわす方法はひとつしかない。
 と、そのとき――
 ガチャリ。
 全裸ではどこにも移動できなくて困っていたラルクがドアを開けた。
「おっっと! これは失礼!」
 慌てて出て行こうとしたが、トツゼン、
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
 ドアをしめて、でっかい何かをぶらさげたままベッドに向かって突っ走った。
 この後ここで3人に何があったのか、それは永遠の謎だ。
 
 パーティー会場では、ウィルネストとりをが誰に飲ませようかときょろきょろしていた。
「ワクチンドリンク、いかがですかあ?」
「誰かいねえかなー。こういうのをサッと飲んじまうバ――」
「勇気ある男なら……俺だ!」
 体を張ったのぞきには定評のある男、トライブ・ロックスターだ。
 ワクチンドリンクを1本手にとって、
「なになに。最小限になる? 最高だな」
「ああ、最高だぜー」
 ウィルネストはこのまま乗せて飲ませようとしているが、りをはいざとなったら心配になってきた。
「やめた方がいいよ。ほんとに飲むの?」
 しかし、その言葉がかえってトライブの無駄に勇敢なハートに火を点けた。
「俺はよお、何よりあのンカポカの余裕ぶった態度が気に入らねえんだよ。絶対倒したいって思ったんだ。だから、そのために必要なことなら、俺の体ぐらいいくつでも張ってやるぜ!」
 プシュッ。
 ごくごく……
 そのとき、ラーフィンがやっと現われた。
「飲んじゃダメええええええ!」
 ……ごっくん。
「え?」
 ひゅううううううううううううう。
 トライブが、消えた。
「消えた! トライブが消えたぞ!」
 ラーフィンががっくりと肩を落とした。
「間に合わなかった……」
 りをは呆然と立ち尽くしていたが、なんか足がかゆくてカイカイしながら何気なく見ると……
「わっ!」
「おーい! 俺はここだぜっ!!」
 小さくなったトライブが、りをの足に体当たりしていた。
「ひゃああ。ちいさいーっ!」
 トライブは、人間としての最小限のサイズ、身長約20センチになっていた。
「おいおい、『症状……最小限になる』って、そのままの意味かよ!」
 ウィルネストは不謹慎だが、つい笑ってしまった。
 りをは、トライブを手のひらに乗せて頭を撫でてみた。撫で撫で……
「おっ! いたいいたいっ。もっとやさしくしてくれよっ!」
「きゃはは。かーわいいね。トラミニくん!」
 トラミニくんは、りをのポケットにおさまった。
 ラーフィンは、トツゼン、カンカンカンカン!
「ギルティー!」
 ウィルネストが有罪判決を受けた。
「やっぱり? へへっ」
 全然こたえてなかった。
 そのとき、りをが叫んだ。
「ドリンクがもう1本空になってる!」
 ラーフィンは焦って、そばにいたロザリンドに訊いてみる。
「ロザリンドさん! あっちの船にいたから奇行症とか、ないよね。正常だよね。誰が飲んだか、どこかに持っていったか、見てなかった?」
「見てましたよ。飲んじゃダメだって思ったんですけど、それを言うのが面倒で……」
「だ、誰? どこで?」
「さあ……?」
 ロザリンドは、めんどくさくて答えなかった。
「わんっ!」
 みんなが振り向くと、わんこしいなの頭に小さなカガチ、ミニガチが乗っていた!!
「カガチーーーっ!」
 やっと安心したのだろうか、髪の毛をベッドにしてぐーぐー眠っていた。

 ドリンクがワクチンでもなんでもなかったとあって、奇行症の治療法は暗礁に乗り上げた。
 が、この男はあきらめてなかった。
 巨乳大好き男の総司だ。
「ちょっとみんな、聞いてくれ」
「お前、誰だよ」
「ああ、通りすがりののぞき魔だけどな、黙って聞いてくれ。いいか、奇行症は潜在的な願望かなんかが症状に表われているってのが大方の予想だと思うけど、だとしたら、ひとつ解せないことがあるんだ」
 自分の胸をドンと叩いて、
「それは、このオレだ。三度のメシより巨乳が好きと言っても過言ではないこのオレが、奇行症が発症すると何故か貧乳好きになってそれをモミモミまでしてしまうというのは、これ如何に! そう! これは、巨乳の神様がくれたチャンスだ! ワクチンを作るチャンスなんだ!」
 まわりくどいので簡単に説明すると、要するに、総司の奇行発症時に彼の周囲を巨乳で囲んでおけば、症状がおさまり、もしそこで巨乳をモミモミするようなことがあれば、完全に症状を克服したことになり、彼の体からワクチンを取ることができる……
「……ということだ!」
 総司は胸の大きな女性を指差しては、こっちへ来いと手招きする。
「みんな、治したいだろ? この変な病気、治したくないのか?」
 樹が、前に出た。
「別に、近くに立ってるくらいなら……」
 総司に呼ばれて、ひなもやってきた。
「そのかわり、顔拓もらいますよ?」
「そのかわり、パイ拓もらって――」
 バシッ!
 今や、ひなの顔拓取りは瞬速である。
 総司は一瞬にして顔が真っ黒になっていた。
 結局、「治したくないのか!」というセクハラ寸前の卑怯な脅しが功を奏し、次々と胸の大きな女性がやってきた。
 沙幸も、レキも、メイベルも、留美も、渋々総司を囲んだ。
「えーっと、もっと囲んで囲んで。発症したときに他の貧乳ちゃんが見えたら意味ないからねー。あ! そこのお姉さん!」
 会場の隅でトイレットペーパーの数を数えていたコトノハは、首を振って拒否する。
 が、そのとき、近くにいた大地がトツゼン、
「すね毛ええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
 コトノハを担いで運んできた。すね毛の宅急便だ。
「サンキュー! いやあ、よく集まってくれた。もっと、もっと近くに来て。ほらほらっ。恥ずかしがらないで。はあっ。はあっ。はっ。あひっ。はあっ。はあっ。ふへっ。ひ。ひひっ。うはあっ。はあう。はううう。う。ううううう」
 ドッッバーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!
「きゃああああああ!」
 いくらなんでも、胸の大きな女性を集めすぎたようだ。
 奇行症が発症する前に、スケベブラッドの大量噴出によって貧血。その場に倒れて痙攣している。
 しかし、このスケベ野郎に手を貸す女性は1人もなく、男たちですらあまりのバカらしさに冷ややかに見ていた。
 せっせと医務室に運んだのは、のぞき部の鹿次郎と新入部員のショウだ。
「部長。かっこよかったぜ!」
「さすがは部長でござるッ」
 のぞき部はバカなのだろうか……?
 医務室では、歌菜にちゃぶ台返しされた祥子が横になっていた。
 のぞき部がガヤガヤとやってきて、
「ところで、ショウ殿。薫殿の情報によれば、甲板で蒼殿のおパンツが拝めるとか拝めないとか……」
「行こうぜ!」
 ドンッ。
 ベッドまであと少しだったが、担架をその場に捨てていってしまった。部長は腰を痛打し、脳みそがオッパイトコロテンになっていた。
「おっぱーおっぱー」
「うるさいなー」
 祥子が物音に振り返ると、隣のベッドにいた警備員のおっちゃんが目を覚ます。
「おお、お嬢ちゃん。……お名前は?」
「私? 祥子だけど……」
「さ、佐知子……!!!」
「はあ?」
 このおっちゃんは、明け方洗脳が解けて荒巻さけの腹に自分の子供がいると勘違いした男だった。そして、そのまだ見ぬ愛しい第一子こそ「さちこ」だったのだ。
「佐知子! 佐知子ーっ! さっきまでお母さんのお腹に入ってたと思ったら、もうこんなに大きくなって! 子供の成長は早いなあ。お父さん、ちゃんと見てなかった。ダメなお父さんだなあっ! うううっー」
 また泣いてしまった。
「さちこ……って、漢字は……? ああ、もうめんどくさいからいいか、なんでも」
 医務室には小さな窓があり、外の様子を見ることができる。おっちゃんは、窓の向こうの島を見て、わなわなと震え出した。
「ロ、ロドペンサ島だ……! 何故、わざわざロドペンサに向かうんだ! どういうことだ! おれは、おれは……!」
 めんどうくさい病の祥子も、さすがに興味を引かれた。
「ロドペンサ島がどうしたの」
「……あそこには、ンカポカ様のアジトがあるんだ!」
「ほう。あの無人島に、噂のンカポカがねえ……」
「近づくのは危険だ。行っちゃダメだ。佐知子……行っちゃダメだ!」
「わかったわかった」
 祥子は、ローザマリアとウィルフレッドに伝えに行こうと体を起こしたが……
「めんどくさっ……」
 バタン。
 またベッドに横になってしまった。

 ブルー・エンジェル号は、危険なロドペンサ島まであと少し……。