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ミッドナイト・シャンバラ4

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ミッドナイト・シャンバラ4

リアクション

 
 

ゲストコーナー

 
 
「もしもし……」
「もしもしなのだあー!」
 CMあけは、唐突に電話の会話で始まった。
 どうやら、シャレード・ムーンたちはケーキやら紅茶やらマドレーヌやらリンゴだかとの戦いに忙しいらしい。ちなみに、その戦いにカレーは含まれてはいない。
「ビュリかい?」
「そうなのじゃ、偉大な魔法使いのビュリ・ピュリティア(びゅり・ぴゅりてぃあ)なのじゃあ。おまえは誰なのじゃ?」
「あっ、見習い魔法使いって言います」
「ふっ、見習いなのか。まだまだじゃな」
「いや、ペンネームだから。実際、今は魔法はむにゃむにゃむにゃ……。それより、イルミンスールが落下したり、大変だったな……怪我とかしなかったか?」
「見習いなのに偉そうなのだあ。えへん、わしはずっと迷子だったから平気だったのじゃ」
「どこが大丈夫だったんだ? こっちの寮の部屋は、湯飲みなんかが割れてて、パートナーが悲鳴あげてたけど、そっちの部屋は無事だったのか?」
「ちゃんと固定の魔法をかけてあったから大丈夫なのじゃあ。そっちはかけてなかったのか? まだまだ見習いじゃのう」
「……そういえば、丁度今頃だったよな。ビュリと初めて会ったのってさ」
「ええっと、誰だか分からないから……わからないのじゃあ!」
「うっ。空京のそばの町でお前が暴れていたときに、バリケード作ったり、そばで色々やってたんだけどなあ……」
「分からないのじゃあ」
「たった二年前のことなのに、随分と昔のことに感じるよな……」
「二年なんで、お昼寝している間にすぎてしまうのだあ」(←3002歳です)
「あれから二年……イルミンスールはもう慣れたか?」
「もちろんなのじゃ。居心地がいいから、まだまだずっとここにいたいのじゃあ。でも、どうしても迷子になるのじゃあ」
「迷子もほどほどにな」
「うん、分かったのじゃ。じゃ、バイバーイなのだあ」
「あ、ちょっと待って、まだ……」
 ツー、ツー、ツー、ツー……。
 
    ★    ★    ★
 
「こ、この電話の声は……。それに、湯飲みの一件といい……」
 ラジオを聞いていた悠久ノカナタは、それが緋桜 ケイ(ひおう・けい)だと気づいて愕然としていた。
「お、おぬしもリスナーであったか……」
 ということは、今まで投稿したあんなことなあんなことやあんなことも全聞いていて……。
「い、いや、わらわのペンネームにケイが気づいているはずはない……と思う……」
 今ひとつ自信を持って違うと言えないところがつらい。
「それにしても、ビュリをゲストで呼び出して電話で話すとは。そうか、あれからもうそんなに時間が経っておったのか。そういえば、あの事件でもオプシディアンが暗躍しておったようだが……。目的は何であったのであろうか」
 ここ最近に起こった不可解な事件と照らし合わせて、悠久ノカナタは少し考え込んだ。
 
 
こんな無茶やりましたコーナー

 
 
「なんちゃって〜 アニメの世界では、常識は通用しないのです!
 
    ★    ★    ★
 
「さあ、続いてのコーナーは、こんな無茶やっちゃいましたのコーナー。
 今週のやってもうたさんは、どんな人でしょうか。
 ペンネーム、勇気があれば、何でも出来るさんのやってもうた。
 
この二年、色々無茶ばかりやってきました。
去年、初めてイコンが戦場に現れたとき、真っ先に強奪を考え、試みて、失敗したり。
イコン戦で、使いにくい大鉈を振り回したり。
カナンでは、大将の部隊に喧嘩ふっかけたり。
最近では、ザナドゥ最強四魔神の一人に対してイコンで挑んで、大破させられました。
…イナンナ様、ごめんなさいぃぃっ!!

 
 ええと、強奪を試みたのは普通だと思いますが、大鉈だけでイコンに挑むなんで無茶振りがすぎます。大将の部隊は本命ですから、まああれですが。でも、もしかして、借り物のイコンを壊してしまったとか。それも、イナンナ様のイコンって……。今世紀最大級のやってもうたですね。
 それで、イナンナ様に怒られなかったんでしょうか。
 ちょっと、現在の何でも出来るさんが無事かどうかが凄く心配です……」
 
 
マイブームコーナー

 
 
「マイブームコーナー!!
 ペンネーム、氷の精霊さんのマイブームです。
 
 わたしの最近のまいぶーむは『かき氷』だよ。抹茶のシロップと餡子がのった『宇治金時』がすごく美味しいよ! 特に空京大学の食堂で出る『宇治金時』が絶品だと思うよ!
 
 あの空大学食の宇治金時に目をつけるだなんて、氷の精霊さんは通ですねー。
 そう、あれは絶品なのです。
 抹茶の、お茶自体の持つほんのりとした甘みと、人生を感じさせるちょっぴりのほろ苦さ。鮮やかな緑と白の中に隠れている、小豆色の餡のこってりとして、それでいてしつこくない甘さ。
 ああ、思い出しても食べたくなってきちゃうじゃないですか」
 
    ★    ★    ★
 
「あっ! わたしのハガキが読まれたよ!」
「大丈夫、バッチリと録音済みですわ」
 ラジオを聞いてはしゃぐノーン・クリスタリアに、エリシア・ボックが親指を立てて見せた。
「おにーちゃんも聞いてくれているかなあ」
「さあ、陽太は今それどころじゃない気もしますけれど。とりあえず、この録音データもメールで送っておきましょう」
「うん」
「送信っと……。ポチっとな」